大石

痔持ちのミュージシャンです。

大石

痔持ちのミュージシャンです。

最近の記事

妄想

夜、布団に入りスマホをいじる。 マンション備え付けのWi-Fiが不調のため、動画もまともに見れない。 読み込みマークが画面中心に現れるたびに自分の中のストレスゲージが溜まっていき、 それが最大に達した時、俺はスマホを枕にぶん投げて、「あぁ!!、」と1人叫ぶ 惨めな声は、部屋の壁に跳ね返ることはなく 口から出た瞬間、すぐに溶けてしまう。 俺が今叫んだ言葉が、好きな人への愛の言葉だったり、希望に満ち溢れた言葉だったら、 窓も壁も通過してどこまでも飛んでいくのに、 スマホを投げ

    • 無気力日記①

      仕事が終わって家に帰ると、とりあえずデモを作るためにパソコンの前に座り、 ギターを持ってジャカジャカ弾いてみる。 そんなことをしてたら大体は21時とか22時とかになっていて、 夜ご飯やお風呂が億劫になる。 このままご飯食べずお風呂に入らず仕事行って、あの上司より臭い空気撒き散らしてやろうか!と思いながら とりあえず冷蔵庫にあるものを炒めて、食べて、あー腹に入れてるだけの食事してるなーと思い、シャワーを浴びて、ギリギリ人間を保つ 翌日も6時くらいに起きて仕事に行く。を繰り返

      • ジジイの絶望

        左手に酒、右手にスマホを持って、タバコを咥えながら自転車を漕いでいるジジイとすれ違った。 目の前からくる、その欲望の塊からは、なんの感情も感じず、まるで当たり前のことを当たり前にしているといった感じだった。 ジジイは呆然と立ち尽くす俺に一瞥もせず、 まあまあなスピードで通り過ぎる。 外ですれ違うジジイの多くは絶望と焦燥に満ちている。 新宿、線路下のトンネルで布団にくるまって眠るジジイ 路上に座り焼酎ハイボールに小瓶のウイスキーを入れて飲むジジイ 駅前でずっと何かに怒っている

        • マッチングアプリというより人生という苦行

          当時、僕は高専を卒業して、京都に来てマッチングアプリをやるぞとかなり気合が入っており 友達にプロフィールはこう書くべし!写真はこうすべき!的なのを学びながら、なんとか彼女を作ろうとしていた。 さあ、プロフィール写真でも決めるかと思い 写真フォルダーを開く。 そこで僕は自分の写っている写真がほとんどない(使えるような写真がない)ことに気がついた。 そういえば、高専という学校は男ばかりで、 写真を撮り合うなんて文化はない。 超オシャレなカフェに行っても普通にバクバクパスタを食

          単純な感情

          高校生の時、 ちんちんに脳みそがついていた友達は、とにかくエロい目をしていた。 初めてできた彼女に体ばかり求めてしまうから、デート前に自分慰めを済まして 結局夕方頃にはその効果も切れてやってしまったと言う話を聞く。 僕含め周りのみんな「お前最低やなマジで」と言ってはみるが男子高校生なんて全員猿なわけで、羨ましいと言う感情をどうにか誤魔化していた気がする。 みんなその友達のことを、その時期なんとなく少し嫌いになり、 彼女に「体ばかり求めるのが嫌」と言われて振られたあとは、普

          単純な感情

          おちる

          あまり気分が良くない。 明確な原因はわかってる。 そもそも、嫉妬や、偏見でまみれた人間が普通のフリをするのが間違いで、 未来のこととか、考えずに無計画に生きたい。 野球部を卒業した後、筋肉ひけらかして、遊びまくって、いつの間にか結婚して子供ができて、周囲には同じような友達で囲まれて、堅実に仕事と遊びを両立して、周りの目なんて気にならないみたいな、スーパー人間になりたい。 でも絶対になれない。そういう人間を否定することで自分を保ってるから、 バンドをやっていると、嫌でも

          おちる

          侵される領土

          好きだったミューシャンが売れてしまった。 最初は自分だけのもので、名前も覚えてくれていたのに、遠い存在になった気がして、 なんとなく好きじゃなくなる。 いや、もしかしたらこの感情は嫌いに近いかもしれない。 そういう感情は、ミュージシャンに限った話ではない。 好きな映画、好きな本、好きなアニメ、 まだ日の目を浴びない時期に見つけたものが 他の人にも見つかり始めると、急に冷めてしまう。 私が最初に見つけたの、私が1番知っているのに、 あぁ、全然わかってない、その映画のいいところ

          侵される領土

          僕は花

          僕 僕は 花になるんだ 君の家のそばの花に 幼馴染に負けないくらいの 強い 強い 花に 君は僕に水をやり すくすくと大きく育った 背は高くないが明るい花に なった 君はどの花にも 水をあげる 優しい女の子 だからみんな元気なふりして 君の笑顔が見たいんだ 僕に足でも生えてたら 君の寝顔を盗み見て 風邪をひきそうな体に 毛布をかけるのさ 陽の光はいらない だけどずっと笑っていて欲しい 君のそばに根を張る それしかできない 僕は 僕は花

          僕は花

          あの老人が市長になったら僕も政治家になろうと思った。

          学生時代のバンドメンバーと久しぶりにライブをするため、京都のスタジオで練習をすることになった。 3時間みっちり練習をするともう19時すぎになっており、完全に日が落ち外では少し雨が降っていた。 スタジオを出るとまだ少し話し足りない雰囲気があり 蔓延防止策で8時には閉店してしまうマクドナルドに急いで入った。 すぐに注文を済ませて一階の奥の席に背中にめり込んだギターケースを下ろして席に着く。 しばらく近況や昔の話をしてハンバーガーを食べ終えると、 隣に座っていた老人が急に話しか

          あの老人が市長になったら僕も政治家になろうと思った。

          妖怪サウナ常連クソじじい

          学生として最後の春休みを過ごしている僕は、とにかく暇だった。 友人に電話をかけ、温泉に行く約束を取り交わす。 マッチングアプリであえなく撃沈し、かなり落ち込んでいたので 久しぶりの予定にウキウキしながら電車に乗り京都に向かった。 友達と合流しできるだけ人の少ない温泉に行こうという話になった。 温泉に向かい受付を済ませて、浴場に入る。 昼間ということもあり人も少なく「ラッキーやな〜」なんて話しながら風呂に浸った。一通りしょうもない話をした後、サウナに向う。 コロナ期間とい

          妖怪サウナ常連クソじじい

          マッチングアプリという苦行

          最近マッチングアプリを始めた。 マッチングアプリを始めて1週間 まず思ったことが、「連絡するのがめんどくさい」である そもそもマッチングアプリでは、話したこともない人を画像とプロフィールだけを見て、 ぼーっとしながら右に左にスワイプしてマッチングする。 知らない人に質問することなんて正直あんまりないし、正直だるい。 興味ないのに「どんな音楽好きなんですか?」 とか「あ、テニス部なんですね!一緒です!」とかクソどうでもいい質問を繰り返す。 そして返答は「そうですね!」だ

          マッチングアプリという苦行

          クソ暇学生の自主制作アルバム

          活動名:ポンツク ピーヤ アルバム名:バイアス ミュージック 各ストリーミングで配信中 ::::: 僕は常日頃、趣味で曲を作っている変な人なんですけども、、 この度、半年間学生の暇を最大限まで使って1人でアルバムを作った。 その名も「バイアス ミュージック」 当初、5曲入りくらいのミニアルバムを作る予定が、「何かが足りない、、何かが!!!」と思い続けた結果12曲入りになっていた。気持ちはまるでプロミュージシャンだ。 今回のアルバムのテーマは「色・傾き」である。いっちょ前

          クソ暇学生の自主制作アルバム

          絶望の尺度

          例えば,身体中に癌が転移して、余命幾ばくもない彼の絶望 5年間付き合ってプロポーズまでした彼女に浮気された彼の絶望 誰がどう見たってとびっきりの絶望 例えば,原因不明の何かに趣味や夢や喉を奪われた少年の絶望 3年間練習し続けた部活で一度もレギュラーを取れなかった彼女の絶望 醜い顔面を持ったことで、友達なんて1人もできなかった彼の絶望 誰もどうもしない。ただそこにある絶望 例えば,息子を失って、よくわからない猿に群がられる彼女の絶望 見えない何かに追いかけられて,空を飛

          絶望の尺度

          いつかきっとなんて

          鍵が閉まっていた。 彼の大雑把な性格から、今までそんなことはなかったのだが、確かに鍵が閉まっていたのだ。 私は心に少しの不安を纏いながら久し振りにドアの鍵を開ける 真っ暗な玄関で、手探りに電気のスイッチを入れた。 リビングのドアを開け、暗闇の中で机に脛をぶつけて、また電気をつける。 そこには ソファに寝転がり、清志郎のLIVE DVDを見ている姿がなく、 オンラインゲームをやっている途中でもヘッドフォンを外して、おかえりと言う声もない。 いつもの癖で言いそうになる「また

          いつかきっとなんて

          スマホ人間

          「スマホは現代の薬物である」立ち読みした本にそう書いてあった。 電車内であたりを見渡すと、試合会場に向かうであろう中高生たちが、首を90度に曲げてスマホにかじりついてた。 おっさんもおばさんもお爺ちゃんもお婆ちゃんもスマホに夢中になっている。 ほとんど全員がスマホを見ているもんだから、何を見ているのか気になるが、どうせしょうもない無益な情報を見ているのだろう。 そして、僕もそんな無駄なものを吸収し続けている1人である。 若者が見ているものと言えば大体がSNSである。

          スマホ人間

          偏見

          僕の心は「偏見」で埋め尽くされている ピチピチのタンクトップ着て、股を大きく開いて歩いてるやつは野球部だし 深夜、バイクに乗り コール音を鳴らしまくるヤンキーのチン坊は小さい 偏見は嫉妬だと言う意見がある 確かに僕は嫉妬の魔人で、嫉妬を燃料として生きている。 流行ってる音楽はあえて聞かないし、聞いても 「最近こんな感じの曲ばっかだよねー」 と世界一つまらないことを言う。 これは嫉妬からくる偏見であるし、同年代で売れているアーティストが羨ましくて仕方がない。 タンク