第2話 ヒーロー崩壊の予兆

「ふ~。今日の仕事はこいつで最後か」

手を洗いに行く人間の後姿を確認し、一息ついていたら、TVのニュースが目に入った。

「….奴め。凄まじい勢いで勢力を拡大してやがる。」

俺1人では足りない。
このままいけば、ヒーロー崩壊を起こしかねない。ヒーローの数が足りないんだ。

早急に仲間を増やさないとダメだ。
どこかに戦士はいないか。俺は旅に出ることにした。

しばらく歩くと、遠くの方から煙が上がっているのが見えた。
誰かが何かを燃やしているようだ。
近づいてみると、一羽のペンギンがいた。


そいつは、ペンギンにしては珍しく、BBQをしていたんだ。

普通ペンギンはBBQなんかやらない。

なぜそんなことをしているか聞いてみたところ、焼いて食べたらどんな味がするか知りたいと言いやがった。

変わったペンギンだ。
普通ペンギンは生で食う。

案の定、火加減がわからず、焼き過ぎて焦がしてやがる。妙な臭いがこっちまで漂ってきた。変わった野郎だな。


後にこいつは、仲間になるのだが、その時は知る由もない。
ただ、変わった奴だという印象だった。


旅を続けるうちに、少し気になる妙な奴がいたんだ。

そいつは、度々俺の前に現れる。
特徴的なのはその臭いだ。

俺は大好物の納豆が高じて、こうしてヒーロー活動をしているわけだが、あいつは違う。
あいつは単体でヤバい。相当な洗力を持っている。


そういえば、この前、あいつを捕まえていた人間が、その後、思いっきり手を洗っているのを見た。それも、すさまじい勢いで…ちぎれんばかりに。

どんな技を使ったんだ……気になる。


次回 第3話 「こんなもんでしょ」

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