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ニュータイプの時代

【読む背景】
最近、めっぽう山口周にハマっているからである。
いろいろな要因がそうさせているように思う。

1つに、おこがましいかもしれないが、私と感覚が似ていると感じることが多くあるからである。
おそらく筆者の書き方として、誰もが感じていたが日本語として一般化されていなかった、というような表現を創り出すのが上手いとうのがあるとは思う。それを差し引いても、自分の感性のままにやっていってよいのだと元気をもらえることが多い。

2つ目に、私がハマっているPodcastのホストTakramの渡邊康太郎が彼をよく引用することにある。師匠の師匠、は言い過ぎだが近いところに居る気を勝手に感じている。

3つ目に、改めて就職先を考え直しているタイミングにて、アートないしリベラルアーツをキャリアと結びつけるということに関心を持っているからである。

そんな、山口周さんの書籍を読むのは本作が5冊目となる。

とりわけ、本作を手に取った背景としては「オールドタイプ」の上司に嫌気がさしていたタイミングに、この書籍が本棚の中できらりと輝いてことは否めない。

【印象に残っている箇所】

1p
自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材=「ニュータイプ」が、今後は大きな価値を生み出し、評価され、本質的な意味での「豊かな人生」を送ることになるでしょう。

30p
マーケティングの手段でしかない広告や流通の枠組みが、商品やサービスのありようを規定していたということです。
→94Pにて「プロダクトアウト」、「マーケットイン」に対する言葉として「メディアアウト」と称す。

46p
日本の思想史を通覧してみても、ユダヤ教やキリスト教社会に見られるような一貫して存在する「コンテンツ」はありません。しかし、一貫して存在する「モード」があって、それは「外来のものに無批判に飛びついて、それを吞み込んでいく」という文明受容の態度だというのです。
(人類学者、丸山真男を参照)

111p
つまり、フランクとクックは、市場が「絶対評価」から「相対評価」へと変化することで、勝者総取りが進行すると考えたわけです。(『ウィナー・テイク・オール』を参照)
→左官職人と検索エンジンの対比。

123P
極論すれば、アップルという会社はすでに一つの「文学」になっているということです。文学作品をコピーすることはできませんから、「意味」を競争力の中核に据えることができた企業は、コピーに対して極めて堅牢な事業を創り出すことができます。

207P
グラッドウェルはバイオリニストに関する研究から「1万時間の法則」を導き出したわけですが、この結果をみれば、確かに楽器演奏は相対的に、練習量がパフォーマンスに与える影響の大きい分野であることがわかります。しかし、私たちの多くが関わることになる知的専門職はどうかというと、努力の量とパフォーマンスにはほとんど関係がないということが示唆されています。
(プリンストン大学 マクナマラ准教授陣の研究を参照)

208P
職場の人から見れば「レイヤー2の努力」をしている人は「逃げた」ように見えるかもしれませんが、そんなことはありません。むしろ、あてがわれた場所を無批判に受け入れ、ひたすらにわかりやすい努力を続けるレイヤー1の行動様式こそ「安易な努力に逃げた」ということもできるでしょう。

219P
この「上司からの命令で動くエリート」と「内発的動機に駆動されるアマチュア」という構図は、インターネット黎明期の頃から、たびたび見られた戦いの構図であり、多くの場合は「内発的動機に駆動されたアマチュア」に「上司からの命令で動くエリート」が完敗するという結果になっています。

327P
つまり、副操縦士が操縦桿を握っている場合、動いている「腕」は1人分かもしれませんが、働いている「脳みそ」は2人分になるということです。
(なぜ機長の事故率は副操縦士よりも高いのかというパートにて)
→フラットな組織のパフォーマンスの高さを示唆。

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