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質問111.試合を「見るときのポイント」は?

こんばんは
こんど試合を見に行くんですけど試合を見るときのポイントなどがあれば教えてください。
お願いします。=。

回答


▶「自分の目」は自分で見られない


「テニスの上達に役立てる」前提で話を進めます。

観戦方法については門外漢ですけれども、最後に補足します。

可能なら、コートサイドからの観戦です。

打ち出し角度や落ち具合などが、よく見て取れるからです。
 
テレビやネット動画では、練習だとコートレベルの映像もありますけれども、試合中継では手前選手後方の、やや高い位置から映すアングルが多いでしょう。
 
テニスの上達に役立てるならば、コートサイドから見たボールの弾道を観察すると、「新たな発見」があると思います
 
なぜなら私たちは、自分の目は自分で見られないのと同じように、プレーしながら自分の弾道を実際に横から見る経験はないからです。

ですが他人の目でも横から見れば目だと分かるように、ほかのプレーヤーの弾道でも、横から見れば参考にできるのです。

ぜひプロテニスプレーヤーが打つ横からの弾道を、ご覧になってください。

▶フレンチオープンの「穴蔵」

 
またできるだけ低い位置から観戦できると、ボールの高低差がよく分かります。
 
ですがこれは、プロの試合観戦では難しいかもしれません。
 
できるかできないかは別にして、フレンチオープンなどではフォトグラファーが手前選手後方のサーフェスレベルから撮影できる通称「穴蔵」があったりするのですけれども、ああいった角度から弾道を確認できると一層効果的です。

自分がプレーしながらだと確認できない弾道イメージを実装できるからです。
 

▶見ているのはたいてい「上から目線」

 
そうでなくとも私たちは自分のプレー中、「自分目線」からしか自分の打つ弾道を見られません。
 
これはボールが実際に飛び出す高さよりも(サーブやスマッシュ、ハイボレーを除けば)、かなりの「上から目線」です。
 
打ち出し角度はショットの成否に大きく影響しますけれども、正確な弾道イメージを備えるには、「打点目線」から見るようにします。
 
つまりネット近くから打つローボレーなら、コートに這いつくばって見上げるプローン(腹臥位)になるというわけです。
 

▶だからマッケンローになれない

 
とはいえ私の見る限り、コートでそんな寝転がっているプレーヤーはめったにいません。
 
そのせいで「ローボレーは難しい」などと評価されがちなのです。
 
また難しいため、「プロでもないのだからアマチュアの皆さんは、大変でもヒザを曲げて腰を落として打ちましょう」などとフォームを強いるせいで、ジョン・マッケンローのようにひらりと舞うローボレーが打てないのです。

ローボレーに限らずストロークやリターンなど、普段はヒザや腰や肩の高さから打つヒッティングゾーンを多用するなら、「上から目線」になっています。

▶イメージと違ったら、イメージがズレている。それは「新発見」


いずれのご提案も、観戦するのがプロの試合であれば、難しいかもしれません。
 
なので一般の上手いプレーヤーのラリーなどを、コートサイドや後方、ネットよりも低い位置などから弾道を確認するとよいと思います。
 
イメージ以上に打ち出し角度が高かったり、ブレーキングポイントでは急降下したりしている様子が見て取れます。
 
観察した結果、ご自身がイメージする以上にそうだとすれば、「現実に対する誤ったイメージ」をもとにプレーしていると悟ります。
 
ズレがあったら、それは失敗なのではなく「ズレがあった」という新発見です。
 
そうすると「あみだくじ理論」に基づき、小脳はどんどん素早く正確な運動の司令を体へ伝えます。
 
あみだくじの横棒を全部取っ払ったら、ストーンと「当たりくじまで一直線!」というわけです。
 
弾道イメージの「新たな発見」は、ご自身のプレー上達に役立つに違いありません。
 

▶映画を見るのに勝るとも劣らない「ドラマ」がある


とはいえ、あまりプレー上達のポイントばかりを探していては、純粋に試合の興味、醍醐味、面白味を感じにくくなるかもしれません。
 
テニスというのは関心がない人が見ていたら、ただボールを打ち合うだけの競技にしか見えません。
 
ウインブルドンなどでは、ピート・サンプラスのサービスエースが続くと、日本時間では深夜の放映という事情も相まって、見ていて眠たくなるほど退屈です。
 
しかしそこで、対戦相手の心情に思いを馳せるのです
 
いかに攻略するつもりなのか、悔しみはいかほどかと。
 
不甲斐ないミスをしたプレーヤーには、自分を投影するのです。
 
「あぁ、分かるよ。俺もよくやらかすよ」
などと。
 
そのように味わい尽くすと、映画を見るのに勝るとも劣らないドラマが展開されます。
 

▶「好き」と言ってしまった


勝ち負けは確かに面白みのひとつですが、それはラブストーリーが結ばれるか別れるかの「結果」でしかありません。
 
そこへ至るやり取り、駆け引き、ハプニングがドラマチックです。
 
『男女七人夏物語』は、良介と桃子のやり取りが面白いのです。
 
「嵐の日」、降りしきる大雨の中「好き」と言ってしまったのです。
 
東京の洗練された雰囲気に、若者は憧れたのです。
 
どうぞ試合観戦を満喫されますように。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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