見出し画像

定時退校する先生の正体 ~先生はおせっかい~追記

「定時退校」
先生なら定時に
「お疲れさまでした~」
と颯爽と帰る。かっこよくないですか?なぜ定時退校できる先生とできない先生がいるのか。ホンの少しだけ紹介します。少しだけなのは「働き方は人それぞれ」ですから

#ビジネス部門


プロローグ

 出勤ぎりぎり、そして定時退校が「仕事」の基本です。できないときは大概は「他の先生の相談を受ける」ときです。先生が早く帰れることができれば子どもに返すことができる。
「楽しい授業」と「居心地のよい学級」
の提供。これだけで十分です。
 でもなぜか先生は満足しない。頭が忙しすぎてあれもこれも…あっそれもじゃん!と気づいちゃう。
ちょっと待ってください。「ホントにそれ、必要ですか?」

先生の本業は授業

 先生の本業は授業。当たり前ですね。でもこの授業準備ができず、結局夜遅くまで考えて寝不足。ちなみに私は朝学校に行くとある若い先生から職員室に入った瞬間
「先生、この授業をどうやって進めたらいいのかわからないんです。」
と言われたことがあります。もちろんその先生も考えたけど、自分が納得いかない。だから「わからない」
もちろん教えました。
 こんな感じで日々を過ごす先生は多いのではないでしょうか。毎日、子どもの前では「カラ元気」で立ち回る。その「負の連鎖」を断ち切ること。これが第一歩です。
「わかってるよ、そんなこと」
と突っ込まれるのも当たり前。できないから「帰れない」「帰れない」から疲労が蓄積。でも「授業準備しないと」と学校や家でさらに仕事をする。文科省も教育委員会も「この業務はいらないよ」「この業務は外注委託しよう」などこれっぽっちも言わない。言えないのが本音かな?なんせ30年も前から「ビルド&ビルド」してきたもんだから。
 例を挙げると最新版はGIGAスクール構想でしょう。コロナ禍もあって加速度的に進みました。ということはタブレットを使いこなす力量が必要となる。では現場はどうするか。3択しかない。
①とにかく使う
②研修時間を設ける。
③スルー

自分の学校はどうだっただろうか。
 「お上」が通知、通達(強制力あり)が出れば教育委員会も動く。結果,現場の仕事は増える。何せ行政は「縦割り」組織。他の部署も仕事を依頼していることを「知らないフリ」をしている。いや、本当に知らないかもしれない。
 そもそも「メール」というシステムが学校に導入されてから、「お上」は実に簡単に仕事が増やせるようになった。それはデータを送るだけで指示がだせるから。年度当初の教育委員会からのメールは日に20件ほど。すべて「調査や確認をしなさい」というもの。それが各分掌担当にわたる。
 これでは本業の「授業をつくろう」と思ってもその時間はない。そう、
人に平等なのは
「時間と命の数」

だけだから。
 本業の授業に時間を割きたい。それが仕事だから。でも校務分掌や学年の仕事をしなければほかの人の仕事を止めてしまう(止めてしまう人がゴロゴロいるのも先生という世界ですが(泣))
 もう一度言います。「先生の本業は授業です。」

「プロ意識」

 だから本業以外はマルチタスクでこなすしかない。そして家で本業をするしかない。特に若手や学年を一周するまではという前提で話を進めます。
 つまり「本業は落ち着いて家でやろう」というスタンスを決めてしまうことが前提です。
「やっぱりそうなるよね、じゃあいいや」
と思った人はここでお引き取りいただきたい。
ここからの領域は先生という職業を「プロ」とみなして頑張る先生にだけ読んでほしいからです。
 「プロ」と認定される職業はいくつあるだろう。サッカーや野球はすぐに思いつく。しかし藤井壮太さんのような棋士、陶芸家、レーシングドライバー、演奏者、歌手、お笑い芸人もその道の「プロ」なんです。「プロの仕事の仕方」に「定時」という概念はあると思いますか?
 時間を惜しんで「仕事」に打ち込んでいる。先生との違いは「対価」でしょう。この度の給特法改正で「10%上がったとて」なんですよね。いくら頑張ってよい効果が出ても対価は一緒。きっと先生が「プロ」でないと感じる理由はそこなんだろうと思っています。
 思い切って文科省が「公教育が崩壊したのであとはよろしく」と言って「契約制」にして先生と保護者が1人につき月額2万円で契約し、年俸制でやるなら「対価」も上がる。しかしあくまで「公務員」。残念だがそうはいかない。(研究指定校でやってみてほしいものです。)
 だから「定時に帰る先生」は学校でしかできない仕事を「定時」までに終わらせて帰る人が多いと思ったほうが納得がいきませんか。もし家で本業もしていないなら高圧的な昭和の授業か、子どもたちに迎合するような授業でしょう。「神」でない限りは。だからこそ学校での「マルチタスク」が必要なのです。

マルチタスクの進め方①「休憩する」

 ではマルチタスクの進め方です。
 極論は「宿題を出さない」が一番です(笑)。でも怖いですよね。他の学級が宿題を出していて自分の学級が宿題を出さずテスト結果が悪いと「叩かれる」思い切れることではないでしょう。
まずは通常モードの「ルーティーン」を作ることから始めます。毎日ある授業以外の仕事です。
①宿題の丸付け
②校務分掌
③学年の仕事
④学級事務(保健関係や保護者の手紙への返事などなど)
⑤わけのわかるプリント、わけのわからないプリント配付
⑥連絡帳を書かせる&チェック
これくらいでしょうか。きっと④が多いとすぐにルーティーンは崩れますね。そこにトラブルが発生したらそれどころではない。お決まりのパターンです(笑)
 そこでマルチタスクに「休憩時間」を入れることが必須です。必ず何もしなくていい時間である「休憩時間」は取ります。教室にいてもいいですし、職員室で伏せていてもいいでしょう。これがじわじわとボディーブローとして聞いてくる些細なことを回避できる役目です。
 ルーティーンはほとんどの先生は自然と作っているでしょう。しかしそのルーティーンは「正しい」ものでしょうか。ドジャーズの大谷翔平選手も試合前にするルーティーンがあります。そのルーティーンは「科学に基づいた根拠のあるもの」なんです。自然にできた「縁担ぎ」ではありません。でも大半の先生は自然にできたそれを「自分のルーティーン」としています。ですから正しいルーティーンをきちんと「作るべき」だと思っています。私の場合、すべての休憩時間をちゃんと「休んで」いました。
 「休憩が悪」と思われる先生や周りの雰囲気もあるでしょう。「子どもがいるのに」と。でも子どもにも「休憩時間」はありますよね?なぜ先生だけが「休んではいけないのか?」大谷選手も休んでますよ。特に睡眠時間はきっちりとっています。ここに「間違ったプロ意識」が見え隠れしています。本当の「先生のプロ」はちゃんと休んでいるのです。
 粉骨砕身で玉砕するのは「プロ」として失格です。プロは波があってもその波の変動を小さく、高いレベルでいじできるからこそ「プロ」ですから。

マルチタスク②「宿題の出し方」

 次は宿題です。
 宿題は授業がうまい先生のみ学習効果を発揮するものです。理由は簡単。子供がやる気にならないからです。わからない、わかっているのになぜするのか、から家庭環境でできない子どもも中にはいます。でも「宿題をいっぱい出してちゃんと『覚えさせなきゃ』いけない」とばかりにプリントを印刷してどんどん出す。これは最悪です。勉強嫌いを自分で生み出してます。
 気づきましょう。しかも「出した宿題を見るのは自分」ですよ。自分で自分の首を絞めてどうするんですか(笑)宿題は最低限。出さなかったらどうするか。明日出させればいい。そして答えを回収する必要もない。わからない子は書き写すだけでいい。宿題で技能は身につきません。あくまで学習で身につける知識は「短期記憶」ですから使わなくなったら1か月もすれば忘れます。まとめのテストで平均点ががくっと落ちるのは「授業が下手」な証拠です。そして宿題は意味をなさない証拠です。
 宿題は例えば計算ドリルなら10問、漢字10問、短い日記、音読でOKです。わからなければ「わからないので答えを見ました」と書かせます。そうすればその子を個別に指導すればいいのです。音読も国語に限りません。理科でも社会でも音読させるのです。特に社会は理解していないと音読なんてできません。「音読=国語。その概念は自分がそう受けてきたから」です。音読は国語の専売特許ではありません。テスト前ならそのテスト勉強だけを宿題にすればいいのです。
 こういったマルチタスクの中身の改善も「定時退校」する一つのコツです。宿題のルーティーンは子どもは飽きます。だからしてこないという理由もあるのです。

マルチタスク③ 連絡帳

 連絡帳を子供に書かせる。書かせたからには先生はチェックしなればならなくなる。もちろん時間割をどこかの時間でかく、どこかの時間でチェックする。さらにどこかの時間で返却する
さて時間はどのくらいでしょう。おそらく時間にしても10分程度でしょう。
されど10分なんです。
 連絡帳という業務を毎日10分。この時間を宿題を見る時間に当てると…
出した宿題が半分見ることができます😆「もったいない時間」ではないですか?後、10分の時間を作ると宿題を見る時間が「なくなります」👍
 
そろそろ聞こえてきますよね😊
「じゃあ連絡帳は書かせないのか」
この答えは2通りあります。「YES!」か「NO!」です。では「YES!」から
ダブレットを使います。書いたものを写真にとらせるか、導入されている「Google classroom」のようなアプリで送ればそもそも書かせることがないです。
 なぜ連絡帳は書かないと不都合がありますか?なぜそう決めたんでしょう?😳
 
理由はいたってシンプル。「買わせたから使わなければならない」という「自分で自分の首を締めているだけ」
 時間割通りであれば書く必要がない。極論は「置き勉」させて必要なものだけ持って帰らせれば宿題はできます。その他に不都合があるとすれば持ってくるものでもイレギュラーなものくらいでしょう。でもそれは「学年通信」に書いていませんか?なので連絡帳を買わせなければいいんです。ダブレットの持ち帰りをまだしてないところは二学期から買うのをやめることが「働き方改革」になると提案しましょう
ちなみに私の学校は、自分が提案してようやく今年度持ち帰り、宿題も出すようにしました。連絡帳をとるとらないは二学期に提案します❤️
では「NO!」の場合。つまり書かせるパターン
2年生以上ならできます。連絡帳を「聞いて書かせる」書いたものを「隣同士でチェックする」。これを帰りの会でします。時間は2分くらいです。ちゃんと狙いがあります。
①集中して聞く力を育てる
②責任感を育てる

これを狙ってます。聞くことで書ける。隣と交換してチェックする。これでまず日課や宿題を2度「見る」ことになります。つまりすべきこともある程度意識が向きます。
 忘れ物を相手がしたら連絡帳を見て書いてなければ隣の子にも半分責任が発生します。
後は「さようなら」です。
このような隙間時間にする「優先順位の低いこと」を省くのがマルチタスクの初手です。

では長くなったのでまた次回。
 ダブレットの持ち帰りをしていない学校の先生はぜひ提案をしましょう。

「働き方改革」をお上が進めないなら自分達で👍

ルーティーンまでたどり着くまでの無自覚な前提をまた追記してひっ切り返します。

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?