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英文法解説 テーマ6 分詞 第5回 分詞構文の基本② ~分詞構文の訳し方~

 こんにちは。今回は分詞構文の第2回目です。分詞構文の訳し方について解説していきたいと思います。前回の「テーマ6 分詞 第4回「分詞構文の基本①~分詞構文の形~」」において、分詞構文が用いられる位置について説明しましたが、まずはそこから確認しましょう。

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 よく教科書の例題に、副詞節(例えばBecause SV)から分詞構文に書き換える練習があるので、分詞構文と言えば「文頭タイプ」の印象が強い人も多いかと思いますが、実際には文中で挿入句として用いられたりや文末で付加的に用いられたりする場合もよく見かけます。分詞構文はあくまでも副詞要素なので、主節から独立している位置であれば比較的自由に置かれるカタマリなのです。

 さて、ここからは「分詞構文の訳し方」という切り口で考えたいと思います。実は、文頭タイプや文中(挿入句)タイプの分詞構文というのは、基本的に同じような訳し方をすることが多いのですが、一方で、文末タイプの分詞構文は特有の訳し方をするので注意が必要になります。まずは、文末・文中タイプから解説していきましょう。

文頭・文中(挿入句)タイプの分詞構文の訳し方

 例えば、副詞節であれば、becauseやifやwhenという接続詞の意味に従って訳せばよいだけなのですが、分詞構文の場合はそういった接続詞が基本的には省略されているので、見た目で判断することはできません。といっても、一定の指針がないと分かりづらいので、とりあえず分詞構文の訳し方のパターンを列挙してみます。*文中タイプの場合は、基本的に文頭タイプと同じなので、ここでは分かりやすいように、文頭タイプのみを例として挙げます。

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 このように、文頭タイプの分詞構文には4パターンの訳し方があるのですが、実際に英文中でどのように訳出されるのかを確認していきましょう。

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 実は、これらの訳出パターンは、何か規則性に従ったものではありません((3)と(4)に関しては、接続詞IfやAlthoughが省略されずに残っていればそれを利用して訳します)。ただ、主節とスムーズにつながるように訳せればそれで十分なのです。

 例えば、(1)では、「都市部に住んでいる」+「自家用車は必要ない」という2つの情報をスムーズに結びつける意識があれば、「都市部に住んでいるので」と訳せるはずです。また、(2)も、「通りを歩いている」+「私は友人に会った」という2つの情報を結びつける意識があれば「通りを歩いていると」と訳せるはずです。というわけで、分詞構文の訳し方については次のように考えると良いでしょう。

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 結果的に、「なので」「すると」「すれば」「だが」という訳が文脈上自然につながるように出てくればOKです。「良い意味で適当に」訳出するというイメージです

文末タイプの分詞構文の訳し方

 文末タイプの分詞構文の場合は、文頭・文中タイプと違って、特別な訳し方をする必要があります(ただし、「なので」という理由の意味になることはまれにありますが)。

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 実際に、英文は左から右に情報が流れていくことを考えれば、「主節+分詞構文」という語順の場合は、分詞構文を「すると」や「すれば」のような訳し方をするよりも、「しながら」の方が自然に聞こえると思います(例えば、I was driving a car, listening to the radio.の場合、分詞構文を「ラジオを聴いていると」と訳すより、「ラジオを聴きながら」の方が自然ですよね)。実際に例文で確認していきましょう。

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 文末タイプの分詞構文に関しては、実際に訳してみないと「付帯状況」なのか「結果」なのか分かりません。ただし、(5)の付帯状況に関しては、上記の例では「ジュースを飲みながら」と先に分詞構文を訳してから主節につなげ「マンガを読んでいた」と訳しましたが、付帯状況というのは「ある状況Aとある状況Bが同時に起きている」ということなので、訳す順番に厳密にこだわる必要はありません。「マンガを読みながらジュースを飲んでいた」でも全く問題はないでしょう。

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 文末タイプの分詞構文は、右から左へ訳し上げるという先入観を持っている人も多いのですが、実はこのように左から右へ訳し上げることも可能です。そういう意味では、「付帯状況」も「結果」も、どちらも「主節→分詞構文」という流れで情報を取ると良いと思います。ちなみに、この付帯状況「しながら」という訳し方は、「テーマ6 分詞 第2回「分詞は置く場所が大切です!①~叙述用法~」」でも触れた、準補語という考え方でとらえても良いと思います。

 というわけで、分詞構文の訳し方に関しての解説はここまでになります。前回と今回だけでも分詞構文に関して詳しく説明してきたので、だいぶ理解は深まったと思いますが、次回は、ここまでで扱えなかった「少し注意が必要な分詞構文」について解説していきたいと思います。ご期待ください。

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