『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第14話(改訂版)
第14話「この命」
す、と背筋が冷たくなっていくのを、あやめは感じた。
絶望が、小屋の中に満ちていく。
愕然とした表情になった小緑を、ぎゅうと抱き寄せながら、小夜は震える声を絞るようにして紡いだ。
「……どうして、急にそんな……」
次郎丸は、すっ、と目線をそらし、少し考えて……、
やがて、「隠してもしょうがねぇな」と呟いて、口を開いた。
「……兄者が、朝霧に殺された」
「えっ……」
これにはあやめもぞっとした。……自分の一族が、人を殺したその事実に。千年前は現代よりも簡単