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(新)君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。

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何をやっても幸運な少女・あやめと、何をやっても不幸な青年・茅早の出会いによって、千年越しに時が動き出す。 本当の幸せを探すファンタジーをあなたに。 『創作大賞2024』に応募中…
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2024年7月の記事一覧

『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第7話

第7話「真実」 カラカラと、無数の風車が回る音がする。 「この勾玉に、何かあるんですか?」…

朝日みう
4か月前
11

『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第8話

第8話「枷」 茅早の幸せを願っていた。 話を聞けば聞くほど不幸な彼が、笑顔が錆びつきすぎて…

朝日みう
4か月前
10

『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第9話

第9話「覚悟」 どうやらこの世界でも、時間は移り変わるらしい。 一つの覚悟を胸に、あやめが…

朝日みう
3か月前
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『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第10話

第10話「崩壊」 「どうぞ、上がってください。何もないですけど…」 夜の帳が下りてしばらく…

朝日みう
3か月前
20

『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第11話

第11話「連鎖」 はっ、と目を覚ましたと同時に、あやめの目に飛び込んできたのは、夥しい数の…

朝日みう
3か月前
14

『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第12話

第12話「慟哭」 呪いの風車に封印された、沢山の人達の幸運。 それを東一族の始祖・小夜が、…

朝日みう
3か月前
13

『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第13話

第13話「新たな風」 茅早が持っていた緑の勾玉が光った、と思ったら。 いつの間にか、深い霧が立ち込める竹林の中に、あやめは立っていた。 早朝特有の澄んだ空気の中、遠くで鳥の声が聞こえる。 「!?」 おかしい。さっきまで雨の降りしきる橋の上で、茅早に謝っていたはずなのに。 それが全て夢だったかのように、あやめの服も髪も、今は全く濡れていない。 そして、何故か握られている右手の中に、何かがある感触があった。 恐る恐る右手を開いて、あやめは唖然とする。 「茅早の勾玉……!」

『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第14話(改訂版)

第14話「この命」 す、と背筋が冷たくなっていくのを、あやめは感じた。 絶望が、小屋の中に…

朝日みう
3か月前
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『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第15話(改訂版)

第15話「手掛かり」 がさがさと獣道をかき分けながら、道案内役の青年を先頭に、小夜や小緑を…

朝日みう
3か月前
10

『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第16話(改訂版)

第16話「光明」 (血みたいなものがついた……!?) 何それ、めちゃくちゃ怖い。 想像しただけ…

朝日みう
3か月前
13

『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第17話(改訂版)

第17話「本心」 「”風車の歌”で、朝霧の呪いを解けるかもしれないってこと!?」 ぱあっ、…

朝日みう
3か月前
15

『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第18話

第18話「炎」 満月のおかげで、山中でも前方が見やすい。 せめて供の者をつけてください、と…

朝日みう
3か月前
16

『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第19話

第19話「鍵」 時は、少し前に遡る。 ふらつく小夜を支えながら、木々を避けて歩いた先で、小…

朝日みう
3か月前
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『君の不幸が消えないならば、世界をひっくり返すまで。』第20話

第20話「火花」 万が一でも逃げることがないように、と縛られた次郎丸を見つめながら、朧は懐に忍ばせた煙玉をいつでも投げられるように構えていた。 この時代に煙玉などなかったと思うが、幼い頃から何があっても逃げて生き延びられるように、色々と勉強していたことがこんな所で役に立った。 (やはり、朝霧満彦は外道だ) 次郎丸に語った「我々が正しく、お前達が間違っている」という話も、それに対して次郎丸が反発した際に言い放った「死ね」という言葉の冷酷さからも、倫理観をまるで持っていないのが