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英文法解説 テーマ6 分詞 第4回 分詞構文の基本① ~分詞構文の形~

 こんにちは。今回は分詞構文について解説していきたいと思います。

 いきなりですが、この「分詞構文」という名称が誤解を招きやすいですよね。「構文」と付いていると、何か形式的な語句のかたまりや決まった文構造のパターンみたいですが、実は「分詞構文」というのはそういう類のものではなくて、「分詞の副詞用法」なのです。

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 というわけで、「テーマ1品詞と文型 第1回「品詞を理解するのはコスパが良い!」」や「テーマ4不定詞 第3回「準動詞って何?③ ~不定詞の副詞用法~」」でも触れましたが、ここでもう一度、副詞について少しおさらいをしましょう。

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 「S・V・O・Cのどれにもならない」、すなわち「Mになる」ということでしたよね。S・V・O・Cが「文の骨格」だとすると、それらにはならない副詞要素(=M)は、言ってみれば「文の肉付け」みたいなものです。主に修飾という役割を担っています。

分詞構文が用いられる位置

 分詞構文は副詞句なので、いわゆる「主節」とは独立して用いられます。また、英文の中で用いられる位置は文頭・文中(挿入句として)・文末のいずれもOKです。一般化すると、次のようになります。

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 繰り返しますが、分詞構文は副詞句なので、主節とは独立した位置に用いられます。つまり、文頭でも文中(挿入句として)でも文末でも、それが文の主要な骨格になっていなければ、「分詞句(Ving/Vp.p.~)」=「分詞構文」と考えられます。用いられる位置によって多少訳し方のパターンは異なるのですが、とりあえずは「文頭パターン」が基本だと思ってください。

分詞構文の語形パターン

 分詞構文は、現在分詞でも過去分詞でも用いられるだけでなく、否定形完了形もあり、さらにはもっと複雑な構造になっているものもありますが、まずは次の基本4パターンを確認していきましょう。

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 よく、「接続詞+SV」という構造から分詞構文に書き換えさせる例題を教科書などで見かけますが、実際の英文では書き換える前の英文がわざわざ登場するわけではないので、いきなり分詞構文が用いられている英文で仕組みを理解する方が効果的だと思います。つまり、副詞節ありきで分詞構文を考えるのではなく、分詞構文の語形そのものを考えた方が良いということです。

能動と受動の分詞構文

 現在分詞と過去分詞の使い分けに関しては、①基本形(能動・進行)②受動形を見比べてください。①は「歩いていると」で②は「書かれているので」と訳されていますが、「誰が歩いている」のか「何が書かれているのか」を意識しましょう。そうです、これはどちらも「主節の主語」の立場で現在分詞か過去分詞かが決まっているのです。ここがポイントです。

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 気を付けてもらいたいのは、②の例文は日本語の訳し方として「簡単な英語で書いているので、この本は読みやすい」となっていてもいいわけです。この場合、「書いている」という表現に惑わされて、Writingという語形を用いてしまう人が結構います。しかし、ここで大事なのは、主節の主語this bookの立場考えて「書かれている」と判断することです。

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否定形と完了形の分詞構文

 次に、③の例文ですが、これは不定詞や動名詞などの他の準動詞にも共通した規則性なのですが、準動詞を否定したいときは、常にその直前にnotやneverを置きます

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 従って、Not knowing~という語順になっています。これは比較的簡単な語順だと思います。

 ④の完了形ですが、これも不定詞の完了形や動名詞の完了形と同じように、「主節のV(述語)の時制の一つ昔の時制」と考えます。V(述語)が現在形なら、having Vp.p.は過去時制になり、V(述語)が過去形なら、having Vp.p.は大過去になります。今回の例では、I amのamは現在形なので、having done the taskは過去時制ということになります。

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 というわけで、分詞構文の基本的な構造の話はここまでになります。ポイントは、①分詞構文は副詞要素なので主節とは独立して置かれる②主節の主語の立場で分詞構文の語形(現在分詞or過去分詞)は決まる、の2点です。次回は、分詞構文の訳し方について解説します。ご期待ください。

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