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【Retty×ログラス×Tebiki対談】スタートアップ3社がカスタマーサクセスのキャリアを徹底議論!

こんにちは!Tebiki採用担当の重田です。
2022年10月18日(火曜)に開催された第1回TebikiTalk、「キャリアの幅を広げる"カスタマーサクセス"という選択肢 ~スタートアップ3社が徹底解説~」のイベントレポートを皆さまにお届けします。

今回のイベントでは、スタートアップ3社のカスタマーサクセス責任者がCSのキャリアについて徹底議論!
はたしてその中でも盛り上がったテーマとは……!?

登壇者紹介

▼Retty株式会社 盛山花梨さん
(企画部 クライアントサクセスグループ マネージャー)

2018年、Retty株式会社に新卒入社。toC向けのコミュニティマネージャーやwebプランナーを務め、「RettyNight2019」などを主催。現在は飲食店向け広告商品におけるカスタマーサクセスのマネージャーとして、メンバーのマネジメント業務としてオンボーディングフローの生産性改善や継続率の向上、アップセルの立ち上げ等。

▼株式会社ログラス 矢納弘貴さん
(CS/Bizdev)

明治大学法学部卒業後、2012年株式会社セディナへ新卒入社。債権回収業務を経て、経営企画本部予算グループへ異動。2015年よりエン・ジャパン株式会社に転職し、経営企画領域を中心に従事。2020年より株式会社ログラスへ創業メンバーとして入社。一人目カスタマーサクセスとして経営企画と伴走していく役割を担当。

▼Tebiki株式会社 貴山敬さん
(代表取締役)

慶応大学卒業後、三菱商事株式会社にて事業投資を担当し、食品メーカーを買収して取締役副社長兼工場長に就任。その後、旅行C2Cサービスで起業して事業譲渡、習い事C2Cサービスの取締役就任と事業譲渡を経て、2018年3月に二回目の起業。PdM兼任。いまも自らCSを担当。

▼<モデレーター>
グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社  小花香織さん
(Valueup team)

2022年1月グロービス・キャピタル・パートナーズへ入社。新卒で、エン・ジャパン株式会社へ入社。様々な規模のクライアントへHR全般のサポートを提供。(求人広告・新規事業企画・エージェント) その後Retty株式会社にてHRとしてジョイン。エンジニア・プロダクト開発を中心とした全体の採用戦略をリード。


ハイタッチとテックタッチ、どう切り分ける?

ー早速ですが、CSでよく議論になるハイタッチ(個社ごとに1対1でサポート)とテックタッチ(マニュアルやナビ等の人の手が入らないサポート)の切り分け方についてお話しいただきたいと思います。

貴山:弊社はとてもハイタッチの会社なんですが、「コストがかかるからもっとテックタッチに寄せるべきなんじゃないか」、というのは社内でよく議論になります。ただ、機能の使い勝手がわかりにくいのはそもそもプロダクトのUIそのもので改善すべきなんですよね。とすると顧客サポートの多くはやっぱりハイタッチになります。特に弊社のような顧客側の導入プロジェクト推進をお手伝いするのがCSの仕事の場合、テックタッチでやれることは少ないイメージです。

矢納:弊社も同じくハイタッチに寄りやすいです。ただ、もしも過去に戻れたらより早くテックタッチに移行し始めたと思います。やっぱりハイタッチは属人化しやすいですし、顧客にとっても毎回問い合わせるのは面倒ですよね。画面上のナビ(テックタッチ)で解決できた方が顧客も楽です。その点Rettyさんは仕組化が進んでいるのではないでしょうか?

盛山:以前はハイタッチで属人化していたんですが、会社の規模が大きくなるにつれて持続的にミッションを達成することの厳しさに気が付いて仕組化していきました。そのときに社員を増やすのではなく「できる人のスキルを言語化」をして型に落とし込みました。そのおかげで個人による顧客対応の差分もなくなりましたね。

矢納:なるほど~。CSは意外に収益意識が高いんですよね。

貴山:矢納さん、先ほどハイタッチは属人化しちゃうと話していましたが、具体的にどのように仕組化してテックタッチに移行したんですか?

矢納:組織が大きくなってきたタイミングで顧客対応をドキュメント化して、そこで気が付いた顧客対応の共通点を切り出して仕組化していきました。例えば、オンボーディング初期にプロダクトができることを説明するときがありますよね。これを動画にするなど。こういう点でもCSのコアバリューをどこに置くのか次第でテックタッチの手段が変わってくると思っています。

貴山:なるほど。でも、これまでハイタッチでやってきた意味もあるとも思っていて。顧客によっては対面だと真面目に話を聞いてくれるのに、画面で何か表示するだけだとぜんぜん見てくれないってありますよね(笑)そういう時はどうしてるんですか?

矢納:その点でいうと、2つの要素があると思ってます。1つ目は顧客が主体的であるかどうか。2つ目は創業期ではテックタッチにしてはいけないということ。初期は特にプロダクトの仕様がどんどん変わるので、テックタッチにすると古くなってしまいます。その点、Rettyさんは仕組化しやすい状況で、そこが勝負ポイントになっていると思っています。むしろハイタッチだと怒られませんか?

盛山:弊社は単価が1〜2万円とTebikiさんやログラスさんと比べて低い分、効率が重視されているのは確かです。また、サービスの効果/活用性も重視されます。なので効果を早く出すためにも、新人が入社してすぐに架電できる体制を整えています。

矢納:さすがですねー。

盛山:ただ、色々やってもCSの正解は難しいですよね!何より私は振り返りが難しいと感じていますが…その点お二人のご意見あればお聞きしたいです!

ズバリ、CSに求められるスキルとは?

ーそれで言うと「CSの正解」に関連して「CSに求める人はどういう人ですか」というご質問がきています。

矢納:せっかくなので、少し角度を変えて聞きたいのですが、お二人にとって「できるCS」とはどんな人でしょうか?

盛山:究極は「経営者視点」だと思います。CSはサービスの本質と向き合う仕事なので、顧客課題を解決しないとサービスを継続してもらえない。だからこそ顧客課題に向き合う姿勢を大事にしています。その時に「経営者視点」があると広い視野を持って全社を巻き込み顧客の課題解決に取り組むことができます。

貴山:CSの評価は色々な軸がありますが、「現場の課題解決に正面から向き合って逃げない人」に尽きます。本当に大事なのはプロジェクト管理能力や顧客満足度ではなく、「顧客が抱えている課題を解決できるか」なので、そこに向き合い解決するまで逃げない人を評価しています。

矢納:なるほど、面白いですね!CSはプロジェクトマネジメントなどのスキルセットが評価されるケースも多いですが、お二人の話を聞くとお客様視点/経営者視点などマインドセットも大事になってきそうですね。

貴山:そうですね〜。CSのスキルが幅広いからかな。矢納さんはどのように考えていますか??

矢納:評価というより私自身が大事にしていることになりますが、「言いにくいことを言える人」ですね。顧客からの声を社内に届けるときに必ず「生の声」と「社内向けの声」に分けて話をしています。CSは顧客課題を自身だけで完結しがち。でも、そうすると顧客の声がプロダクトに還元されなくなってしまう。時には社内での摩擦を恐れずに、顧客からの「生の声」を発信しなくてはいけないと考えています。

盛山:共感です!CSの声が小さくなると顧客のリアルがプロダクトに反映されにくくなってしまいます。それが続けば、プロダクトが開発工数重視に寄ってしまうなど、顧客にとってのプロダクトでは無くなってしまいかねない。なのでCSからの顧客の生の声は重大な責任がありますね。

矢納:本当にその通りですね。顧客からの「生の声」をもとに、時には会社の経営方針に意見を投じることもあります。

CSメンバーを定量的にどう評価する?

ー続いてのご質問で「CSの評価指標(定量)をどこにおいていますか?」ときています。こちらはいかがでしょうか?

矢納:前提として、なるべく定量的にした方が良いのではないかと考えています。また、企業の成長フェーズで変わってきますが、その中で弊社は解約率を抑えることを重視して評価を行っています。

貴山:矢納さんのおっしゃる通り、解約率も1つの評価指標です。ただ、弊社の場合は解約率が低いので定量評価の参考にはあんまりならないんですよね。また、顧客満足度もモチベーションにはなりますが、顧客とCS担当が仲良いかどうかに依存してしまう。実際のところ、弊社の定量評価はまだ道半ばでぜんぜんできてないんですが、いろんな指標がある中で、「アップセル率」は一番信頼できる指標かなーと思ってます。

盛山:うちは広告商品なので、コロナの影響などで解約率も変動しやすいということがあり、ログラスさんと同じく解約率を抑えること(=継続率)を一番の指標としています。また、クライアントの集客ポテンシャルを上げるためのKPIを設定して目標化することもありますね。

貴山:定量評価するときに担当者のみだと件数が少ないとか、担当者の力量じゃないところで差がついちゃう問題があると思うんですが、CS担当者で継続率にはっきり差はでますか?

盛山:おっしゃる通り、Rettyのような集客商品の場合は特にクライアントの地域条件による効果のばらつき等があるので、個人の評価をするのが難しいです。。例えば、地域の交通の不便な場所にある店舗のCS担当者と、新宿の店舗のCS担当者となると明らかに後者の方が集客ポテンシャルが高く継続率がよい、といった感じです。そういったばらつきがあるので、現状はチームで数字を追うことにしています。

貴山:なるほど〜ありがとうございます!

カスタマーサクセスとエンジニアを隔てる壁、
どうやって乗り越える?

ーカスタマーサクセスは顧客に近く、エンジニアはプロダクトに近い職種です。その上で、どうコミュニケーションを取っているのか、ギャップと摩擦をどうしているのでしょうか。

貴山:CSは顧客を一番に考え、顧客からの要望を開発にフィードバックするんですが、CSとエンジニアの間で開発工数の見積もりの感覚が全然ちがうということがあります。CSからすると2時間ぐらいでできるんじゃないですか?と思っちゃう。けど、開発に50時間かかるみたいな。そうするとCSからすると何をいっても開発が進まないので、エンジニアにフィードバックするのがめんどくさくなる問題が起きます。

これは結構難しいとこなんですが、弊社ではPdMの私が間に入り、CSの言っていることの意味付けをしてエンジニアに伝えたり、開発が何をしているかをCS目線でCSに伝えています。同じ日本語なんだけどお互い使ってる言葉がちょっと違うので、両方できる人の翻訳が必要。あと弊社の場合はCTOがCSをリスペクトしてるのはあちこちに影響してると思います。

矢納:まさに貴山さんが最後に言った「お互いへのリスペクト」が全てですね。ログラスではCSはエンジニアに対し、単に顧客課題を伝えるのではなく「顧客に関心を持っていただくこと」からスタートします。そのための取り組みとして、顧客が飲食店なら直接店舗に食べに行く、ゲーム会社なら有料課金してプレイしてみたりなど。あとは顧客の業界分析を行い、例えば〇〇から利益を出している企業なので△△という機能がほしい、という風に伝えています。顧客のビジネスモデルを理解していただいています。

矢納:CSからエンジニアに開発要望をあげるときは、どちらが優先度を決めていますか?

貴山:TebikiではPdMの私が担当しています。CSは顧客の声と売り上げに引っ張られるし、データベース構造を理解していないと開発の規模を想定できないんですよね。

盛山:弊社の場合はCS→エンジニアへの開発要望を優先度ありきであげています。要望のインパクトを分解して、発生頻度と1件当たりのパフォーマンス(1日どのぐらい時間短縮できるかなど)をエンジニアと相談して決めています。

貴山:その方法って、エンジニアからの評判はどうですか?

盛山:評判ではないかもしれませんが、なるべく近い目線ですり合わせができるように、営業の商談内容をスラックのオープンチャンネルでリアルタイムに共有し、リアクションや質問をいただけるようにしました。説明だけじゃなく現場の温度感も伝えられるようにすることで、エンジニアの現場課題の理解度が高まり、会議などでも同じ視座から考えられるようになったように感じます。これが中々いい感じです。

矢納:いいですね!顧客の声をストックして過去に何件同じ要望があったのか、定量的に見ることができるようになりますね。

ルートセールス出身者はSaaSのCSに向いてる?

ー続いて、キャリアのご質問で「ルートセールスとSaaSのCSの違い」についてご質問がきています。

盛山:追っている数値はほぼ同じなのである意味近いかもしれません。CSは顧客の成功が自社の成功であり、顧客に長く続けてもらうことで価値を生み出す仕事です。これはSaaSの特徴が反映されていると考えています。対して、ルートセールスは顧客との関係性を深めて取引単価を上げるイメージですね。

貴山:ルートセールスの定義は人によってちょっと違いますが、継続取引が前提なのか、担当者の力量に大きく依存するかがSaaSのCSと違うところかと思います。TebikiのCSは、ルートセールス出身者と相性が良いんですよね。ルートセールスの人って「顧客解像度が高い、かつそれが大事だとわかっている」人。この点がまさに顧客課題に向き合うCSに向いていると思います。なので、ルートセールスをやってる人はぜひ弊社にご応募を!!(笑)

矢納:ルートセールスとCSは根本的に違う部分があると思っています。キャリア面でもしCSを経験すべきか迷っているのならば、絶対に経験したほうが良い!と個人的には思います。というのも、SaaSで先行しているアメリカの経営者のレポートでも、経営者の中にCS出身がどんどん増えているというレポートが出てきているぐらいなので、今後も需要が高まると考えています。

今後もカスタマーサクセス職を続けたい?

ー最後に、CS責任者としてご活躍の皆様へ「今後もカスタマーサクセス職を続けたいですか?」

盛山:しばらくは続けていきたいと考えています。CSは様々なスキルを求められますが、その複雑性が面白いところだと思いますし、CSで経験することが次のキャリアにつながっていくとも思っています。

貴山:そうですね…代表の私がユーザーから離れてはいけないとか、PdMとして顧客解像度が高いのが大事とか言ってるんですが、私がCEOをやりつつ今もCSを続けているのはやっぱりCSの仕事が好きなんだと思います。

矢納:社長がCSにコミットしている企業っていいですね!実はCS出身の経営者が増えてきていることもあり、CSというキャリアの価値は増してきています。ただ、CSとして同じことの繰り返しでは意味がないと感じていて…。今からCSのキャリアを築くなら、CSが仕組み化されているRettyさんのような会社、または経営者がCSを大事にしているTebikiさんのような会社でCSのキャリアを築くことをおすすめします!

ー最後は矢納さんの神的な締めくくりで本イベントが終了しました!

さいごに

最後までご覧いただきありがとうございました!
少しでもカスタマーサクセスという仕事に興味を持っていただけたら嬉しいです。

Retty株式会社、株式会社ログラス、Tebiki株式会社は一緒に働く仲間を募集しています!
ぜひ、採用ページよりご応募お待ちしております。

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■ Tebiki Talkとは
Tebiki主催で実施するパネルディスカッションがメインのイベントです。開催毎にターゲット職種を絞り共催企業の皆様とトークをお送りします。

次回、11月29日(火)にエン・ジャパン、Wantedlyをお迎えして「カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い~カスタマーサクセス組織の立ち上げ経験者が本音でトーク~」のテーマで開催します!
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