《映画紹介》ニートの吸血鬼達が送る愉快な共同生活「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」（2014）

皆さんはご存知だろうか。

職に就かず、ひっそりとシェアハウスを送るヴァンパイア達の存在を。

今回ご紹介するのは「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」です！

・この映画について

ヴィアゴ（379歳）、ヴラド（862歳）、ディーコン（183歳）、ピーター（8000歳）はニュージーランドでシェアハウスをしている吸血鬼だ。

みな無職である。

楽器を演奏したり踊ったり、街へ繰り出したり、狼男達に喧嘩を吹っかけたり、パブに入り浸ったりする日々を送っていた。

そんなある日、晩餐会の夜に訪れた大学生のニックをルームメイトの1人が噛んでしまい、彼を吸血鬼に変えてしまう。

ニックは人間の親友・スチューをシェアハウスに招き入れたり、吸血鬼ならざる行為をしたりと、今までの共同生活を乱すようなことばかり起こしていく。

そんななか、とんでもない一大事が…！

＊ ＊ ＊ ＊ ＊

この映画の 監督&脚本&主演 を務めるのは、タイカ・ワイティティとジェマイン・クレメントいう２人の男性。

２人は役者であると同時にコメディアンであり、演劇学校で知り合ってから大の仲良し。

若い頃に夢を追いかける途中で出会った相棒と
「おじさんになってからも楽しいことしようぜ！」って感じに、筆者はグッときてます。

そして、人間のスチュー役を演じるスチュー（※まさかの本人役）は、タイカの元ルームメイト！

このスチュー、いかにも冴えない感じの男性ですが（ごめんなさい）、元慶應大学生！！

映画に出演した際は、タイカから
「ニックが来てお前になんか言うから適当に…」と言われてアドリブを返したみたいです。


この映画、私は「人生で好きな映画のトップ10に入る」のですが、悲しいことに世間ではあまり認知されていない…。

なので今回は、「こんな方にオススメしたい！」というポイントを自分なりにまとめてみました。

①「男同士の共同生活」というシチュエーションが好きな方にオススメ！

映画には複数の女性も登場するのですが、ポスターを見てもお分かりの通り、主要な登場人物は全員男性。

「シェアハウスで男達が過ごす日常」というシチュエーションだけで既に胸が熱くなる方もいるのではないでしょうか。

邦題のもととなった「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」（1994）であったり、

（なんと主演はトムクルーズとブラピ！筆者はトムクルーズが出演している映画で一番好きな作品です）

日本でも大ヒットした国民的ドラマの「フルハウス」など。

（ﾄﾞｩﾋﾞﾄﾞｩﾊﾟｯﾊﾟｧﾔ〜！）

この映画では、個性溢れるでこぼこヴァンパイア達の仲睦まじい共同生活を見ることが出来ますよ。

共同生活をするにあたって自然と誕生する「お母さんポジション」や「お父さんポジション」、「反抗期の息子ポジション」もいるので、それぞれがどの役目になるのか楽しみにしていて下さい。

②アドリブ演技が好きな方にオススメ！

この映画のすごいところは、大まかなあらすじ以外は全編アドリブということ！
だからこそ生まれる、自然で飾りっけの無い空気感が面白かった。

なんというか、「計算された爆笑」はないんですけど、「絶妙な小笑いが何度も続く」って感じがじわじわ効いてきます。

ドキュメンタリーならではの微妙に空気が止まる瞬間とか気まずい時間もあったりして、
「笑っちゃいけないけど笑っちゃう」みたいな雰囲気が最高でした。

筆者はロバート秋山や友近がアドリブでやるネタが大好きなんですけど、タイカの表現する「お笑い」にも似た要素があるように感じます。

「個人名は無いけど、確実にこういう人見たことある」みたいな。彼らは、コアでありながら共感性に富んだネタを表現できる天才だと思います。

映画本編は90分弱の上映時間なんですが、アドリブを重ねる影響で収録した時間は120時間以上とのこと。
160万円の低予算映画ではありますが、役者さん達の「作品への探究心」を感じられます。

③モキュメンタリー映画が好きな方にオススメ！

モキュメンタリーというのは、
「ドキュメンタリーに見せかけたフェイク映像」のことです。

（似たような意味でPOVという言葉がありますが、違いについてはこちらの記事で分かりやすく説明して下さっています！）

モキュメンタリー映画には、何故かホラー作品が多いイメージ。
今作はホラー風味な映像は一部入っているものの、全体的に見るとコメディタッチです。

筆者はコメディのモキュメンタリー映画だと
ザック・ガリフィアナキス主演の「ビトウィーン・トゥ・ファーンズ：ザ・ムービー」が好きなのですが、あのユルい雰囲気と毒のある笑いが好きな方には是非オススメしたいです。

（出演者をコケにするザックが、劇中では底辺な生活送ってるのが皮肉で笑えました）

④「マイティ・ソー バトルロイヤル」が好きな方にオススメ！

タイカは大ヒット映画を生み出したわけではないのに（ごめんなさい）、なぜか天下のMARVEL映画「マイティ・ソー バトルロイヤル」の監督を務めることになりました。

それゆえ、私の周りで「この監督の他の映画って知ってる？」と聞くと皆「知らな〜い」と言います。

私はソーの過去作を全く見ずに「タイカが監督してるから…」という理由だけでバトルロイヤルを観に行ったんですが、随所に見えるタイカ節に心が踊ったのを覚えています。（よって、マーベル映画はあんまり見ない筆者が３回も劇場に足を運んでしまった）

バトルロイヤルの劇中で少しでも笑ったシーンがある方なら、本作もきっと気に入ってくれるはずです。

・現時点で定額見放題で見れる配信サービスは…？

気になるのが、現在「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」を観れる配信サービスですよね。

少し前までは長いことNetflixで配信されていたのですが、現在定額見放題で観れるのはU-NEXTとFODプレミアムの２つみたいです。

Amazonプライムなどの他の配信サービスでは、レンタルでも取り扱っているようです。

もし機会があれば是非見てみてください。
上映時間も短いので「映画見たいけど、２時間は疲れるな…」という時にもオススメです。

（待ってるぜ！！）

それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました！