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名作劇場「童話の世界から:日本編」vol.14「こぞうのはつゆめ」

昔々、あるお寺に和尚さんと三人の小僧がいました。

三人の小僧の名前は、それぞれ「ちりん」「ほこりん」「もっこーそー」。

ある年の暮れに和尚さんは三人の小僧にめでたい初夢が見られるという
おまじないの歌を教えます。

「なみのりぶねの おとの よきかな」

この歌は、前からも後ろからも読めるおまじないの歌です。

この歌を書いた札を1月2日の晩に枕の下に入れて寝るとめでたい初夢が
見れるというのです。

そして、初夢の話は誰にも言ってはいけないというのです。

1月3日になると、和尚さんは三人の小僧たちに初夢について尋ね始めます。

初夢は誰にも言ってはいけないけれど、和尚さんは三人の小僧たちの初夢の話が気になってしょうがないのです。

まずは、ちりんを呼び出して、初夢の話を聞こうとします。

和尚さんに小遣いをチラつかせられると簡単に話してしまいました。

次にほこりんが和尚さんに呼ばれます。饅頭と引き換えにと言われて、あっさり話してしまうのでした。

最後に呼ばれたのは、もっこーそー。和尚さんに初夢の話をするようにせがまれます。

でも、もっこーそーは小遣いや饅頭をやると言われても頑なに初夢の話をしようとしません。

和尚さんは、顔を真っ赤にして怒り始めました。

それでも頑なに初夢の話をしないもっこーそーは、とうとう川に川に流されてしまうのですが……。このあと、どうなってしまうのでしょうか。

鬼からうばった宝の針で、いまにも死にそうなふたりの姫さまを助けて、めでたし、めでたし。

さて小僧のみた夢とは?

古来より日本人が初夢を特別なものと考えていたました。

初夢に関わる昔話は『初夢長者』はじめ多数存在しておりますが、日本の文献で初夢という言葉が初めて使われたのは、平安時代末期に西行法師によって執筆された歌集『山家集』です。

岩波書店から出版されていますさ『こぞうのはつゆめ』は長谷川摂子さんの絵本です。

ルーツは「初夢」でしょうが、物語にされたのは現代物なのでしょうか?

出典が古いとか歴史的に由緒正しいとかは別として昔話の絵本の効力は凄い
と思います、幼児期への道徳的要素満載なのには脱帽であります。

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