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『食事のせいで、死なないために[食材別編]~スーパーフードと最新科学であなたを守る、最強の栄養学~』

イントロダクション

 中年になり、どこまでも健康だと思っていた自分が初めて病気をした。以来、食事や睡眠に気を付けるようになった。とは言え、あまりにガチガチにすると生活しづらい。その点この本は、絶対に悪いとか絶対に良いと考えるのでなく、あくまで相対的なものだと言ってくれる。「赤信号・黄信号・青信号」という捉え方で「青信号の食べ物を多くできるだけ多く摂り、黄信号の食べ物は最小限に抑え、赤信号の食べ物は避けるのが理想的だ」と気楽に構えることを許してくれる。また、覚えやすい。
 青信号:未加工の植物性食品(サラダ、オートミール、果物、ナッツ等)
 黄信号:加工された植物性食品(白米、精製小麦のパスタ、ジュース等)
     未加工の肉製品(ステーキ、刺身など)
 赤信号:超加工された植物性食品(フライドポテトなど)
     加工された肉製品(ハム、ソーセージ、フライドチキンなど)

グレガー博士の<毎日の12項目>も参考にしたい。
未加工の食物性食品(青信号)の中でも、とくに健康によいものがあるなら、その方がよいし、例えばほかの野菜をいくら食べても、アブラナ科の野菜を食べなければ、肝臓の解毒酵素を活性化するスルフォラファンは接種できない。
<毎日の12項目>分類の後の数字は、品目数
・豆類(3)
・ベリー類(1)
・他の果物(3)
・アブラナ科の野菜(1)
・緑色野菜(2)
・その他の野菜(2)
・フラックスシード(1)
・ナッツや種子類(1)
・ハーブやスパイス(1)
・全粒粉物(3)
・飲み物(5)
・運動(1)
そしてこの後の章立ては、この12項目に沿って、どんなものを博士が食べているか、どんな裏付けがあるかを紹介している。

1.豆類

豆類は特別な位置づけにあり、タンパク質にもやさいにも相当する。豆類には肉などのその他のたんぱく源と同様に、タンパク質、鉄、亜鉛が含まれているほか、野菜に特有の食物繊維、葉酸塩、カリウムなども含まれている。しかも、飽和脂肪やナトリウムは少なく、コレステロールは含まれていない。

2007年、米国がん研究協会(AICR)は、食生活とがんに関するもっとも包括的な分析結果を発表した。世界各地の9つの独立した研究チームが、約50万件の研究を精査し、画期的なコンセンサス・レポートを作成。それを世界トップレベルの21名のがん研究社が査読した。その報告書による、がん予防のための提言のひとつは、全粒穀物や豆類(どちらか、あるいは両方)を毎食摂ることだ。毎週でも毎日でもなく、毎食取るべきだと言っているのだ。(中略)朝から豆を食べる人なんているのだろうか?じつは、世界の国々ではめずらしいことではない。伝統的なイギリス式の朝食は、トーストにベークドビーンズ、マッシュルーム、焼いたトマトを載せる。日本の和朝食では味噌汁を飲むし、インドの子どもたちは朝食にイドゥリという豆や米粉で作った蒸しパンを食べる。

食事のせいで、死なないために[食材別編]/マイケル・グレガー著、ジーン・ストーン著(p.46)

以下、自分のためのメモ
・豆腐を買うときは、カルシウムを含んでいるものを選ぶ
・全粒大豆で作る発酵食品のテンペは豆腐より栄養価が高い
・レンズ豆は栄養価が高い。発芽させると抗酸化作用が2倍になるのでスプラウトが良い。
・水煮缶の豆は、塩分が入っていない物ならok
・世界の多くの国で、豆をよく食べる高齢者ほど長生きしているp.61
・がん予防ガイドラインにおいて、豆類を積極的に取るよう勧めている

2.ベリー類

ベリー類はがんの予防に役立ち、免疫系の機能を高め、肝臓や脳を保護する働きがあるp.67
野菜の中では緑色野菜が、果物の中ではベリー類がもっとも体に良いp.67

3.その他の果物

・果物を飲み物で取りたい場合、ジューサーよりもブレンダーの方が栄養分をずっと多く摂れる
・一日1個のリンゴ
・マンゴーを1cm程度にスライス、チアシードをまぶして食品乾燥機。美味。

4.アブラナ科の野菜

 [病気別編]でもっとも多く言及された食べ物。ブロッコリーをはじめとするアブラナ科の野菜には、DNA損傷やがんの転移を防ぐ効果があることを紹介した(病気別編、2章)。同5章ではア病原体や汚染物質にたいする防御能力を高める効果を、第9章ではリンパ腫を予防する効果を紹介した。さらに、第11章では肝臓の解毒作用を高める酵素を活性化させる効果と、乳がん幹細胞の増殖を阻害する効果について述べ、第13章では前立腺がんの進行を抑制する効果について述べた。
▷これらの効果をもたらす有効成分スルフォラファンは、ほぼアブラナ科の野菜にのみ含まれている。よってアブラナ科の野菜は重要で、冒頭にメモした<毎日の12項目>で他の野菜とは独立して1項目を占めている。
・スルフォラファンを増やすには、刻んで40分待つ。その後加熱してok
・ケールチップ・・・120℃ほどのオーブンで20分ほど

5.緑色野菜

1週間に12品目以上を推奨。
ルッコラ、からし菜、ほうれん草、かぶら菜、など
マイクログリーンの自宅栽培もおすすめ。

6.その他の野菜

ありふれたものだけでなく、いろいろな野菜を食べよう
ジュースでなく。。
ちなみに、日本の研究で、緑黄色野菜の摂取量が多いほど、顔のしわが少ない、という結果が出ている(p.129Column)
・(野菜ではないが)きのこも身体によい。
・抗がん作用が特に高い野菜
 体の部位にもよるため、本書136ページ以降で確認を。
 結論としては、やはり多くの種類を摂ることが大事。

7.フラックスシード(亜麻仁)

[病気別編]では、高血圧、乳がん、前立腺がんの各章で紹介された。
・そのまま食べると栄養分を吸収できないため、ホールを買った場合は、ブレンダーですりつぶすか、ミルなどで引いた方がよい。もしくは粉末を購入、またはよく噛む(!)粉末はナッツのような風味の軽いパウダー。パンやケーキを焼くとき、フラックスシード粉は卵の代わりに使える。卵1個分につき、粉末フラックスシード大さじ1に水大さじ3杯を加え、粘り気が出るまで混ぜればok。

8.ナッツと種子類

ナッツをこまめに食べると、寿命が約2年延びると考えれられている。1日当たりひとつかみ分(約4分の1カップ)を週に5日食べればいい。p.158
自分が好きで、こまめに食べられそうなものなら何でもよいそう。

9.ハーブとスパイス

植物色素の多くが体によい効果をもたらすように、ハーブやスパイスに含まれる風味化合物の多くもまた、強力な抗酸化物質であることが科学者たちの研究からわかってきた(p.173)
・毎日小さじ4分の1のターメリックを摂ろう
※胆石のあるひとはターメリックを摂取すべきでない
・パクチー▷炎症緩和
スパイスについては多く紹介されているので興味のある方は本書を。

10.全粒穀物

1日当たり少なくとも3品目の全粒穀物を摂ることを推奨している。
大麦、玄米、蕎麦、等々。

11.飲料

「さまざまな種類の飲料に関する健康効果および栄養学的利点とリスクに関する提言」によれば、もっとも健康的な飲料は、水だった(p.226)

12.運動

・座りっぱなしでいることが問題
・身体活動量と寿命に関するメタ分析の結果、1日1時間の早めのウォーキングに相当する運動をするとよい結果が出たが、1日90分のほうがさらに良い結果が出た。









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