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『人間ってなんだ』(鴻上尚史 著)

【内容】
演劇の演出家の鴻上尚史によるエッセー集。
長期間、週刊誌『SPA』に連載した中から、人間についてのものをまとめ直し書籍化したもの。

【感想】
政治について、それから下ネタなどのシモのお話についてまで、幅広く語っていました。
『SPA』に連載しているということもあり、『SPA』の読者は想定した話題選びをしているのかなあとも感じました。

そんな話の中で、幾つか記憶に残った話があったのですが、演劇人として活躍する著者ならではの経験談は特に印象に残りました。
黒澤明の『影武者』にエキストラとして参加した話や、蜷川幸雄の演劇に出演したり、一緒にワークショップをした時の話など…
蜷川幸雄が自身の演劇の練習中、テレビで活躍する若手の役者と自身の劇団員に交代させたといったエピソードはなかなかシビれるお話でした。また、蜷川幸雄の劇団に持続し続けられるかどうかは、年に一回送られてくるハガキを受け取れるかどうかで決められるのだとか…

軽い話題から、下ネタまで、著者の守備範囲の広さが、自身の経験談を絡めて語られていて、軽く読めるわりに後から本の内容が思い出されるような話が多い本でした。

本にしても体験にしても、その時のインパクトとか以上に、後々いかにそのことが思い出されるかとか考えてしまうかといったが、実は自分の考え方や行動に影響を与えるのではないかなあ…

https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000368701

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