河童皿命

手洗い洗隊(仮)9月発売予定。販売部の担当者です。 鬼経理の鬼予算の管理下のもと、開発…

河童皿命

手洗い洗隊(仮)9月発売予定。販売部の担当者です。 鬼経理の鬼予算の管理下のもと、開発秘話のあれこれを物語と織り交ぜて書いてます。

最近の記事

第7話 火加減は誰にもわからない

「いやぁ、なんか言うてる間に仲間が集まってきましたなぁ。もういけるんちゃいます?」と、ロボの一言に 「まだだ。どうしてもあと1人。気になる奴がいる。俺はあの光景が忘れられないんだ。」 「......ちょっと出かけてくる」 俺は奴の様子を見に行くことにした。 「火加減はどうだ?」 「….。」 ペンギンは相変わらず、BBQをしている。 周りには火加減に失敗し焦げ付いた具が散らばっている。 前と同じ風景…ではない。 具の種類が増えている。 「気づいたかい?具によって火

    • 第6話 凄まじい洗力

      …まだ足りない。 せめてあと1人。 思案しながら歩いていると通学路に出た。 手洗い洗隊事務所の近くには、小学校があるんだ。 そこで、また、例の妙な奴を見かけた。 …じっと道端でうずくまってやがる。 調子でも悪いのかと近づこうとしたが、これ以上は俺でも無理だ。 近寄れねぇ。 臭いが…..強烈だ。 相変わらず凄まじい洗力を放ってやがる。 くっ、とりあえず、ここはSTAYだ。 それにしても、気になる野郎だ。 しばらく様子を見ていると、調子が悪いわけでもないらしい。

      • 第5話 #彼氏とデートなう

        よし、着々とメンバーが揃ってきたが、まだまだヒーローは必要だ。 ネットで気になる記事を見つけた。 なんでも、そいつを見つけるとラッキーなことが起こるらしい。 しかも、 「SNS上で #彼氏とデートなう に使っていいよ」と公言し、 出会った人と写真を撮りまくっては、女性達に拡散を依頼しているらしい。 いつもリュックを背負っており、何か細長い生っぽいものを集めてはリュックに入れ、各地を転々としている。 特徴的なヘアースタイルで、後姿を撮るのが流行りらしいので、誰もその顔を

        • 第4話 ヒーロー面接

          やばい。 旅を終えたというのに、仲間が1人しか増えていない。とにかく時間がない。 こうしている間にも、奴は世界中を混乱に陥れている。 もっと広い範囲でヒーローを募集しないと駄目だ。 ネットで募集をしてみよう。 さて、どんな奴が集まるか。 1週間後 「いや、応募1件もないんか~い。」 1週間越しの待ちに待ったであろうツッコミをロボが入れている。 その様子を撮影し、SNSで流したところ、思わずバズり何件か応募があった。 1人、気になる奴がいる。 会ってみるか。

        第7話 火加減は誰にもわからない

          第3話 こんなもんでしょ

          旅の最後にあいつと出会った。 世の中には、変わった奴もいるもんだ。 いや、あいつは相当変わっている。 特に見た目が変わっているんだ。 でも、見た目は関係ない。 あいつはそれを教えてくれた。 「いやぁ、勿体ないなぁ。まだいけんで、これ。いらんねんやったら、もらっときますけど。」 飲食店が立ち並ぶ路地裏で、あいつと出会った。 ゴミ箱に捨てられているものを匂っては集め、お腹に収納する。 その度に「パワー注入!」と叫び、目をピカピカさせ、頭のアンテナをぐるぐるさせる。 そし

          第3話 こんなもんでしょ

          吐露日記 vol.1  7月30日

          新商品の構想は5月くらいに浮かんだんですけど、何しろ予算がありません。ご多分に漏れず、ウチもコロナの影響で必死のパッチ状態。 仕方がないと静観できるような余裕は全くなく、なんとか生き残りをかけ営業するも、何しろ取引先も危険な状態。みなさん、同じ状態だと思いますが、どうやって活路を見い出しているのでしょうか。 特に海外旅行、航空関連の業界は大変だと感じています。私はその業界ではないのですが、知り合いの経営者や連日のニュースを見ていると自分ごとのように胸が張り裂けそうになりま

          吐露日記 vol.1  7月30日

          第2話 ヒーロー崩壊の予兆

          「ふ~。今日の仕事はこいつで最後か」 手を洗いに行く人間の後姿を確認し、一息ついていたら、TVのニュースが目に入った。 「….奴め。凄まじい勢いで勢力を拡大してやがる。」 俺1人では足りない。 このままいけば、ヒーロー崩壊を起こしかねない。ヒーローの数が足りないんだ。 早急に仲間を増やさないとダメだ。 どこかに戦士はいないか。俺は旅に出ることにした。 しばらく歩くと、遠くの方から煙が上がっているのが見えた。 誰かが何かを燃やしているようだ。 近づいてみると、一羽のペ

          第2話 ヒーロー崩壊の予兆

          第1話 河童の備忘録

          ヒーローは孤独だ。 崇高な目的があっても、理解されないことが多い。 手洗い洗隊ファイブは、特に女性ウケが悪い。 だが、シャレのわかるジェントルマンや、ちびっこ達には絶大なる人気を得ているのだ。 しかし、実のところ世の中は女性が回しているので、手洗い洗隊は世界のみんなを守るためにも、女性ウケするコンテンツを日夜探している。 決して、モテたいからではない。 俺はカッパ(河童)だ。 カッパは、日本では昔から妖怪とも、気のいいフレンドとも言われているが、誰もその正体を知らない。

          第1話 河童の備忘録

          洗隊物語 始めました

          手洗い洗隊ファイブ+1(仮)という商品を9月に発売しようと思っています。7月現在、制作の真っ最中で、時間がありません。 アイデアの段階で、誰に言っても冷笑を浴びせられ続けたものでありながら、ごく一部ではありますが、何故か熱烈に支持してくれる人もいるアイデアでした。 「予算もないし、お尻に火が付いているし、そんなことをしている場合じゃないでしょ」 経理にさんざん言われますが、思いついたらやってしまう病を患っているものですから、どうしてもやりたい。 「まぁ、おまえがやりた

          洗隊物語 始めました