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岸田総理大臣による水道DX推進表明を受け、人工衛星とAIで宇宙から水道管の劣化を見抜く「天地人コンパス 宇宙水道局」の技術を解説


岸田総理大臣による水循環基本計画の改定表明


2024年7月8日、岸田総理大臣は、水道メンテナンスにおいて先進的な取組を進めている豊田市で視察を行いました。

豊田市と天地人は、2022年2月から2023年3月まで連携して実証実験を行っています。これを含む一連の取り組みによって、豊田市は、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局が主催する「Digi田(デジでん)甲子園 2023」にて内閣総理大臣賞を受賞されました。

岸田総理大臣自らの視察により、水道管路の緊急点検と重要管路の耐震化の重要性が改めて注目を集め、総理が視察した豊田市の水道DXに貢献した企業として、天地人も数多くのメディアから取材をいただきました。

このような社会的な関心の高まりを受け、この記事では「天地人コンパス 宇宙水道局」の技術解説と、関連記事の紹介をしていきます。

「天地人コンパス 宇宙水道局」について

画像は「天地人コンパス 宇宙水道局」のサンプルとなります。色のついている場所は水道管の漏水リスクが相対的に高い場所を指しています。漏水リスクの高低を5段階に分けており、赤色は漏水リスクの最も高い場所を指しています。

「天地人コンパス 宇宙水道局」は、人工衛星のデータやオープンデータ、自治体が保有する管路や漏水履歴のデータをAIで解析。各自治体がメンテナンスするエリアを約100m四方の小さな区画に分け、その範囲内で漏水が起こるリスクを5段階評価するシステムです。点検や調査の記録をデータとして登録・管理することで、今まで紙で行われていた作業や職員間の情報共有をDXし、業務効率化にも貢献します。

豊田市と内閣府との実証実験では、調査費用が最大65%、調査期間が最大85%削減。2023年のサービス提供開始からわずか1年で、東京都水道局様をはじめとする17の自治体に採用いただきました。(2024年7月現在)

よくいただく質問

人工衛星のデータで、地下で起こる漏水を見つけられるんですか?

「天地人コンパス 宇宙水道局」は、漏水を検知するシステムではなく、「水道管の劣化を見抜く=漏水のリスクを5段階評価する」システムです。漏水事故が起こるリスクが相対的に高い場所をデータで示すことで、広大なエリアでの調査を効率化します。

任意の属性やフィルターによる漏水リスク評価結果の絞り込み表示機能

衛星データは何を使っているんですか?

水道管の漏水リスク(劣化傾向)を見分けるにあたって重要なのが、その水道管がさらされている環境条件になります。様々な環境データを加味した分析を行っていますが、その中で主に扱っている衛星データは、地表面温度と地盤変動のデータになります。

地表面温度が水道管に与える影響
昨今の気候変動を背景に、極端な気象現象が増え続けています。水道管は地下に埋まっているため、気温よりも地表面の温度の影響を受けやすくなっています。極端な高温や、凍結を招くような低温、そして長年続くその繰り返しサイクルは、水道管に大きなストレスを与えます。

地盤変動が水道管に与える影響
地震が起きるときだけでなく、地盤は常に動き続けています。5年、10年などの長いスパンで隆起・陥没のデータを分析し、水道管の劣化・損傷リスクを推定する要素のひとつにしています。

人工衛星により取得した地表面温度に基づく高温リスク

AIで何を分析しているんですか?

過去に起きた漏水事故のデータや、統計情報、人工衛星データを含む各種環境データを解析し、約100メートル四方のメッシュの中で漏水事故が起こる確率を算出しています。

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株式会社天地人 広報部:pr@tenchijin.co.jp

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