第5話 #彼氏とデートなう

よし、着々とメンバーが揃ってきたが、まだまだヒーローは必要だ。

ネットで気になる記事を見つけた。
なんでも、そいつを見つけるとラッキーなことが起こるらしい。

しかも、
「SNS上で #彼氏とデートなう  に使っていいよ」と公言し、
出会った人と写真を撮りまくっては、女性達に拡散を依頼しているらしい。

いつもリュックを背負っており、何か細長い生っぽいものを集めてはリュックに入れ、各地を転々としている。

特徴的なヘアースタイルで、後姿を撮るのが流行りらしいので、誰もその顔を見たことがない。何が流行るかわからないものだ。

とにかく、俺は、こいつを広報担当者として引き入れたいと思った。
俺たちの活動は、みんなに知ってもらうことが重要だ。

そう思っていた矢先、1本の電話がかかってきた。

まだ、ヒーローの募集はしているかとの内容だった。
募集期間は終わっていたが、それを知りつつ連絡をするとは、なかなか見どころのある奴だ。とりあえず会ってみよう。


やってきたのは、巷で噂の特徴的なヘアースタイルの男だった。


「私は何の目的もなく腐ったネギを集めているわけではございません」
部屋に入るなり、奴はそう言った。

「なるほど。お前が集めていたのは腐ったネギだったのか。では、何のために集めていたんだ?」
「あなたと同じ理由ですよ。」

「何!?…そうだったのか。こんなところに同志がいたのか。この活動をずっと前から1人でやっていたのか?」

「はい。でも、今回はさすがに範囲が広すぎます。1人では洗力的に限界があり、このままではヒーロー崩壊してしまいます。わかってくれる方を探すために、SNSで発信していました。」

「….そうだったのか。チェックが足りなかった。しかし、俺たちも仲間を募集していることは知っていただろう?だいぶ広告費をかけたからな。なぜ、もっと早くに名乗り出てくれなかったんだ?」

「いやぁ、募集している人がカッパとロボだったんで、ちょっと…。」

「何を言っている。人類皆兄弟だ。では、ヒーロー兼広報でお願いする」

こうして、特徴的なヘアースタイルの男は仲間に加わった。



ネギアフロ

次回 第6話 凄まじい洗力

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