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英文法解説 テーマ1 品詞と文型 第7回 第5文型の頻出パターン「V+O+to V」について

 こんにちは。前回に引き続き第5文型を扱っていきます。前回は、「S+V+O(名詞)+C(名詞または形容詞)」というパターンの第5文型について説明していきましたが、今回はC(補語)の語形がto不定詞になっているパターンについて解説します。

SVO+to Vパターンの基本

  そもそも、C(補語)というのは、名詞、または形容詞が用いられる位置第1回「品詞の理解」を参照してください)なので、なぜto不定詞が用いられるのだろうか?と疑問に思う人もいるかと思います。実のところ、to不定詞というのは、語形としては「to+動詞の原形」ですが、文法上のはたらきという点から考えると、名・形・副のいずれかの機能を持っているのです。

 そして、その中でも、to不定詞が形容詞としてはたらくことができる、ということを考えると、第5文型(SVOC)のC(補語)の位置にto不定詞が、形容詞として用いられても何もおかしなことはありません(*名詞用法の不定詞と考える指導者もいるようですが、ここでは形容詞用法と考えたいと思います)。ちなみに、このパターン、第5文型の中でもかなり頻繁に見かける構造です。

 まずは、今回扱う第5文型の構造を「はたらきとしての品詞」で置き換えてみましょう。

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 このようなパターンを取る動詞には次のようなものがあります。to不定詞に関しては、「to V原形」というように簡略化して表示します。また、O(目的語)の位置には「人・モノ・コト」のいずれの名詞も用いられます。

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OCに「隠れたSV関係」を見つけよう!

 他にもたくさんあるのですが、あくまでも仕組みを理解するために、とりあえず5つだけ列挙しました。さて、このような「S+V+O+C(to V原形)」にはある大きな特徴があるのですが、気づいたでしょうか?OとC(to V原形)の関係に注目してみてください。実は、これらはたとえ「Oに~する」と訳していたとしても、「Oが~する」という関係が含まれているのです。

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 例えば、I want Tom to say the truth.「トムには本当のことを言ってほしいと思う」という英文を考えてみてください。目的語のTomと補語のto say the truthには「Tom says the truth」というSとVの関係があります。このことを「隠れたSV関係」と呼びます。つまり、「S(主語)+V(述語)+O(目的語)+C(to V原形)」というパターンは、「S(主語)+V(述語)+[S’(主語)+V’(述語)]」のようなイメージでとらえると良いかもしれません。

SVO+C(to V)の「O+C」の訳し方のコツ

 また、こういった「O(目的語)+C(to V原形)」を「隠れたSV関係」と考えることで、次のような英文もスムーズに訳しやすくなります。

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 「allow O to V原形 ~:Oに~することを許可する」という語法をベースに直訳すると「インターネットは私たちに友人とコミュニケーションを取ることを許可する」となりますが、なんか不自然ですね。そこで、「私たちは友人とコミュニケーションを取る」という「隠れたSV関係」をメインに持ってきて、「インターネット」は「のおかげで」という訳し方にして、整理してみると、「インターネットのおかげで、私たちは友人とコミュニケーションを取れる」と分かりやすい日本語で訳すことができます。こういうのを無生物主語構文と言うのですが、この構文では第5文型が用いられることがよくあります。

think, consider, believeについて

 最後に、ちょっと特殊な「S+V+O+C(to V原形)」を紹介したいと思います。決して難しい動詞を使うわけではないのですが、少し注目してみてください。次の3つです。

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 一見したところ、特に変わったところはありませんよね。これまで、「V原形」としていたところを「be」としただけなので。

 では、どこがポイントかというと、①beの後ろに続く品詞②to beの省略、という点です。一般的にbe動詞の後ろには、「名詞または形容詞」が用いられます(第4回「第1文型と第2文型」を参照してください)。また、このパターンでは、to beが省略されることがあるのです。なので、上記の3つの語法をもう少し詳しく書きな直すと次のようになります。

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 例えば、I think him to be honest.「私は彼が正直だと思う」という文は、to beを省略してI think him honest.と書くことができ、結果的に、前回説明した、「S+V+O(名詞)+C(形容詞)」というパターンの第5文型になるのです(*若干、意味上のニュアンスが異なりますが)。

 これらの、何が特殊かというと、例えば、前回説明したleaveは、leave the window open(形容詞)という形を取れますが、これはleave the window to be openを省略したものではない、ということと比べると分かると思います。

 つまり、thinkやconsiderやbelieveは、「O(名詞)+C(名詞または形容詞)」という語形を後ろに取ることもできるのですが、これはあくまで「O(名詞)+ to be C(名詞または形容詞)」のto be省略形として用いられている、ということなのです。また、thinkとconsiderは、「O(名詞)+C(to+一般動詞)」という語法も取れません。まあ、専門的な話をすると、もう少し複雑な事情もあるのですが、とりあえず、この3つはtellやwantなどの「S+V+O+C(to V原形)」とは少し別物のとしてとらえておいてください。

 今回の第5文型の解説はここまでです。次回は、いよいよ「知覚動詞」について解説していきます!一見難しそうなテーマですが、今回の説明の延長線上にあるので、しっかり復讐をして臨んでください。意外とあっさり理解できると思います。期待していてください。

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