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植物と人間はどう違う?

2023/10/15  こども哲学高学年レポート

「🌲植物と人間はどう違う?🌲」


【哲学するということのおさらい】


今回は哲学するということを、本を読んでおさらいすることから始めました📕


スウェーデンの作家ベーテル・エクベリの『自分で考えよう~世界を知るための哲学入門』をみんなで少しずつ担当して朗読します。


その本は、こんなことについて触れています。「理性」というと仰々しく聞こえますが、たとえばそれは、私たちがなくした鍵を探すようなときにも働いている。自分が置き忘れたのがキッチンか、それとも玄関か、推論したりします。


その理性を用いながら、自分が持った意見の理由や根拠をあげてみる。そうして「だれが正しいのか」ではなく「なにが正しいのか」を誰かと議論していく。


少し難しい言葉や漢字もありましたが、今までもやってきた営みを改めて振り返りました。

今回の哲学対話のテーマについても本をヒントにしてみました。



【宇宙について考えてみる】


その本には、哲学者の考えがわかりやすく表現されています。選ばれたテーマのひとつは「宇宙」について🚀


たとえば、現代フランスの哲学者カンタン・メイヤスーは、「今ある宇宙は本当に何の理由もなく、たまたま生まれた」と言います。


フランスのパスカルは、宇宙のような大きなことも謎につつまれているし、本当にミクロな世界のことも人間は知らない。そのことから「中間の状態を生きるのが人間の本当のあり方だ」と考えたそうです。


大きなものと小さなものに挟まれた中途半端な存在。だけれども、だからこそ「人間は考える葦である」。この有名な言葉はそんな前提から生まれたもののようです。



その本をヒントに、問いを自由に立ててもらいました。インスピレーションされたものなら、宇宙にまつわることでなくても、なんでも自由です。

【問いを立てる】



テーマは2つ選ばれ、グループも2つに分けて議論することにしました。


選ばれたのはパスカルの葦から

「人間と植物はどう違うの?」

そして

「今までの研究や理論は本当に合っているの?また合っているとしてもどうして分かったの?」



今回のレポートでは「人間と植物はどう違うの?」について記します。


【人間と植物、同じところと違うところ】


どう違うのか、ではこんな意見が出てきました。

「植物は人間みたいに動けない🏃‍」

「人間は火を起こしたり、物を作れる。植物はしゃべれない」


では、同じところはどうでしょう?

「内容は違っても、栄養が必要なところ🧃」

「どこにでもたくさんいる/あるところ」

「変化し、成長するところ🌳」

今回のキーワードとなる言葉も出てきました。

「植物はプログラムされたAIと似てると思う。種がまかれて、実をつけて、枯れる。そういうパターンを繰り返してる」


【植物はプログラムされている?じゃあ私たちは・・・?】


植物が「プログラム👨‍💻」されたものだとするなら、人間はプログラムされていないのでしょうか?


「お腹が減ったからご飯を食べる。歩けたり、蹴ったりできるのは人間の身体も自然とそう作られているからだと思う」


「植物も何かを考えていそう」


確かに、近年では害虫にやられた植物が、他の植物に信号を伝えたり、会話のようなことをしていることが明らかになってきているみたいです。


植物も考えることがあるかもしれないなら、それはプログラムされただけの状態とは違うのでしょうか?


「考えるということはプログラムの途中にあるのかも。完成したプログラムと、設定途中のプログラムがあるような……うーん」


プログラムに沿って動くだけではなく、もし植物が考えられるなら、プログラムを作っていくこともできるのでしょうか。


「植物が目に見えないレベルで動いている映像を見たことがある。動けるということは、考えているようにも見えるし、進化しているような……前に進んでいるように感じる」


【無意識、癖=プログラム?】


ふと、みんなの様子を見れば、足先をむずむずさせたり、頭をかいたりしています。

「その動作は、考えてしたもの?」そう聞くと、みんな首をふります。どうやら習慣になっている癖のようなもので、無意識にやっているようです。


癖、無意識、考えずにすること、それらはプログラムされたものに近くて、


人間にもプログラムされたところがあるのかも?



「みんながしている無意識な行動は植物もしてる?」そう問いかけると、


「人間だけじゃなくて、他の動物もしてそう」そんな答えが。


最初は、プログラムだけされているように見えた植物、考えて行動しているように思えた人間の姿が、次第に交わってきたかもしれません。


「プログラムと、考えることも似ているかもしれない……」


問いがいよいよ深まってきたところで、今回はおしまいです。

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