見出し画像

就活失敗して頭に来たので独立したが就活の方が楽すぎて草ww⑮

「ウチも法人化して、やっと軌道に乗るかと思いきや、
お前は本当に色んな災難を”掴む”よな?」


正面の嘉松に伝えると、
横で白田は苦笑いをしている。


ここは、福岡市内の病院の談話ルーム。


前回の嘉松の事故話の結論としては、
嘉松は”奇跡的に無事”だったのだ。


簡潔に伝えると、
・鳥部の「送ろうか?」を遠慮して、 自転車で移動する。
・最初の下り坂に突入して、 嘉松気づく。(えっ!?ブレーキ効かん?)
・全長25mくらい,傾斜20度のハードコアすぎる坂を ブレーキなしで爆走
・自転車を放り出せず、坂下のトの字交差点に突入も
 本人の意識はここまで。
・気づくと、病院へ搬送。
 (事故現場には人はおらず、散歩中の誰かが救急車応対)
・容態としては、眼窩底骨折,左足骨折,頬骨骨折
 ・そこから1ヶ月後、松葉杖は変わらずも
元気に会話やちょい作業復活(スマホ)←イマココ


「いや、あれはビビったよ。
 だって、ブレーキが後で治ってるの
事故後のチャリ回収で鳥部も確認したやろ?」


「そうなんよな。
 俺が回収した直後はブレーキ効かないのに、
この前家前でブレーキ触ったら、
ブレーキ効いて、怖っ!ってなったわ 苦笑」

「それに、俺の責任やな」


これは美談ではない。


実は、誕生日プレゼントに
嘉松に何が欲しいと聞いたところ、


「チャリあったら、ええなー!」


と言っていたので、 
一緒にチャリ屋に行って、
選んだものをプレゼントした。


要は、鳥部が嘉松にプレゼントした
チャリで事故を起こしたのだ。


落ち着いた時に、
もしブレーキの不良品を
他の子供や親御さんが使って
事故にでもあったらあかんと思って、


後日、自転車屋にクレームの電話をかけた。
(他責はアカンにしても、整備不良は
命に関わるから、ギャフンと言わねば・・・)


電話を鳴らす。 

「プルル・・・」 

「ガチャ」


「もしもし、おたくの店でチャリ買って、
ブレーキ効かずに事故ったんやが、
 どないなってん?おぉ?」


「現在、この番号は使われておりません。
 ガチャっ、ッツー、ッツー。」


「・・・えっ!?!!?」


すぐに調べてみて確認したところ、
購入した店舗は、移店等ではなく

閉店となったそうだ。


色んな不運も重なって起こった事故も、
なんとか奇跡的な強運で無事故だったことに
救われた。


法人化して、色んな困難はあれど、
しっかりやってくぞ!と思った矢先の事故。


ヒヤリハットという言葉のある通り、
毎日300近くのヒヤリとする予備事象があり


いずれは、その内の29個ほどのハッとする
危険な事が”見える化”されて、


そして、1つの大きな事故に繋がる。


今までは、個人単位では、
気にならなかった現象が、


法人化して、組織化されるにつれ、
様々な課題が現れるようになった。


そして、嘉松が復帰して、
ちょっとした時に、
“問題”が露わになった。


簡単な小学生でも解ける問題。


「1+1+1=?」


答えが揺らぐ。


良いことも悪いことも増えていくのが、
“組織”というもの。


事故を取り巻く不思議な環境が、
さらなる”事業への警鐘”を鳴らしていることに
誰も気づいてはいなかった。


続く・・・



この記事が参加している募集

自己紹介

スキしてみて

最後まで読んでいただきありがとうございました。記事が気に入ったらシェアやいいねをしてもらえると嬉しいです。