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スマホ人間

「スマホは現代の薬物である」

立ち読みした本にそう書いてあった。


電車内であたりを見渡すと、試合会場に向かうであろう中高生たちが、首を90度に曲げてスマホにかじりついてた。
おっさんもおばさんもお爺ちゃんもお婆ちゃんもスマホに夢中になっている。

ほとんど全員がスマホを見ているもんだから、何を見ているのか気になるが、どうせしょうもない無益な情報を見ているのだろう。

そして、僕もそんな無駄なものを吸収し続けている1人である。

若者が見ているものと言えば大体がSNSである。

Twitter Instagram LINE Tinder etc...


SNSを見ていると、なんだか自分がとても嫌な人間に思えてきて、どうしようもない鬱屈が襲ってくる。自分の人格がむき出しになって悪い部分ばかり目立つ。


例えば、知り合いのカップルのいちゃつきストーリーを見ていると、「彼女がいる自分かっこいいでしょ、ほらほら、羨ましいでしょ!!が見え見えでキモい」と思い

メンヘラの病みストーリーを見たら、「はいはいかまってほしいアピールね」と冷めた風を装って心の中でつぶやく。


ここでカップル・メンヘラ側の意見を予想してみよう

「黙れ、なんでもわかった風装ってんじゃねえぞクソが、⚪︎ね!自分が世界のルールの全てですよみたいな顔すんな気持ち悪りぃ」


そして僕はこう返す。

「ぃがアホっぽくていいですね。僕が悪かったです。反省してます。」

不毛な争いである。バカすぎて笑えてくる。SNSでは毎日こんな感情が繰り返されているのではないかと思う。

誰も得しなくて、誰もわかってくれない。
知って欲しい。わかって欲しい。
自分よりすごくならないで欲しい。失敗して欲しい。失敗して欲しい。失敗して欲しい。

そして失敗した人間を見て

「なんだよ、試合負けたのかよ、、あんなに頑張ってたのにな、次頑張れよ!俺めっちゃ応援してるから」
自分と同じ土俵に来たことに安心する。

そんな自分が嫌で嫌でスマホなんて無ければいいのにと思っている。

それでも僕はスマホを見る。
勉強しながらスマホを見る。
アニメ見ながらスマホを見る。
お風呂から上がるとスマホを見る。
寝る前にスマホを見る。

どうでもいいはずなのに、なぜか無性に気になる。

どうでもいいはずなのに、
どうでもいぃはすなほに、、
どうでもいいはスマホに、、、
スマホスマホスマホスマホ、、、、

僕はこの文をスマホで書いている。
君はこの文をスマホで読んでいる。
スマホスマホスマホスマホ

クレジットカードの番号も、昨日見たアニメも、登録しているYouTubeも、こっそり書いているポエムも、愚痴をこぼすための裏垢も、性癖も

君は僕の全てを知っていて、僕は君を100%信用している。

君はいつも僕のそばにいて、僕は君をいつも見ている。


スマホスマホスマホスマホス



追記:
この文章を書いた後,朝井リョウ作の「何者」を読んだ。なんかうわぁあぁあ!!ってなった。
語彙力0だけどとても面白かった。
「あー、SNSで他の人の感想が見たい」とも思ってしまった。

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