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英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第4回 第1文型と第2文型の話 ~自動詞と他動詞について~

前回のおさらい ~動詞の語法とは~

 前回では、動詞ごとに後ろにどんな要素(目的語・補語・副詞など)が続くのかというパターンはある程度決まっていて、そのことを「動詞の語法」と呼ぶということと、文型ごとにどんな動詞の語法のパターンが用いられるかは決まっていて、そのパターンに従って動詞を分類すれば、動詞を頭の中に整理できるということを説明しました。

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第1文型の基本的な構造について

 今回は、基本5文型の中から、第1文型(SV)第2文型(SVC)について詳しく解説していきたいと思います。まず、それぞれの文型を品詞で表すとどうなるかを確認していきましょう。

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 第1文型と第2文型の英文はすべてこのような「品詞の組み合わせ」になっています。「文型ってSとかCとかの記号で書かれていてよく分からなかった」という人は、このように品詞で置き換えて考えると理解しやすくなると思います。

 さて、ここで第1文型について少し考えてみましょう。第1文型(SV)の英文は「名詞+動詞」から成り立つのですが、例えば、Mary slept for nine hours yesterday.「メアリは昨日9時間寝た」という、「名詞+動詞」以外の要素もある英文も実は第1文型です。

 どういうことかというと、for nine hoursという「前置詞+名詞」やyesterdayという「副詞」は、文の要素としてはカウントしないので、「名詞+動詞+前置詞+名詞+副詞」も「名詞+動詞」も同じ第1文型なのです。このような文の要素にならない前置詞+名詞や副詞のようなものを、M(修飾語)と言います

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 例えば、第1文型と第2文型のどちらも取ることができ、そのどちらかによって意味の異なる動詞(例えばlook)を見つけたときに、そのあとに「前置詞+名詞」など文の要素にならない語句(=M)があれば、第1文型で、形容詞があれば第2文型という判断もできます。

自動詞と他動詞についての基本的な考え方

 ところで、第1文型と第2文型は、そのあとに目的語が続かないという共通点があります(第3~5文型はすべて目的語が続きます)。そこで、第1文型を取る動詞と第2文型を取る動詞のことを「自動詞」と呼びます(一方で第3~5文型を取る動詞のことを「他動詞」と呼びます

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 辞書には、自動詞の場合はviという記号が、他動詞の場合はvtという記号が記されていることがあるのでそこを参照してください。

 自動詞と他動詞の区別と聞くと、すべての動詞はそのどちらかに分類されると勘違いしている人も多いのですが、ほとんどの動詞は自動詞の用法と他動詞の用法のどちらも持っています。ただし、その中には他動詞の場合と自動詞の場合で意味が異なるものがあるのでそこは注意が必要です。例えば、前回の動詞の語法で少し触れたrunなどはその典型例です。

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 また、その意味からは自動詞なのか他動詞なのか区別がつきにくい動詞もあります。例えば、resemble「に似ている」などです。resembleは他動詞なので、目的語として名詞を取ることはできますが、「with+名詞」を取ることはできません。

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 他にも、自動詞と他動詞を区別することが不可欠な動詞はありますが、ここでは割愛します。また、別の機会で詳しく説明します。

第1文型の副詞要素とThere be構文について

 さて、第1文型と第2文型に話を戻しましょう。第1文型は、先ほども書いたように、次のような構造パターンに一般化できます。

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 Birds are flying over the clouds.「鳥が雲の上を飛んでいる」とかHe works for a publishing company.「彼は出版社で働いている」といった構造を持つ英文が典型的な第1文型の文ですが、次のような構造パターンを持つ文も第1文型になります。

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 例えば、There is a cat on the couch.「ソファの上に猫がいる」のような、いわゆるthere構文です。先頭にあるthereは「そこに」という意味の副詞になります。副詞は文要素になることはないので、主語でも動詞でも目的語でも補語でもありません。こういう要素はMとなります。また、is/areといったbe動詞がここではV(述語)になります。そして、その述語の後ろにS(主語)があるのです。つまり、この構造パターンは以下のようになっていると考えられます。

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 このように少しトリッキーに見える英文構造でも、主語が1つ、述語が1つ、あとは全て副詞要素(=M)であれば、第1文型になるのです。

 この第1文型を取る動詞には次のようなものがあります。ただし、これらの動詞は第1文型を取るだけではなく、他の文型でも用いられることがある(その場合、意味が異なることがあります)ので、注意が必要です。

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第2文型の基本的な構造について 

 次に第2文型ですが、最初の方にも書いたように、以下のように一般化されます。

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 補語に名詞が用いられるパターンは比較的簡単です。He is a student.「彼は学生です」とかShe became an astronaut.「彼女は宇宙飛行士になった」などです。どちらも、S(主語)=C(補語)が成り立っています。

 また、補語に形容詞が用いられるパターンに関しては、She is beautiful.「彼女は美しい」のような「主語+be動詞+形容詞」という文構造ならあまり難しくはありませんが、The pizza remained cold.「そのピザは冷えたままだった」のように「主語+一般動詞+形容詞」となる場合には少し注意が必要です。実は、形容詞を補語として取る動詞は、そのほとんどが第1文型も取ることができるので、見かけたら後ろに続く語をチェックする必要があります。

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 前回の「動詞の語法」でも説明したように、動詞というのは、どのように使われるのかによって意味が異なります。なので、例えばcomeのように「来る」という意味が頭に刷り込まれている動詞でも、come trueと使われれば、「動詞+形容詞」なので、第2文型として「~になる」という意味になり「本当になる→実現する」と解釈することになります。

 いかがでしょうか?慣れないとまだ難しく感じるかもしれませんが、動詞の語法からその動詞の意味を考えるという流れは理解してもらえたでしょうか?もちろん、上記の例以外にも注意が必要な動詞はありますが、とりあえずは第1文型と第2文型の動詞の特徴が分かればいいと思います。

 次回は、今回も触れた、「他動詞」を用いた文型、第3~5文型の概要を解説します。動詞の語法をベースに意味を考えていくと理解しやすいと思うのでご期待ください!


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