第1話 河童の備忘録

ヒーローは孤独だ。
崇高な目的があっても、理解されないことが多い。

手洗い洗隊ファイブは、特に女性ウケが悪い。
だが、シャレのわかるジェントルマンや、ちびっこ達には絶大なる人気を得ているのだ。

しかし、実のところ世の中は女性が回しているので、手洗い洗隊は世界のみんなを守るためにも、女性ウケするコンテンツを日夜探している。
決して、モテたいからではない。

俺はカッパ(河童)だ。
カッパは、日本では昔から妖怪とも、気のいいフレンドとも言われているが、誰もその正体を知らない。

俺的には、気のいいフレンドどころか、めちゃくちゃ人間の味方で、もっと言うと人間が大好きだ。ニュアンス的には、妖怪と言うより妖精に近いと自分では思っている。

俺はダンディだから、普段は人前には出ないけど、人類の脅威から人間を守るためならば、人前に出ることも厭わない。

今、人類は大変な目に遭っている。俺たちも毎日忙しい。ヒーローに休息はないのだ。しかし、ヒーローとは皮肉なものだな。なかなか理解されない。

特に俺たちの洗隊活動は、人々から忌み嫌われることもしばしばある。でも、そんな辛い日々も、人間たちが安心して暮らせる日々を思うと、頑張れるんだ。

キッカケはいたずらでもいい。
結果的に守ることが出来れば、俺たちはそれで満足なんだ。

俺たち「手洗い洗隊」の結成物語を聞かせよう。


次回 第2話 ヒーロー崩壊の予兆

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