【2024年コーヒーの日】函館にある2大老舗コーヒー店とは?
まとめ
函館では、幕末にはコーヒーが飲まれていた。
珈琲焙煎美鈴、十字屋珈琲店が同じ年に創業した。
函館、札幌に直営の喫茶店があり、目の醒めるような深煎りのコーヒーを味わえる。
10月1日はコーヒーの日
1983年に、日本コーヒー協会が、「コーヒーの日」を制定し、11年後、国際コーヒー機関(ICO)により「国際コーヒーの日」と定められました。
ICOによって、毎年10月からコーヒーの新年度が始まることと決められており、10月1日が年度明けであること、日本では、秋冬にコーヒーの需要が高くなることという2点によって制定されました。
珈琲の魅力
珈琲の魅力といえば、産地、焙煎度合いによって変わる味の変化にあると考えます。深煎りほど、焙煎香が広がり、目が醒めるように強い味わいが鋭く刺さります。一方、浅煎りは、豆の個性が分かります。中には、紅茶かと錯覚するほど、苦味が抑えられ、酸によるさわやかさを感じられる一杯もあります。家で飲まず、喫茶店でくつろぎながら味わう一杯が自分へのごほうびです。過去、コーヒーの魅力、喫茶店の過ごし方について書きましたので、ぜひ、お読みください。
2024年コーヒーの日は、函館発祥の喫茶店でコーヒーを味わった話をします。
函館では、幕末からコーヒーが飲まれていた
函館は1854年、日米和親条約によって開港しました。いち早く西洋文化が伝わりました。コーヒーは滋養強壮の効果があると信じられ、飲まれていました。
函館奉公所の向かいにある休憩所では、幕末に嗜まれていたとされるコーヒーが味わえます。当時、ホットしかなかったため、アイスコーヒーがないことは納得です。ちなみに、アイスコーヒーは、日本で誕生しました。世界でもマイナーです。幕末のコーヒーは、中深煎りのコーヒーで、酸味も感じられました。函館では、明治時代には、西洋料理店でコーヒーを飲む文化が広まっていました。
美鈴珈琲店
1932年、函館に誕生した鈴木商店が発祥です。創業者の鈴木武二は、味噌、麹を扱う商店の息子として生まれました。当時、皇室の警備を担当するという夢があり、上京していました。そのときに出会ったコーヒーが忘れられず、函館に戻った後、コーヒー店を創業しました。コーヒー豆の輸入を禁じられた時代を乗り越え、1946年、函館駅前の大門地区で珈琲焙煎工房美鈴を創業しました。
現在では、函館、札幌を中心に23店舗あります。珈琲豆の販売、喫茶店の運営が中心です。函館市内の喫茶店では、「美鈴珈琲使用」という旗が見られました。先ほど紹介した幕末のコーヒーを再現した豆は、美鈴珈琲で製造されていました。豆を購入することができ、自宅でも、幕末の珈琲の味を楽しむことができます。
今回は、本店に行きました。本店では、珈琲だけではなく、カレー、パスタも味わうことができます。先日紹介した津軽鉄道と同様に、社長が考案したメニューも並んでいました。社長が考案したカレー、ミートソースは、おみやげにもピッタリです。北海道名物ガラナ、夕張メロンを使ったオリジナルのスイーツもそっろっていました。オリジナルのキーホルダーもあり、ガチャガチャで販売されていました。1935年からある北海道最古の珈琲豆焙煎機も展示されていました。焙煎前の珈琲豆も並んでおり、焙煎されると、店内に心地よい薫りが広がります。
今回は、アイスコーヒーとコーヒーシュークリームを食べました。アイスコーヒーは、深煎りで、ガツンと目が醒めます。ランチ後、眠気から解放されたい時にピッタリです。コーヒーシュークリームはクリームに包まれ、コーヒーの風味はマイルドに抑えられていました。皮はしっとりしており、時間を置くとクリームとの一体感が増します。
十字屋珈琲店
1932年、函館市十字街で「十字屋食品店」として創業しました。当時、トラピスト修道院のバターなど、函館周辺の食品を中心に扱うセレクトショップでした。現在も十字街に本店があります。珈琲焙煎美鈴と同じく、北海道最古の珈琲専門店とされています。1934年には、自家焙煎をしていたといわれています。
珈琲焙煎美鈴と同じく、オリジナルのブレンドだけではなく、コロンビア、エチオピアなど様々な産地の豆が売られていました。
函館朝市と札幌市狸小路に、喫茶店があります。トラピストクッキーをお供にコーヒーをいただきました。スモーキーな深煎りコーヒーと甘さ広がるトラピストクッキーの相性の良さも感じました。
今回は、函館にある老舗珈琲店でコーヒーを味わいました。それぞれのお店のこだわり、函館の長い歴史を感じました。
参考文献
ピープス函館,(2016),函館をめぐる冒険,CCCメディアハウス