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英文法解説 テーマ6 分詞 第2回 分詞は置く場所が大切です!① ~叙述用法~

 こんにちは。分詞の第2回目になります。今回は、分詞の「叙述用法」について解説していきたいと思います。といっても、「叙述用法」という用語自体、あまり知らない人も多いので、そもそも「叙述用法」とは何だろう?というところから説明します。

叙述用法とは?

 分詞というのは、準動詞の一種ですが、不定詞の回で次のような図を用いて準動詞を解説したのを覚えているでしょうか?

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 分詞に関しては、「形容詞の機能」「副詞の機能」の2つがあることが分かります。この中でも、今回は「形容詞の機能」に注目してもらいたいのですが、形容詞というのは、「テーマ1 第1回「品詞を理解するのはコスパが良い!」でも解説したように、次のはたらきがあります。

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 この「(1)C(補語)としてはたらく」ことを「叙述用法」と呼んでいます。つまり、分詞の叙述用法とは、現在分詞・過去分詞をC(補語)の位置に用いる用法のことです。また、C(補語)というのは、第2文型と第5文型でのみ用いられる文要素なので、まとめると次のようになります。

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 本来、形容詞が用いられる位置に分詞が用いられると、その分詞は叙述用法としてはたらいている、ということになります。もちろん、形容詞とは訳し方が異なるので、その辺をしっかり考えながら解釈をする必要があります。現在分詞と過去分詞の訳し方の違いに関しては、前回の「テーマ6 分詞「第1回 現在分詞と過去分詞って時制の話じゃないんだよ!」」を参照してください。

第2文型における叙述用法

 SVCのCの位置に分詞が用いられるケースというのは、単純にCの位置に用いられる形容詞の代わりに分詞が置かれると考えて構いません。

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 (1)のsurprisingがseemedのC(補語)としてはたらいています。seemed goodとしても同じように第2文型ですが、形容詞goodの代わりに現在分詞surprisingが用いられています。surpriseは「驚かせる」という意味なので、ここでは「結果→<驚き>→彼」という関係が成り立っています。また、(2)では、satisfiedがlookedのC(補語)としてはたらいています。satisfyも「満足させる」という「させる」タイプの動詞なので、過去分詞になることで、「彼女←<満足>←そのプレゼント」という関係が成り立っています
 
 実は、このように、一般動詞(自動詞)の後ろのC(補語)の位置に現在分詞や過去分詞が用いられているケースでは、その一般動詞の代わりにbe動詞を置いてもSVCとして成立するという特徴もあります。

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付加的な補語としての分詞

 このほかにも、もともと第2文型以外の文型として成立している文(SVやSVOなど)に、おまけのような形で付加的にC(補語)として分詞が用いられるケースがあります。この場合のC(補語)のことを「準補語」と呼ぶことがあります。少し分かりにくいと思うので、次の例文を見てください。

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 (3)の例文は、He was sitting on the couch.「彼はソファに座っていた」だけでも第1文型の英文として成り立っていますが、そこに、S(主語)である「彼」の様子・状態を説明するC(補語)としてreading a bookが付加的に置かれたものです。直前のthe couchに対する修飾語句ではなく、was sittingにかかっているのでもなく、あくまでも、S(主語)の様子を説明しているので、C(補語)として処理するのです。ここでは「しながら」と訳しています

 (4)の例文も、She was gripping my hand.「彼女は私の手をしっかり握っていた」だけでも第3文型の英文として成立していますが、そこに、S(主語)である「彼女」の様子・状態を説明するC(補語)としてfrightened by somethingが付加的に置かれたものです。直前のmy handに対する修飾語句ではなく、was grippingにかかっているのでもなく、あくまでも、S(主語)の様子を説明しているので、C(補語)として処理するのです。ここでは過去分詞形なので「されながら」と訳したいのですが、frightenは「脅かす」なので、「脅かされる」→「脅えている」としています。
 
 いずれも、成立した文構造に付加的にC(補語)が足されている、という意識で解釈できれば良いと思います。実は、こういうパターンは、「テーマ6 分詞 第5回「分詞構文の基本② ~分詞構文の訳し方~」」でも触れるように、文末タイプの分詞構文と考えることも可能ですが、一応ここではC(補語)として解説してみました。

第5文型における叙述用法

 これは、「テーマ1 品詞と文型 第8回「知覚動詞って何だっけ?という人へ」」で解説したパターンになります。復習も兼ねて、もう一度確認しましょう。実際には、C(補語)の位置には、動詞の原形も用いられますが、ここでは現在分詞過去分詞に絞って説明したいと思います。

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 ポイントは、SVO+現在分詞形の場合は「SはOが~しているのをVする」と訳し、SVO+過去分詞形の場合は「SはOが~させる・たのをVする」と訳すように、OとCに「隠れたSV関係」が成り立っているという点です。

 他にも、使役動詞makeや使役動詞makeによる第5文型の場合や、「させる」を表すgetによる第5文型の場合にも、C(補語)の位置に分詞(ほぼ過去分詞)が用いられます。

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 いずれの例も、「テーマ1 第9回「使役動詞が分かれば世界が広がる!」」で解説したものなので、そちらも参考にしてください。

記事↑の本文にもリンクを張りましたが、第5文型(知覚動詞・使役動詞)に関してはこちらの投稿を参考にしてください。


 

 というわけで、分詞の叙述用法(Cになること)に関してはここまでになります。次回は、分詞の限定用法について解説していきたいと思います。ご期待ください。

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