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英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第8回 知覚動詞って何だっけ?という人へ

 今回は、第5文型の第三弾ということで、「知覚動詞」について取り上げます。「知覚動詞」というのは文字通り「五感」を表す動詞で、「見る・聞く・嗅ぐ・感じる」などの意味を持ちますが、まずは次の3つの動詞を使って説明していきましょう。

知覚動詞とは?から始めよう

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 上記のように、seeは、正確には「見る」ではなくて「見える」という意味で、hearは、「聞く」ではなく「聞こえる」という意味なので注意してください。対象物が視界に入ってくることが「見える」でsee、音が耳に入ってくることが「聞こえる」でhearです。ちなみに、「見る」はlook atで、「聞く」はlisten toですが、これらも知覚動詞に属します。
 
 では、まず、知覚動詞を用いた第5文型の構造的特徴から説明していきたいと思いますが、今回もまたC(補語)の語形に注目しましょう。ただし、今回は3種類の語形が出てくるので、少し難しそうに見えるかもしれませんが、簡単な規則性を理解すればすぐに頭に入ると思います。

知覚動詞を用いた第5文型の基本的構造と訳し方について ← 重要!!

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 3種類のC(補語)の語形は、それぞれ、①動詞の原形、②動詞の現在分詞形、③動詞の過去分詞形です。これらを使い分けることで、訳し方にどういう違いが生まれるのかを考えるのがポイントです。前回、第5文型「S+V+O+C(to V原形)」の際に、OとC(to V原形)には「隠れたSV関係」があるんだ、という説明をしたのを覚えているでしょうか?その話が、ここではもう少し細分化されます。

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 S+V+O+C(V原形)の場合は、「Sは、Oが~するのをVする」と訳します。これは、「S+V+O+C(to V)」パターンの「to V」の訳し方と同じです(第7回「SVO to V」を参照)。

 次に、S+V+O+C(Ving)の場合ですが、これは「Sは、Oが~しているのをVする」と訳します。これは、現在分詞形(Ving)が「be + Ving」という形で進行形になるのを土台として考え、「Oが~している」と訳すということです。

 そして、S+V+O+C(Vp.p.)の場合は、「Sは、Oが~される・たのをVする」と訳します。過去分詞形(Vp.p.)が「be + Vp.p.」という形で受動形になることを考えれば、「Oが~される・た」と訳すのは理解しやすいと思います。

 以上のように、OとCには「隠れたSV関係」があるので、それをどう訳すか(「S’が~する」「S’が~している」「S’が~される・た」)ということがポイントです。次の例文で確認しましょう。

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 (1)は、I saw「私は見た」とa cat entered his house「猫が彼の家に入る」という2つのSV関係が結合し、「SV+S’V’(する)」→「SVOC(V原形)」となっています。(2)は、I heard「私は聞こえた」とsomeone (was) laughing loudly「誰かが大声で笑っていた」という2つのSV関係が結合し、「SV+S’V’(している)」→「SVOC(Ving)」となっています。(3)は、I felt「私は感じた」とmy shoulder (was) touched by someone「私の肩が誰かに触れられた」という2つのSV関係が結合し、「SV+S’V’(される)」→「SVOC(Vp.p.)」となっています。こんな感じのイメージで理解できていればバッチリです。

注意が必要な知覚動詞について

 ところで、「知覚動詞」と言えば、今回はsee, hear, feelの3つを紹介しましたが、これ以外にも知覚動詞として用いられる動詞がいくつかあります。それらの一部を紹介しましょう。ただし、これらは、C(補語)の語形として「動詞の原形、動詞の現在分詞形、動詞の過去分詞形」のどれも取れるわけではなく、現在分詞形(Ving)のみを取る場合が多いので気を付けてください。

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 中でも、catchは面白いですよね。「catch+O」の場合(第3文型)は「Oを捕まえる」になりますが、例えば、I caught him stealing something.だと第5文型なので、「私は彼が何かを盗んでいるのを目撃した」となるのです。知覚動詞だから第5文型を取っている、という考え方も重要ですが、第5文型になっているから、catchのような動詞も知覚動詞としてとらえる、という考え方もできると良いと思います。同じ文型を取る動詞というのは、訳し方のパターンも似てくるので。smellも、「smell+C(形容詞)」(第2文型)だと「Cのにおいがする」と訳しますが、例えば、I smell something burning.だと、第5文型なので「何かが焼けているにおいがする」と訳します。

 というわけで、今回は、「知覚動詞」の使い方を中心に解説していきましたが、規則性を理解できれば、処理しやすいと思います。そして、次回はついに「使役動詞」の登場です。「なんとなくこんな感じかな」で止まっている人も少なくない分野なので、しっかり解説していきたいと思います。ご期待ください!

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