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網羅的に整理された『頭のいい人が話す前に考えていること』

頭のいい人が話す前に考えていること / 足立裕哉著(ダイヤモンド社,2023、335ページ ISBN97/-4-478-11669-2 C0030 ¥1500)

昨年出版されベストセラーとなった本書、ようやく読みました。
頭のいい人になるための道(この本の使い方)は、
 ▼第1部を読んで黄金法則を手に入れる
 ▼第2部で一気に思考を深める
 ▼”話すたびに頭がよくなるシート”を切り離し、穴を埋める
 ▼”話すたびに頭がよくなるシート”を見返す
 ▼誰でも頭のいい人になる
とのことで、期待を持たせる導入も上手。

まったく聞いたことのない新しい考え方というものはなかったが、良く網羅され整理された良書と言える。知っていることと出来ていることは違うので、こうして、7つ、5つ、と切ってくれるのはありがたいし、できるコンサルという印象。「黄金法則」と「思考法」の説明エピソードも分かりやすく興味深い話が多いし、多数の参考文献から紹介される内容も関心を引くものが多く、次の読書へといざなってくれる。

本書の構成は、大きく2つに分かれている。なお、7つの黄金法則が根、5つの思考法は幹、とのこと。(どんな植物なのかモヤモヤしたが)
第1部 7つの黄金法則(=頭がよくなるシートの内容)
第2部 5つの思考法

第1部 頭のいい人が話す前に考えていること

「知性」と「信頼」を同時にもたらす7つの黄金法則

 その1.とにかく反応するな
 その2.頭のよさは、他人が決める
 その3.人はちゃんと考えてくれる人を信頼する
 その4.人と闘うな、課題と闘え
 その5.伝わらないのは、話し方ではなく考えが足りないせい
 その6.知識はだれかのために使って初めて知性となる
 その7.承認欲求を満たす側に回れ
詳細はぜひ手に取って読んでいただきたい。
私には「とにかく反応するな」が最も重要で、戒めとしたい内容を書いてくれてあった。

第2部 一気に頭のいい人になる思考の深め方

「知性」と「信頼」を同時にもたらす5つの思考法

 その1.「客観視」の思考法
 その2.「整理」の思考法
 その3.「傾聴」の思考法
 その4.「質問」の思考法
 その5.「言語化」の思考法
個人的には「7つの黄金法則」よりもこちらの思考法の方が「根」ではないかと思う。思考が根底にあるから、それを整理しまとめ、単純かつ分かりやすくインパクトのある言葉へと言語化した法則を作れるのだから。法則を使う方もそうだろう。

この本の「自分的ひとことまとめ」

「蛇のように賢く、鳩のように柔和であれ」の具体指南

自分用メモ:本書で紹介された読みたい本

・お金より名誉のモチベーション論/太田肇著
・アニマルスピリット/ジョージ・A・アカロフ , ロバート・シラー  他
・世界が変わる「視点」の見つけ方/佐藤可士和著
・調べる技術:国会図書館秘伝のレファレンス・チップス/小林昌樹著
・ファスト&スロー:あなたの意志はどのように決まるのか?/ダニエル・カーネマン著
・不合理 誰もまぬがれない思考の罠100/スチュアート・サザーランド著
・ワーク・ルールズ:君の生き方とリーダーシップを変える/ラズロ・ボック著
・HIGH OUTPUT MANAGEMENT人を育て、成果を最大にするマネジメント/アンドリュー・S・グローブ著
・理科系の作文技術/木下是雄著(100回読んでから論文を書くよう指導されたそう)
・思考の整理学/外山滋比古著(もう一度読む)
・「わかる」とはどういうことか 認識の脳科学/山鳥重著

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