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01 管楽器の「呼吸法」とは

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「呼吸法」の目的

 楽器の演奏は車の運転や乗馬に似ている、とよく言われます。身体という素晴らしい乗り物。これを合理的に使いこなし、管楽器を意のままに操れるようになることが、私の「呼吸法」の目的です。
 管楽器を実際に演奏する時は、楽曲に合わせて息をコントロールしなければなりません。その際、肺の使い方が、音色やニュアンスに大きな影響を及ぼします。

 ”感情の筋肉”とも言われる横隔膜は、この、肺を使った息のコントロールに深く関わっています(後述)。感情によって横隔膜の状態が変わると、息づかいが変化し、演奏に影響を及ぼすのです。それは考えられないくらい精密なプロセスで、要素ごとに分解しても何も分かりません。

 演奏という、身体を使った行為は、車の運転よりむしろ乗馬に近いとも言われます。良く訓練され長年連れ添った馬は、大事な場面以外は、自分で判断して歩みを進めます。車と違って、ドライバーが四六時中さまざまなことに気を配る必要はありません。名人が楽器を演奏する姿は、これとよく似ています。

のびのびした音色、凝縮した音色

 涼しい表情で楽器を吹き、「眉間から出た音が、遠くに向かって飛んで行く」ようなイメージで演奏すると、高音でのびのびとした、開放感のある音色を得ることができます。この時、息は体の最深部からのびやかに吹き上げられます。逆に、「眉間に顔のパーツが全部寄ってくる」ような感じで吹くと、凝縮した音色が得られます。

メリハリのある演奏

 クレッシェンドに続けて音量をもう一段上げるといった劇的な表現をしたい時には、「横隔膜の一時停止」というテクニックを使います(後述)。他にも多種多様な音楽表現が、「呼吸法」を応用することで可能になり、メリハリのある演奏ができるようになります。

呼吸が及ぼすさまざまな影響

 呼吸に関連するこうしたテクニックは、バイオリン、ピアノ、打楽器など、管楽器以外でも演奏時に使うことができます。実際、名演奏家たちは皆やっています。

 「息をゆっくり胸に満たしながら演奏すると、安定した弱奏でデリケートな表情が得られる」という高等テクニックもあります。
 また、細い息をお腹から吐き切るように演奏すると、ディミヌエンドを美しく演奏することができます。このように、管楽器以外でも、演奏時の息づかいは驚くほど音楽表現に寄与するのです。 

 一方で、管楽器に特有のアンブシュアやアタック、タンギングといったことにも、呼吸は決定的な影響があります。「管楽器の基本は呼吸法にある」と言われる所以です。

→次回へ続く

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