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「人はなぜ箱根駅伝を観るのか?」についての考察と提案
昔から甚だ疑問に思っていることがある。
人は何故、箱根駅伝をみるのか。
人類誕生から何百万年の長い歴史の中で未だかつて、普段は駅伝に1ミリも興味がない人間までもがリビングに集い、わざわざ正月という1年で最もおめでたい日に、皆でテレビにくぎ付けになるということがあっただろうか。
いや、無い。ホモ・サピエンスまで遡っても無い。
何が悲しくておめでたい日に興味もない駅伝をみているのか。日本人はおめでたい時に辛そうな顔で走っている人間をみて興奮するタイプのアブノーマルな民族なのだろうか。
一体、人は何が目的で箱根駅伝を見続けるのだろうか。
実際どのくらい箱根駅伝がテレビでみられているのか、過去3年の関東地区における視聴率を調べてみたので以下に記載する。
第96回
往路 2020年1月2日(木) 27.5%
復路 2020年1月3日(金) 28.6 %
第95回
往路 2019年1月2日(水) 30.7%
復路 2019年1月3日(木) 32.1%
第94回
往路 2018年1月2日(火) 29.4%
復路 2018年1月3日(水) 29.7%
(箱根駅伝 | ビデオリサーチより引用)
この数値からわかる通り、関東地区の日本人の3人に1人は箱根駅伝を視聴していることになる。
普段サッカーに興味がない人間がワールドカップの代表戦だけ視聴する、というのは理解できる。日本国民として日本代表を応援したくなる気持ちは当然のことであるし、国民皆で応援しているという一体感を得ることもできる。
しかし、箱根駅伝の場合はそうはいかない。
そもそも大学対抗であるし、母校が出ているからみているというのはまあ分かるが、縁もゆかりもない学校の縁もゆかりもない若造を応援して何が楽しいのか。
冷静に考えて普段駅伝に興味がある人間が、日本人の100人に1人いるわけがないのでこれはまさしく異常事態である。
では、何故このような状況で多くの日本人が箱根駅伝をみるのかということについて考察していきたい。
①何かわからないけどエネルギーを貰える、気がする説
正月は一年の始まりの時である。
その一年を充実したものにするためのいわばスタートダッシュとなる重要な期間であるが、実際はおせちを食べて、餅を食べてお年玉配って、お年玉貰ってゴロゴロしながらテレビを見ている人がほとんどである。
ゴロゴロしながら「なんか面白いテレビやってないかな、お、駅伝やってるじゃん」と日テレにチャンネルを合わせるとそこには、正月から20キロもの距離を一生懸命走っている若者の姿が。
「正月からこんなに辛い思いをして・・・走っている奴がいるのか・・!」
食って寝てテレビやYouTubeをみているだけの自分を恥じ、怠惰な自分の代わりに頑張ってくれとばかりに顔を歪めながらも懸命に走り続けるその姿に釘付けになるのである。
そして、自らは彼らに何も与えず、一方的に彼らから1年のスタートを切るエネルギーを頂くのである。
そのようなエネルギーを頂いている立場なのにもかかわらず、ケニアのナントカ高校出身の外国人留学生が日本人学生をごぼう抜きにしているのをみると、「外人はずるいわ!がんばれ日本人!」とあたかも熱狂的日本代表サポーターみたいな立場で言い放つのである。
ケニア人は少なくともお前の3万倍は頑張っている。
②他の年末年始特番に飽きた説
ここは、年末年始のバラエティ特番に疲れてしまった山田家。
アメトークスペシャル、笑ってはいけない、芸能人格付け・・・
あらゆるバラエティ番組は見てしまった。もうお腹がいっぱいである。
タカシがゴロつきながら、
「なんか面白いテレビやっていないかな~、お、駅伝やってるじゃん」
と日テレにチャンネルを合わせるとそこには、正月から20キロもの距離を一生懸命走っている若者の姿が。
この瞬間に正月から走っている若者がいる・・・!!!
タカシの父、母、姉がスマホからテレビに視線を移す。繰り広げられる中継所前のデットヒート。家族は年末年始のバラエティ番組でゆるみきった空気を切り裂くような、緊迫したライブ映像に釘づけになる。
一家全員駅伝に微塵も興味がないのに、である。気づくと正月から生命を燃やす若人たちのその姿にエールを送っているのだ。
以上の仮説を踏まえて、私は正月にマイナースポーツをライブ映像で流せば視聴率がとれて認知度が高まるのではないかという説を唱えたい。
カバディとかセパタクローとかそういうマイナースポーツに励む若人たちを一斉に集めて大会を催し、正月の朝からライブ映像を流せば、
普段カバディやセパタクローに全く興味のない日本国民たちがリビングに集い、
わざわざ正月というめちゃめちゃおめでたい日に、皆でカバディやセパタクローにくぎ付けになるのではないかと思うのだ。
カバディ!??!??
セパタクロー!??!?!?
何かわかんないけどバラエティ飽きてたし、エネルギーもらえるしすげえ!となって、マイナースポーツの競技人口増加につながるのではないだろうか。
明けましておめでとうございます。
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