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『なぜ人だけが老いるのか』(著:小林武彦)
【内容】
死は進化するための必然であるという前提から、人に関する『老い』を問い直す。
※ネタバレ(?)します。
【感想】
『老い』は、実は人だけに固有の現象であるのだそうです。
自然界で生きる動物は、シャケのように死ぬ直前かに一気に老いるか、象やハダカデバネズミなどの生物はほとんど老いない種がほとんどだそうです。
(人間に飼われた犬猫などの飼育動物は例外として…)
そして、象はガンにもほとんどかからず、循環器系の病気で死ぬのだとか…
この本の中で老いることは、程良く壊れることで、生命の連続性を維持させるということを、人という種は環境的に選択されるようになったのではないか。
個人的にはこうした見解は、初めて聴きました。
要するに、人特有の老いは、元気で集団に貢献する『シニア』が多くいる人の集団が、環境的に生き残ってきた結果なのだとのこと。
まあ、人は老いて死を意識するからこそ、子孫や集団に貢献しようとするのではないかといったことから来る、行動の誘発のようです。
個人的には、結構説得力のある見解ではないかと思いました。
黒澤明の『生きる』の役所勤めの主人公が、余命幾許もないと知り、それまでの死んだような生き方を改めて、生き生きと次世代のために生き始めたみたいな…
この本の後半には、こんな指摘もありました。
人間は、配偶者や友人の死などで、70〜80歳くらいまでは辛い時期たが…
超高齢者(85歳くらい)を超えると、ある程度達観して老年的超越と呼ばれる境地に到達するのだそうです。
物凄く人によるのではないかという気もしないではないですが、それはそれで理想的な状態とも呼べるものなのではないかと思いました。
あと、この本で終始語られるのは、こんなロジックでした。
生きることに意味はなく、適応の結果、子孫を残して来た形態の集団が今生き残っているだけである。
そうした結果として、人間の長寿があり、老いがあるのだと…
それから、こんなより身も蓋もないことも語っていました。
人間種も、昆虫的に子孫を残すやり方、つまり女王蜂のような少数者飲みが子孫を残し、他の個体は子孫を残さないという風になっていくかもしれない。
或いは、人間種として子孫を充分残すことが出来ず絶滅するという可能性も充分あり得る。
うっ…と、言葉に詰まるような理屈で、ちょっとだけギョッとしました。
まあ確かに理屈ではそうだけど、感情的には承服しかねる…
けれど論理的に考えると…
まあ少子化対策について、こんな話する政治家がいたら、それはそれで総スカン喰らうんでしょうけど…
ここからは、この本の理屈から自分なりに妄想が膨らんでいったものなのですが…
この本でのロジックと、未来の人口予想の数値を基に考えを進めていくと、日本を始め、日本よりも少子化の進んでいる韓国や、30年後には人口が半分になるのではないかという中国を始め、人口減に苦しむ先進国は、人間種の産まない方の集団となってしまい…
インドやアフリカ地域、イスラム教圏の国々が、人間種の産む方の集団になるのでは…
ということは、30年後、50年後、100年後の人類の主要な宗教や人種の分布は…
まあ、あくまでも人類種が生き残っていればの話ですが…
偉い学者さんが、近年で最も核戦争が起こる可能性の高い時期に差し掛かっているのだとも話をしていたりもするので…知らんけど
https://www.dmm.co.jp/digital/videoa/-/list/?actress=1085397&dmmref=&i3_ref=detail&i3_ord=1&i3_pst=actress-name
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