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アート独り言。(心が迷子になったとき。)

来年の4月に、初めての場所での映像出展が決定した。まだ先だと思っていたら、締切が年末。
1ヶ月しかない。

かなり余裕があると思っていたけど、急に焦りはじめる。だいたいの構想は出来ているけど、頭と体力が追い付くか不安になった。

先日、友人から私の映像が好きだとストレートに言ってもらえた。本当に嬉しかった。
決して高い技術ではないし、いつも撮影は一人だから限界はある。今自分が持っているもの全てを出して、それを受け止めてくれる人がいるのは本当に嬉しい。

それでも、やっぱり自分はダメなんじゃないのかな、もっと色々出来たんじゃないかな。考えれば考えるほど迷子になる。

そんな時はやっぱりインプット。
しかし、バランスが崩れることがある。
良い作品を見て更に自信をなくすこともある。
さじ加減が難しい。

友人の作品に癒されたくなり、今開催しているギャラリーへ向かった。
展覧会のタイトルは「奇妙な時間」

2階建てのギャラリーの1階は和室。

ギィィィと中から何か出てきそうな不気味な扉。

反対側には、カタマリから何かにゅるりと出ている。幼虫が成虫になる「変態を待つ」時間が表現されている。

2階にはモーターで制御され、動いているかほとんど気付かない鏡とコップ。時間がたつと鏡の見る角度が変わる。コップには水滴が落ちる音が不定期に鳴り響く。

このピンクの作品は、終戦時まだ女学生だった方の作品。まだお元気だそう。
意味はわからないが、初めてショッキングピンクを見た衝撃からピンクを取り入れた気がした。ギャラリーオーナーに訪ねると、他の作品もショッキングピンクやアクリルが多用されているとの事だった。

友人の作品。SNSで見たときは何故か壁掛けに見えていたので、平置きだったのに驚いた。なんという思い込み・・・色んな角度からみると面白い。

いい顔してる。「ふぅ~ん」って言ってそう。

帰りにオーナーがわたしを映像作家だと思い出して下さり、いっしょに流れている映像を見た。

実写とアニメの組み合わせがなんとも愛らしい。

奇妙なダンスが始まる。
襖は、幕開けを意味しているらしい。

アニメーションや実写がずっと流れていた。音楽も自作。

ゆるさがたまらなかった。

「ずっと見てられますね」

私が言うと、ギャラリーのオーナーさんは

「この作家さん、あんまり上手くなりたくないそうなんです」

ああ、よくわからないけど、なんとなくわかるかも。
凄い映像は自分が作る必要などない。
自分が表現したいものでやっぱり大丈夫だったんだ。

人からみたら大したことではないかもだけど、どうしたらよいか分からなくなる無限ループにハマると色んな事がわからなくなってしまうのだ。
気付くという事を忘れてしまうのだ。

こうしてアートによって救われ、無限ループから少しずつ這い上がる。

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