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『書くことが思いつかない人のための文章教室(著:近藤勝重)~記者と編集者の文章術、五感を活用した文章表現

【内容】
書くことが浮かばないときのアイデアの引き出し方から、共感を呼ぶ描写法、書く前の構成メモの作り方まで、文章を書くためのコツを解説。


【感想】
新聞社の記者や雑誌社の編集者などの経験をもとに、大学生への文章指導を行っている著者がまとめた本です。
基本的な文章の書き方を要領よくまとめた本ですが、編集者や記者出身者が書いたものとしては、表現に関するノウハウが詳しく述べられているのが特徴的だと感じました。

たとえば、五感を使った表現、特に脳にダイレクトに働きかける匂いの表現が文章を魅力的にするという点などです。
また、「なになにになるもの、なーんだ」といった比喩表現をなぞなぞのように捉えてみる方法も紹介されています。

最近、こうした文章術の本を立て続けに読んでいるのですが、小説家やエッセイストの本ではよく見かける表現に関する記述も、この本にはあまり見られなかったように思います。
後で著者について調べたところ、以前聴いていたラジオの川柳コーナーを担当していた人だったことがわかりました。
川柳には短いセンテンスの中に意味やニュアンス、情感や情景を凝縮する表現方法が求められるので、なるほどと思いました。あのコーナーには、コピーライターや編集者としての実力者が関わっていたことを思い出しました。

また、以前、石田衣良がラジオ番組で、文章力を上達させるための方法として短歌や俳句の描写の仕方が参考になると語っていたことを思い出しました。
加えて思い出したのが、短歌も作っている小説家の話では、小説の構成を考える際に連歌のようなアプローチを取っているという話もありました。こうしたことから、文章上達のために短歌や川柳を勉強するのも良いかもしれないと思いました。

https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344982338/

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