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#40 『つながり』との付き合い方

2024年2月某日

地方創生とか、地域プロデュースの界隈で活動していると、やたらと「つながり」という言葉に接することになる。どこのビジネスカンファレンスに出席しても、インキュベーション施設のイベントに呼ばれても、とにかく「つながりが。ネットワークだ。」とやたらと連呼されている。

最近、このような雰囲気に少々疲れている。正直、異業種交流会で「なんか、いろいろやってます」という自己紹介とともに似顔絵入りの名刺を頂いても、名刺管理アプリに登録して以降、その情報に触れることはほとんどない。また、熱量のある大学生などが、「地域、ぶち上げます」といった話をしてくれるが、具体的に問題意識を聞いてみると「少子高齢化」「東京一極集中」から一歩進んだ話が聞けることは稀である。

筆者の個人的価値観では、「表面を撫ぜるような交流機会」には、もうあまり意味がないかなと考えている。「つながり」を”目的”とした集まりから何かが生まれるとは思えない。そうではなくて、なにか具体的に「実現したい」という目的があって、必要な”手段”に「アクセスする機会」として「つながり」を活用する視点が大前提として必要だと思う。あたりまえのことなのだけれど。

要するに、「つながり」は目的ではなく手段でなければならないということである。本当に実現したいことがあるなら、よくわからない集まりに参加するより、まずは黙々と自らの問題意識の解像度を上げるために読書と内省を繰り返したほうがよい。あとで見もしない小さい紙束を交換した薄い記憶を、酒に酩酊して自ら消去する「つながりの場」での時間の使い方は、未来ある若者にとって、流石にもったいない。

KPIは、Facebookのお友達の数ではないはずだ。みんな、家で本読もう。
ほなら。

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