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マガジン限定記事「未来の日本の最大の『格差』とはなにか?」

 つい先日、インターネットをパトロールしている最中にとても考えさせられる記事を見かけたので、皆さんにシェアしたいと思います。

 その記事というのは、バブル最盛期にリゾート地に建てられたマンションの現状を取材した迫真のレポートで、書かれたのはマンション批評系インフルエンサーとして知られる「のらえもん」氏です。

 のらえもん氏は、親族が数百万円で購入したとあるリゾートマンションに旅行を兼ねて調査に向かったといいます。親族は購入したマンションの管理状況や将来性が大丈夫なのかを知るべく、マンションのプロである親族の氏を頼ったといういきさつがあったようです。

 そしてのらえもん氏は、今回のリゾートマンション探訪について以下のような結論を書いています。その結論がじつによくまとまっており説得力が高く、そしてなにより「大迫力」だったのでした。

帰ってきて、読んで衝撃を受けた議事録とマンションで感じたことを思い返していました。

・見たところお金が足りない。修繕積立金は平米100円ちょっと。決算をきちんと読む時間がなかったが、たぶん、いまの建物を修繕するので手一杯で新しい投資をすることも難しいし、立派な共用部も壊れたら修繕するのが負担に感じるだろう。幸い、外壁塗装を見る限り10年以内に塗り直していて、鉄部のサビや外壁のヒビなどはほぼ見られないので、建物については向こう10年程度は安心かもしれない。なお管理費は都内のタワマンも真っ青の平米500円を超えています。

居住者は半分以下、かつほぼ後期高齢者。夕方6時に外側からバルコニーを明かりを見たら、電気がついていたのはおよそ1/4。大目に見ても半分しかいない。3連休だというのにゲスト駐車場はガラガラだった。決めつけは良くないが、高齢者は原資が限られているため、負担増を極端に嫌がる。

・周辺のインフラが壊滅している。最寄りのコンビニまで2kmは離れている。最寄りスーパーは5km以上。しかも山道であり、車がないと日常生活は厳しい。マンションから買い物のシャトルバスは出ているが、1日4本(これでもすごい)。たぶん他のリゾマンとの乗り合いバスだろう。移動販売車も来るみたいだが、週1日・1時間のみのようだ。

・周辺の働き手不足も顕著で、外から呼ぶのもおそらく難しい。サービスダウンになってしまっても新しい人をすぐ補充できていないし、議事録を見る限り目処もまだついていなさそう。

・周辺インフラといえば、幹線道路から物件までの道は、古い橋を渡る必要があり、ここもそのうち修繕が必要そう。そのインフラ維持に人手やコストを出せるのか。

のらえもんブログ『地方のリゾートマンションに40年後の都会のマンションの未来を見た』
(2023年11月6日)より引用
https://wangantower.com/?p=21094

 不穏な文章ではあるのですが、しかしながらこれは、きわめて重要な示唆に富んだ記述であるように思いました。

 というのも、のらえもん氏の述べるように、これは単なる「バブル期に田舎につくられた負の遺産」として切断処理できるような話ではなく、日本各地で(それこそ都市部でさえも)そう遠くない将来にわれわれが直面することになる光景を先取りしているだけなのではないか――と感じるからです。

 10年後20年後の近い将来の日本において、私たちの「格差」をつくる最大の原因はなにか? 今日はそのことについて書いていきたいと思います。

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