別府の8つの地獄めぐり
大分の温泉
大分県のホームページによると、大分県は約5000の源泉をもち、毎分29.8万リットルも湧き、どちらも日本一。別府温泉、由布院温泉など名湯が多く、おんせん県としてPRされています。
特に別府市は約2800の源泉をもち、毎分10.2万リットル湧き日本一で世界有数の温泉都市です。別府温泉は奈良時代には存在し、1000年以上もの歴史を誇ります。
なぜ、別府は温泉が豊富に湧くのか?
その秘密は、地形と気候。
別府湾から九重、阿蘇を経由して島原半島に向かって伸びる別府島原地溝帯があります。別府島原地溝帯上の九重山など活発な火山活動、断層による地面と地面の隙間があり、さまざまな成分の異なる温泉が湧きます。
また、豊富な水もあるのが別府市。年間降水量は1600mm、特に梅雨、秋の長雨の時期は、月の降水量が200mmを超え、多雨な地域です。さらに、扇状地と火山性土壌が広がっているため、雨が浸透しやすく、地下へ溜まっていきます。
地下に溜まった水が火山活動によって温められ、地面と地面の隙間から温泉が湧きます。
地獄めぐり
別府では、源泉のことを「地獄」と言います。1910年、海地獄で入場料を徴収するようになり、観光地化。沸騰しているので、入浴できませんが、鬼石坊主地獄、かまど地獄、海地獄、血の池地獄には足湯があります。
今回は山地獄を除く7つの地獄めぐりの共通券を購入し、別府温泉地獄めぐり開始しました。
鬼石坊主地獄
イメージでは、灰色ですが、行った当時は茶褐色に見えました。熱泥が沸騰する様子が坊主頭に似ていることから命名。ナトリウム塩化物泉です。
かまど地獄
古来より氏神の竈門八幡宮の大祭に、源泉の蒸気でお供え物のご飯を炊いていたことがかまど地獄という名前の由来です。鬼石坊主地獄と同じ温泉成分です。
温泉の蒸気を利用して蒸した料理を地獄蒸しと言います。肉、野菜、魚などなんでも地獄で蒸します。地獄蒸し釜を使ったプリン、「温泉ピータン(地獄蒸したまご)」が名物です。固めのプリンで、昔懐かしいプリン、ほのかに温泉特有の硫黄の香りのする蒸したまごでした。台北の北投温泉にも温泉卵があり、味は別府のかまど地獄で食べられるゆで卵と変わりません。固茹でのゆで卵です。
鬼山地獄
大正12年に日本で初めて温泉熱を利用し、ワニ飼育を開始した場所です。クロコダイル、アリゲーターなど、約80頭のワニを飼育しています。土日の10時から行われるワニの餌付けは迫力があります。最大のワニが、「イチロウ」。全長 4m 体重 500kgで現在3代目。「イチロウ」は襲名制で代々受け継がれてます。初代は平成8年71才の長寿世界一で亡くなり、現在は、はく製にされて展示中です。鬼山地獄は、鬼石坊主地獄、かまど地獄と同じ泉質です。
山地獄
岩山の山すそから湧く水蒸気。動物園も併設しており、ニホンザル、クジャク、カピパラ、ヤギなど、さまざまな動物に出会えます。モルモットには100円で餌やりができ、触れ合えます。
海地獄
海地獄は、地獄の中で最大の広さを誇ります。コバルトブルーより、エメラルドグリーンに近い温泉。エメラルドグリーンに見える理由は、温泉成分の一つである硫酸鉄が溶けこんでいるため。例えるなら、オーストラリア大陸東北部のサンシャイン・コーストで見た海の色。コバルトブルーと言えば、ゴールドコーストのビーチの色を思い出させます。
温泉熱を利用してアマゾン地方原産のオオオニバスを栽培してます。小学校低学年(20kgまで)も乗れてしまうほど大きな葉が特徴です。泉質はラジウム硫酸鉄含食塩酸性泉。
白池地獄
和風庭園にある池のような白池地獄。青みを帯びた白色の温泉。噴出時は透明な湯が、温度、圧力の低下により青白く色が変化します。塩化ナトリウム、ケイ酸、重炭酸カルシウムを含むホウ酸食塩泉。
マレーシアサラワク州(パプアニューギニア島北西部)の伝統建築の熱帯魚館があり、ピラルク、ピラニア、アロワナ等、約 16 種類 の熱帯魚を飼育展示しています。目玉は、最大体長4mにもなるピラルク。
白池温泉を観た時に思い出した台北の北投温泉。台北は人口264万人の大都市ですが、温泉もあります。泉質は2種類。青い温泉は、青硫酸泉で、強酸性の温泉。付近で採れる北投石は、天然のラジウム鉱で世界でとれるのは、秋田県の玉川温泉とこの北投温泉のみ。付近の川にも流れ込み、温泉の青白い色に染まります。白い温泉は、硫黄泉で殺菌効果が期待され、皮膚病に効果が期待されています。
北投温泉の日帰り入浴施設は、混浴で水着着用。まるで温泉プールです。男女別の露天風呂もあります。日本統治時代に日本式の旅館も開業され、一大観光地へ発展しました。
足湯に浸かりながら温泉卵を食べると、血行がよくなり、疲れも癒やされていきます。
血の池地獄
日本で一番古い天然の地獄。地下の高温、高圧下で化学反応を起こし生じた酸化鉄、酸化マグネシウムが含まれているため、赤い熱泥が地層から噴出して、赤いお湯になります。酸性緑礬泉。
龍巻地獄
別府市の天然記念物にも指定される間欠泉が龍巻地獄。20~40分おきに現れ、最大30m。含食塩酸性泉。約105度(噴気)
売店があり、季節限定のみかん、別府、国東半島を中心としたのお土産があります。特産のかぼすを使ったお土産がオススメです。
車を使わずに8地獄巡りする方法
別府駅西口→鉄輪or海地獄前バス停 バスで20分、330円。
鬼石坊主地獄、かまど地獄、鬼山地獄、山地獄、海地獄、白池地獄を巡ります。
鉄輪→16番のバスで血の池地獄前 6分190円
血の池地獄→竜巻地獄を巡ります。
竜巻地獄から最寄りの亀川駅まで徒歩25分。バスもあります。
亀川駅からレンタサイクルもあり、時間を気にせず巡りたい、運動不足を解消したい方にオススメです。
まとめ
別府は地質と気候により、世界有数の温泉地帯。地獄めぐりは、鬼石坊主地獄、かまど地獄、鬼山地獄、山地獄、海地獄、白池地獄、血の池地獄、竜巻地獄の8地獄を巡る100年以上が名物。
別府地獄巡り
受付時間 8:00~17:00 (山地獄は9:00~17:00)
休館日 無休
入館料 山地獄以外7つの地獄の共通観覧券、2日間有効
高校生以上2200円、小中学生1000円、幼児
山地獄
大学生以上500円、小中高生300円
参考文献
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