稲荷山古墳出土鉄剣 その1
御墓山古墳の被葬者と目される大彦命について探ってみたところで、稲荷山古墳に言及しておかないわけにはいきません。この鉄剣銘文の発見以前は、「日本書紀」の記す大彦命は~いや雄略天皇ですら~架空の人物とすら考えられていたのですから、地方の古墳にいかに重要な史料が眠っているか、その可能性を知らしめる大発見でした。と同時に当然、これまた架空の人物扱いされる父・孝元天皇の実在性もぱっと明かりを灯されるように自動的に高まるわけですが、そこに言い及ぶ記事はなかなか見当たりません。銘文の発見