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『生の短さについて』(セネカ)で実感。幸せを見つけ出せるのはいつだって、「いま」だけだ。

 著者セネカは紀元前4年もしくは5年に生まれたと考えられており、イエス・キリストと同じ年に生まれた可能性が高い。そう考えると、すごく昔の人だったことが感じられる。裕福な家に生まれたが、病気をしたり、順調に出世と著述がうまくいきだすと今度は父や一人息子が亡くなったり、姦通嫌疑で8年間流刑されたりと、ジェットコースターのような人生だったようだ。50代で後に皇帝となるネローの教育係となるが、69歳頃、ネロー暗殺陰謀連座の嫌疑によりネローから自決を命じられる。  セネカはストア学派

    • 『ビジネスモデル・イノベーション~ブレークスルーを起こすフレームワーク10』

      著者:ラリー・キーリー    ライアン・ピッケル    ブライアン・クイン    ヘレン・ウォルターズ 監修者:平野敦士カール 翻訳:藤井清美 出版:朝日新聞出版,2014 イノベーションを実現するためには、 重要な問題を特定し、それを体系的に検討して エレガントに解決策を生み出すことが必要だ。(p22-23) イノベーションと言う新しい知識体系が今日、誕生しつつあるが、それは次の理由からだ 企業は、成長と存続のために新しい発見や戦略を必要としている 効率だけではもう

      • ビジネスへの貢献大!ずっと論文読むのを習慣にしていたら!と『経営者の教科書』を読んで。

        今回読んだのは『経営者の教科書:ハーバード・ビジネス・レビューCEO論文ベスト12』(ハーバード・ビジネス・レビュー編集部編、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部訳、ダイヤモンド社,2020年)。 「経営者に必要な能力を『ハーバード・ビジネス・レビュー』の名著論文で習得する!」がキャッチコピー。 本書から、今回は第1,2,5章のダイジェストと感想をメモした。最初に全体を通してひとこと感想。これからは学ぶ経営者でなければだめだ。もちろん学びは研究論文を読むことに限

        • そう、人生があるんだ。私たちには。『ドキュメント がん治療選択~崖っぷちから自分に合う医療を探し当てたジャーナリストの闘病記』(金田信一郎著,ダイヤモンド社,2021)を読んで

          結構読んでいて辛いところもあり、飛ばし飛ばし読ませていただいた。 それでも刺さったのは、この一文。 そう、人生があるんだわたしたちには。 これは、私の人生なんだ。 「標準治療」とか、「〇〇科」というまな板の上の何か、なんかじゃない。 切った後には、そこから回復していく生活がある。 私たちは治療後の生活を生きようとする。 願わくば寛解して二度と再発しない人生を。 その人生の主人は、私たち自身だ。それを認めてくれて、寄り添ってほしい、力を貸してほしい。たぶんそれだけ。

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        『生の短さについて』(セネカ)で実感。幸せを見つけ出せるのはいつだって、「いま」だけだ。

        • 『ビジネスモデル・イノベーション~ブレークスルーを起こすフレームワーク10』

        • ビジネスへの貢献大!ずっと論文読むのを習慣にしていたら!と『経営者の教科書』を読んで。

        • そう、人生があるんだ。私たちには。『ドキュメント がん治療選択~崖っぷちから自分に合う医療を探し当てたジャーナリストの闘病記』(金田信一郎著,ダイヤモンド社,2021)を読んで

          『がんが自然に治る10の習慣』ケリー・A・ターナー、トレイシー・ホワイト著を読んで、自分が変えるべきは何だろうかと考えさせられる。

          Radical Remission(邦訳『がんが自然に治る生き方』)の、いわば続編。前著では、自然寛解を経験した人たちにインタビューをし、共通する9つの治癒要因を紹介していた。今回は新たに10番目の治癒要因、運動を付け加え、それぞれに章をあてて個人の事例とともに紹介している。この大勢の個人の寛解の実例からは、奇跡のような驚きと、多くの気づきが与えられる。以下、メモ。各章に実践のステップが載っているので、気になった方は本書をお読みいただきたいと思います。 第1章 運動を生涯の

          『がんが自然に治る10の習慣』ケリー・A・ターナー、トレイシー・ホワイト著を読んで、自分が変えるべきは何だろうかと考えさせられる。

          『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本』で基本の考え方が学べる

          今回読んだのは『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本~人気講師が教える宣伝せずに売れる仕組み作り』 宗像 淳(むなかた すなお)著、亀山 將(かめやま まさし)著 東京:インプレス,2015年10月21日発行 初版  目まぐるしく進化するマーケティングの世界で10年近く前の本はどうなの?とも思ったものの、基本の考え方をしっかり押さえることができた。最初にコンテンツマーケティングの全体像を押さえるには最適な、まさに「教本」。 コンテンツマーケティングとは ・コンテ

          『いちばんやさしいコンテンツマーケティングの教本』で基本の考え方が学べる

          人格者と言われるクリステンセン教授の人生にふれる『イノベーション・オブ・ライフ』

          「破壊的イノベーション」「ジョブ理論」のクリステンセン教授が幸せな人生を歩む方法を教えてくれる現代の名著 世界最高峰のビジネススクールであるハーバード・ビジネススクールを卒業した輝かしいビジネスマンが、その有能さゆえに犯罪者になったり、家庭で大きな挫折をしてしまうことがある。「公私ともに成功するよう生まれついていると思われた彼ら」なのに、離婚や子どもとの疎遠、刑務所に入るための戦略を実行してしまうはなぜか。「わたしたちはだれしも、これまであまたの人に道を踏み誤らせた力や決定

          人格者と言われるクリステンセン教授の人生にふれる『イノベーション・オブ・ライフ』

          『科学的な適職』(鈴木祐)がズバッと指摘。適職とは「あなたの幸福度が最大化される仕事」のこと(!!)しかし、読後の結論は…

           他人から見れば出世して成功しているように見えるかもしれないが、当人はここ2~3年、気分の晴れぬ日が増えている・・・。そんな「中年かくれ迷子」が、同世代の”新進気鋭のサイエンスライター”の適職本を読んでみた。 適職とは「幸福度が最大化される仕事」にまず目からうろこ!  たしかにそうだ。結局のところ、毎日の出勤が憂鬱でなくむしろ楽しくて、毎日の仕事を通して生活の満足感が上がり、喜びを感じる場面が増え、悲しみや怒りなどのネガティブ感情を減らしてくれる・・・そんな仕事が幸せな仕

          『科学的な適職』(鈴木祐)がズバッと指摘。適職とは「あなたの幸福度が最大化される仕事」のこと(!!)しかし、読後の結論は…

          メモしたい箇所が多すぎる『世界最先端のマーケティング』(奥谷孝司著, 岩井琢磨著)のまとまらない読書メモ

          この本のキーワードは「チャネルシフト」 オムニチャネル化・・・オンラインに軸足を置く企業がオフラインを組合せたオムニチャネルを実現し、顧客に購買体験を提供 「顧客とのつながり」を競争優位性として手に入れる。さらにそれによってマーケティング要素自体を変革するという行動 チャネルシフト戦略・・・1の上に2を実現する戦い方 つまり、チャネルシフターとは、選択の場としての「オフライン」「オンライン」と購入の場としての「オフライン「オンライン」からなる4象限を複数開拓しようとす

          メモしたい箇所が多すぎる『世界最先端のマーケティング』(奥谷孝司著, 岩井琢磨著)のまとまらない読書メモ

          元の生き方には、戻らない。『がんが消えていく生き方:外科医ががん発症から13年たって初めてかける克服法』(船戸崇史著)を読んで決めた。

          がんの原因は悪ではなく無理  がんになると、あれが悪かったのだろうか、それとも・・・と答えの出ない問をぐるぐると繰り返すことが多いだろう。何も知らぬ他人から、したり顔で「あなたが十分●●しなかったせい」などと言われて悔しい思いもするだろう。だが、著者は断言する。無理な生活が原因だったと。そして、そうなるのは「お人好し」だからでしょ、と。これは慰めでも励ましでもなく、警告だ。元通りの生活、元通りのマインドに戻ったら、再発するよ、と。がんを含む病気は、本来の生き方から外れている

          元の生き方には、戻らない。『がんが消えていく生き方:外科医ががん発症から13年たって初めてかける克服法』(船戸崇史著)を読んで決めた。

          『エンド・オブ・ライフ』(佐々涼子)死と命は円環を描いて

          渡辺西賀茂診療所の訪問医療  『エンジェルフライト』が話題になったノンフィクション作家、佐々涼子氏による、在宅医療の取材を通して終末期のあり方を考えさせられる本である。  私は福祉を志しながらも、当時の介護の現状を目の当たりにし、とても与することはできないと感じてビジネスの世界に入った。人として扱われない、そういう人生の終末期を見たためだった。  一方、渡辺西賀茂診療所の働きは人と人の関係性の上にある。亡くなりゆく人は、死の直前でも自分の家で家族と過ごし、家族と海へ行ったり

          『エンド・オブ・ライフ』(佐々涼子)死と命は円環を描いて

          光の中にいるように見える野口聡一さんの『どう生きるか つらかったときの話をしよう』で知った”影”

          光と影  野口さんにとっての光は、「宇宙飛行士である自分」だった。子供たちのあこがれ、いや大人も憧れ目指す人の多い宇宙飛行士だ。自身も子供のころから宇宙飛行士にあこがれていた野口さんにとって、その光は強烈に強いものであったのは当然である。だからこそ、「突然注目されなくなった自分」という影もまた色濃いものになる。宇宙に行ったら人生観が変わるのでしょうね?という悪意はないが固定概念がちがちの質問もまた、野口さんを苦しめた。もちろん、音も命も感じられない漆黒の宇宙で、船外活動で目

          光の中にいるように見える野口聡一さんの『どう生きるか つらかったときの話をしよう』で知った”影”

          『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が面白い!

           大学院の教授のおすすめで読み始めたアンディ・ウィアー著『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(小野田和子訳)が面白い。「面白い」だなんて、面白くもない表現だが、本当に面白い。読むのが止まらないのは当然だが、人類の危機という事態に対し深刻過ぎない軽妙さ(翻訳も素晴らしいのだろう)、それでいて思い切りハラハラドキドキすること請け合い。人類の英知を集めた挑戦、ちょっと難しい科学の話(読み飛ばすことも可能)、マジか!と思わず言いたくなる出来事の連続。(あぁ言いたい。言いたいがこれは今後

          『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が面白い!

          『世界で最初に飢えるのは日本』を読んで不思議で仕方なかったヒヨコの謎!

           衝撃的なタイトルの本書、様々な農政のダメさがつづられている。実際、衝撃の内容が多く、この国で健やかに食べ、生きるのはなかなかに大変かもしれない、などと暗い気持ちになる。  さて、そんな困った食料事情のこの国で、鶏卵はほぼ国産だそうである。ただし、最近よく耳にする通り、飼料はほぼ輸入。さらに一番不思議なのは、ヒナもほとんど輸入、と書いてあったこと。鶏卵がほぼ国産な国で、ヒナはほぼ輸入??何がどうなっているんでしょう? ヒヨコたちよ、いったいどこからどうやって、日本に来てい

          『世界で最初に飢えるのは日本』を読んで不思議で仕方なかったヒヨコの謎!

          『饒舌について』(プルタルコス著)から二千年、ヒトの本性は変わっていない!?

           著者のプルタルコス(英語的にはプルタークらしい)は紀元後40年代後半、ギリシアのカイロネアという小さな町に生まれた。ウィキによれば46年頃の生まれという。つまり、今からほぼ2千年前頃の人でありその頃の著作。しかし全く古さを感じない。  以前セネカ『生の短さについて』でも感じたことだが、1世紀前後の頃には人間の本性みたいなものは書かれ尽くしていて、そこから人は本質的には何も変わっていないようだ。嫉妬心や対抗心など醜い感情を克服したわけでもなく。技術は進歩しても内面は進歩しない

          『饒舌について』(プルタルコス著)から二千年、ヒトの本性は変わっていない!?

          『2035年の世界地図』を読んで、脳みそが攪拌された!

           資本主義とか、民主主義とか、最近気になってはいるものの、ちゃんと学んだり読んだりしていない”丸腰”で突入し、「世界の知と日本の知」が繰り出す考えやら反対意見やらに、頭が攪拌された状態である…。  ひとつだけはっきりわかったことは、エマニュエル・トッドやジャック・アタリといった有名な思想家たちでも、何か一つの答えにたどりついているとか、そんなことは全然ないってこと。もちろん共通の基盤はもっていると思うが、パンデミックと民主主義について、とか、デジタルやSNSをどうとらえている

          『2035年の世界地図』を読んで、脳みそが攪拌された!