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就活失敗して頭に来たので独立したが就活の方が楽すぎて草ww㉑

「続いては、メインプレゼンテーションの
お時間です。」


スライドで紹介された方が、
コの字配列の中央に進む。


行政書士の方のプレゼンらしい。


つらつらとスライドに従って、
話を進めていく。


これといって惹きつけられるような
プレゼンではないが、


丁寧にご自身がされている仕事の内容、
お客様から選ばれる理由、業界の裏事情など
多種多様なお題目を淡々と話していく。


そんな時に、頭にふと浮かんだ。


“こういうシチュエーションって、
 ありそうでなかったんだよな。”


今まで、尾崎と事業をスタートさせて、
約8年ほど。


本当に色んなクライアントに出会ってきた。


丁寧に傾聴しては、
クライアントが相手をする顧客について調べては、
ヒアリングして、


「もう少し、こういう設計や言い回しにしないと
自分本位で誰もレスポンスしてくれませんよ。」


そんな形で制作を進める際のアドバイスが、

いつの間にか技術指導料やコンサルティング
になるものもあった。


この空間を見ていると、
1 対 1ではなく、
1 対 複数の人間が
傾聴している。


但し、一つ気になる点がある。
一般で招待を受けた人数は
さほど多くはない。


故に、一見してすごく新鮮な場で
プレゼンテーションをしているように見えて、


ある種一般客がいなければ、
会員?(メンバー)、いわゆる身内の人間に
 毎週プレゼンテーションをしていることになる。


新しい発見もあるだろうが、
そんなことは個別のミーティングで
ちょっと話せば分かることだろうと思う。


メインプレゼンテーションに真剣に聞き入る人もいれば、
ただいつもの話を聞いて若干飽きてるかのような態度を
とっている者もいる。


そんな観察をしていると
メインプレゼンテーションは終わったらしい。


一同が拍手をしている中で、
ナビゲーターの青年が発言する。


「今のプレゼンテーションで彼の事業に関する
理解が深まりましたね。彼に”リファーラル”(ご紹介)が出るよう
私たちも行動していきましょう。」


そういうと、プレゼンテーターは
自分の席に戻った。


青年が引き続き、
次のセクションの説明をする。

「それでは、本日のもう一つのメインイベント
リファーラル(ご紹介)の発表です。
メンバーは一週間で貢献したリファーラルの
内容を発表して頂きます。


ビジターの皆様は目の前でビジネスが活発に
繰り広げられる様子をご覧下さい。」


そういうと、コの字の隅の方から、
経営者起立して、今週ご紹介した内容を発表している。


「業界カテゴリー 外国人不動産賃貸の雄原です。
自動車整備の上澤くんに、車が故障した知人を
電話でお繋ぎしました。以上貢献外部1件です。」


そんな風に発言する。


そして、何人かに一人は、
名前を言って、「内部一件です。」と言っている。


どうやら、メンバー間同士での
サービス利用や受発注があったものは
“内部のご紹介”と表現して、


赤の他人である見込み客を、
対象者にご紹介した時は、
“外部のご紹介”と発言しているようだ。


故に、この時間は、
それぞれのメンバーが仕事をもらうということより
“見込み客”を紹介したり、サービス利用や消化をした
いわゆる”週単位の貢献”を発表している時間だった。

時刻は8:00。


違う世界線への分岐点まで、 あと30分弱。


気がつけば、
うっすらと 明るいオレンジ色とブルーの
グラデーションの空が見えている。


続・・・・



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