見出し画像

質問094:ナダルのトレーニングは?

回答ありがとうございました。

(※質問092に関して)
自分の場合、相手が打った瞬間、跳ぶというより股をパッと開いて大股になったほうがいいみたいです。
リターンでもリズムをとり、相手がスイングにはいったところから一歩前に出てインパクトの瞬間、バっと大股になれば大体良いようです。
たぶんプロや上級者もそんなふうにしてると思いますが、跳ぶ意識が強いとタイミングがずれやすくなる気がします。
それに股を大きく開けば重心が下がることになり、下半身が安定します。
下半身が安定するということは上体がグラつかないことを意味します。
これがショットの安定感や威力にも繋がるきっかけになるはずです。
建物や木ですね。根がしっかりすれば倒れず枝は実るのと一緒です。
フェデラーやナダルを見ると肩幅の倍くらい開いてることからわかるように、いかに下半身を安定させるかがショットの成否に関わると思います。
ここを誤るとすべてパーだと思うくらいです。
中級以下の人は全体的に重心が高いです。(スプリットステップすら踏んでない人もいる)
なので、すべての動きにおいて、相手のインパクトと同時に大股になって着地するという意識でやってこうと思います。

次は、トレーニングについてです。
基本的には下半身を中心に鍛えております。ウェイトやマシンを使ってです。
上半身は肩のインナーマッスルを鍛えたり、腹筋運動をするくらいです。
大胸筋とか上腕は全くやりません。
ちなみにプロはどのくらいウェイトをこなしてるんでしょうか?
とくにナダルのトレーニングに興味があります。

回答


▶ウェイトトレーニングに、バネや反動は「タブー」だから……

 
よく言われることですが、ボディビルダーだからといって、時速200キロのサーブが打てるわけではないし、強烈なスピンをかけられるわけではないし、また足が速いわけでもありません。
 
ウェイトトレーニングを否定するつもりは毛頭ありませんけれども、仮に筋肉を肥大させるのが目的であるならば、そうやってつけた筋肉は、かえって重くてサイズが大きいぶん、動きを妨げる「逆効果」もあり得ますので、必ずしもテニスのプレーにプラスとして働くわけではないと捉えます。
 
そもそもウェイトというと、筋肉に力を入れ続けて肥大させる狙いが一般的にはあり、そのためにはバネや反動等、スポーツとしての効率的な動きは、ウェイトトレーニング中は基本的に「タブー」です(バネや反動は、逆に力を抜いたときに、効いたりしますからね)。
 
そのようにして装備された筋肉が、果たしてバネや反動等の身体機能が連続するテニスのプレーで本当に有効なのかどうか?
 
ただし、必ずしも否定しないというのは、補強の目的であればケガの予防にはなるでしょうし、軽めのウェイトを扱うトレーニングを通じて、神経を目覚めさせ、脳からの指令を体へ行き届かせやすくするコーディネーション的な意味合いならば有効と考えるからです。
 
ご自身がウェイトをされる目的は、文面からは読み取れませんでした。

▶昔のスポ根は、逆効果!? 軽いバットをビュンビュン振る!

 
上記を踏まえ、筋肥大やパワー発揮が狙いなら、テニスで活かせる効果が得られるかどうかは疑問です。
 
パワーが「力×スピード」とすると、スピードは、重たいウェイトを扱う筋トレでは身につきにくいですよね。
 
最近(でもないのかな?)の知見では、スイングスピードをつけるなら重たいマスコットバットを振るよりも、軽いバットをビュンビュン振るのが効果的とあります(マスコットバットを振ったあとに、通常の重さのバットを振ると、スイングスピードが「逆に遅くなる」という報告もあるそうです)。
 
別の例でいえば最近の陸上競技選手は、スポ根よろしくタイヤを腰に巻いたロープで引っ張るのではなく、バイクで前から体を引っ張って先導してもらい、逆に負荷を軽くしてスピード感を筋肉に伝えます
 
重たいウェイトを扱っていると(タイヤを引っ張ろうとすると)、全速力で動かそうとしても、どうしても動きがスローになるから、速筋が遅い動きに慣れてしまう懸念があるそうです。

▶ナダルのボディメンテナンス

 
ナダルがどんなウェイトをこなしているかは把握していませんけれども、たとえば下の映像を参照する限りにおいては、コーディネーション系や体をメンテナンスするのが主目的で、重いウェイトを扱うトレーニングは控えめのように想像します(もちろんこの映像とは別に、バーベルをガンガン上げているトレーニングもしているかもしれませんが、実際のところは分かりかねます)。

 
体重計みたいな台に乗って耐えているのは加速度トレーニングマシン「パワープレート」。
 
検索するとさまざまな情報が得られます。
  

▶フェデラーのコーディネーション能力 


下記ビデオではフェデラーもウェイトをやっていますが、負荷はやはり軽めのようです。

彼のコーディネーション能力の高さもうなずけるトレーニング内容です。
 
とはいえウェイトは、やらないよりは(そしてやりすぎなければ)、やるといいとは思います。
 
傷めてから強化するのはしんどいですから、傷める前に鍛えておくのが備えあれば憂いなしです。
 
またテニスで活かすなら、やり方を工夫して、速い動きと組み合わせる等の工夫があると、より効果が見込めるのではないでしょうか。
 
筋トレに関しては専門家ではないので(ただし心身頭に関しては興味があるので、自分の体を実験台にしてよく調べますけれども)、あくまでも回答内容は参考程度に捉えていただけますと幸いです。
 
バイクで先導してもらって走り、転倒して、おケガなどされませんように。

▶自分を好きになろうとする「苦しさ」

 
蛇足となりますが、先述しました「心身頭の実験」としてについては、たとえば自己肯定感
 
どうなれば上がり(幼少期のそれを回復し)、どうなれば下がるかを、可能な限り日々の日常生活を通じてアセスメントしています。
 
コチラでも述べたとおり、よく言われるような自分を「好き」になろうとする試みは、逆効果。
 
それではてきめんに、自己肯定感は「下がる」はずです。
 
またそれで「上がった」という人にも、会ったためしがありません(一時的には上がる気がすることもあるけれど、むしろリバウンド的に「自己否定感」が、上がるようです)。
 
生きづらくて、苦しくなる。
  

▶「自己肯定感」という名前につられる

 
自己肯定感というのは、その名につられて「自己・自分」に目が向けられがちです。
 
自己肯定感を上げるために……
 
「自分を好きになる」
「頑張って自己主張する」
「自分が得意な分野を見つけようとする」
「自信をつけようとする」
「論破力を鍛えて言い負けないようにする」
 
挙げればキリがありませんけれども、そして、こういったポジティブ思考等で自己肯定感を高めようとする情報も世にたくさん提唱されていますけれども、これらの営みを通じて自己肯定感は、てきめんに「下がる」はずです。
 
いつも申し上げているとおり、自己肯定感は「他者肯定感と正比例」の相関だから、そこへアプローチするというのが、「秘訣」です。
 
その結果として自己肯定感が上がると、自分を好きになり、(必要な場面では)自己主張し、得意分野もできて、自信がつき、相手を論破はしなくても、一方的に言いくるめられるだけの無力ではなくなるのです。

あとから「ああ言っておけばよかった」という後悔も、ほとんどなくなるでしょう。
 
ちなみに自己主張が過剰な人は、何が何でも他人に同意を求めたがろうとする依存性が高いぶん(決めつけが激しいぶん)、印象に反して自己肯定感は「低い」傾向です。
  

▶冷水シャワーで体がポカポカに

 
体の実験については、たとえばヴィム・ホフ・メソッドが伝える「コールドトレーニング」。
 
その実験成果はコチラ

冬は足がキンキンに冷えて、寝るときも靴下を足ばなす(←手ばなすの足版です)ことができなかった頑固な私の冷え性が、まさか、体を冷やす水シャワーでポカポカになるとは!
 
しかも、確かに代謝、免疫が上がっていると、アセスメントされます。
 
日本一の豪雪地帯と言われる越後湯沢を、エアコンを始め一切の暖房器具なしで、越冬しました(寝るときは素足で、湯たんぽだけ使いましたが)。

夏は、体温に迫る東京の酷暑も、エアコンなしの扇風機1本勝負ですから、生涯、エアコンを必要としない「ささやかなる脱原発」に加勢しているつもりです。

またかつては軟便も少なくありませんでしたけれども、今では自慢したくなるスルっと抜ける「一本糞」です(お食事中の方、申し訳ございません……)。
 
一般的には「体を温めよ」とはいうけれど、これも、ここで述べているテニスの上達と同様、そして自己肯定感と同様、さらに書評第2弾『きみのお金は誰のため(田内学著・東洋経済新聞社刊)』にて、「お金を貯めても意味がない」「お金で解決できる問題はない」と学んだとおり、常識とは「逆なんだろうな」という実験を日々、自身の心身頭を使って楽しく継続しています。
 

▶『きみのお金は誰のため』2回転目を2.7倍速!

 
そして頭の実験につきましては、引き続き「KTK(高速大量回転)法」にならい、『きみのお金は誰のため』の2回転目を、Audibleにて2.7倍速で聞き返しています。
 
速く聞くから、何回も聞き返せる。
何回も聞き返せるから、定着する。
定着するから、さらに速く聞き返せる。
 
一読しただけという人は少なくないでしょうけれども、それでは「章見出し」すら思い出せないという人は、(恐らく!)私だけではないはずです。
 
ですから人間の能力なんて、テニスと同様、大差ありません。
 

▶人は変えられないけど、変わることはできる


主観的には久々に出会えたと思えるせっかくの「良書」ですから、少なくとも10回転は繰り返すつもりです。
 
必然は偶然の顔をしてやってくる

こういう書や人との出会いって、人生のしかるべきタイミングに仕掛けられていると実感する今日このごろです。
   
自他ともに、人は変えられないけど、変わる。

事実、『きみのお金は誰のため』も、1回転目では気づかなかった学びが、繰り返す・聞き返すことで、どんどん新発見がなされ始めていますよ!

たとえば「難しい単語に満足する人たち」

これはテニスゼロを執筆するにあたって、私も気をつけなければならないと、戒められたしだいです。

「根本から疑って考えることはいちばん重要」だとも。

▶「ゆっくり・丁寧」の罠


テニスから気づきを得て、フォーム(文法)を教えようとする日本の常識的な英語教育も疑問視しているわけですけれども、そればかりではありません。
 
「KTK」にならえば、社会の「歴史教育」もそう。

縄文時代をまずやって、次に弥生時代を完璧に仕上げてと、「ゆっくり・丁寧に」やるから、受験直前になっても近代までたどり着けず、また繰り返せないから、安土桃山時代などは文字どおり「遠い昔話」で、すっかり忘れてしまっています。
 
そうではなくて、「かなりザックリ」とでいいから、全体をとおしで学び、何度も回転する過程で、細かな部分を埋めていくと、無理がないはずです。

繰り返しになりますが、人間の能力に大差はありません。

繰り返していれば自分の電話番号と同じように、覚えようとしなくても覚えてしまいますので。

よろしければご参考になさってみてください。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero

無料メール相談、お問合せ、ご意見、お悩み等は
こちらまで
tenniszero.note@gmail.com

スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero