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フロリダ州がベストセラー小説を含む3362冊の本を学校から撤去

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こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。

今日はこちらのポストから。

こちらは「IT」や「スタンドバイミー」でお馴染みのベストセラー作家のスティーブン・キング氏本人のアカウントによる

フロリダ州が私の本23冊を禁止した。
なんだこれふざけるなよ!

というポストです。

何が起こっているのかを説明しますと、フロリダ州において

学校図書館の不適切な本に対して市民が異議申し立てが出来る法案

が2022年に可決したことからこの騒動は始まります。

この法案では、図書館や教室に置かれた「性的な描写」及び「生徒に不適切な内容」が書かれた本に対して、その撤去の申し立てを受け付ける仕組みを学校側に義務付けるもので、異議申し立てがあった書籍に関してはその適切性が確認されるまで学校内から撤去されることになります。

しかしこの「不適切本撤去法」が施行されると異議申し立てが殺到し、その結果冒頭のポストにあるようにスティーブン・キングの小説をはじめ、アーネスト・ヘミングウェイの「誰がために鐘は鳴る」やマーク・トウェインの「トム・ソーヤーの冒険」、アンネ・フランクの「アンネの日記」などの名作などが次々と撤去され、挙句の果てには辞書やギネスブックまでもが図書館から消えてしまいました。

出版の自由に関する運動を行っている非営利団体「PEN America」の調査では、昨年度だけでも1,557タイトルに及ぶ3,362冊の書籍が撤去されたとし、そのなかでもフロリダ州は書籍の撤去件数で全米をリードする州の1つであると批判しています。

このようなことが起こっている背景には、この法案を署名したデサンティス知事に対する政治的攻撃の一面もあり、そのことは異議申し立ての6割がわずか11人から行われていた事実が物語っています。

しかしそうであったとしても「不適切本撤去法」が

子供を守るという名目で行われた検閲

であることは間違いありません。

政敵に制度を悪用されたのも、何を読み、何を読まないかまで州政府が介入しようとする悪法を作ったからです。

こんな法は何の意味もないどころか、「性的な描写がある」と本が撤去されれば子供は逆に興味を持ってそのタイトルをググるようになるだけで、反対にそうした本への接触機会を増やすことになるでしょう。

この様な話は今に始まったことではありません。

例えばこれは法律や政府は無関係な事例ですが、イエス・キリストを悩める人間として、またユダの裏切りを神の使命として描いた1988年公開の「最後の誘惑」という映画があるのですが、その内容からキリスト教徒が「冒涜的で許しがたい映画」として大規模な抗議活動が行われたことがありました。

一連の抗議を受けて各地の映画館は上映を見合わせ、結局この映画を上映したのはアトランタのたったひとつの映画館のみで、しかも2週間限定という形になるのですが、しかしその2週間の上映に人々が殺到し、チケットを求め行列を作る大人気となり、逆に話題となってしまいます。

そしてそこに並ぶ人々は口を揃えてこういったそうです。

「この映画は抗議デモで知ったわ。それを見てどれだけ酷い映画であるかこの目で確かめようと思ったの」

人は「見るな」と言われれば見たくなるものであり、他にもDVDなどの「暴力的描写があります」という記載は子供たちに逆にそれを選ばせるインセンティブを生んでいるという研究結果もあります。

それを考えればこうした「不適切本撤去法」は、弊害こそあれど思惑通りの効果を生むことはまず無いと言えるでしょう。

またこのような悪法は、学校側としても法で義務化されたからには違反時の罰則を恐れ、どんな異議申し立てであろうが従おうとする心理が起こるために、「子どもを悪影響から守る」のではなく、「法を守ること」を目的としてありとあらゆる本を撤去するようになっていきます。

辞書やギネスブックまで撤去している事実がそれを証明していることでしょう。

ちなみにこの件に関しては、今週、アメリカの大手出版社数社が州教育当局を相手取り

本の撤去は憲法修正第1条に違反している

として訴訟を起こしました。

どのような司法判断になるかはわかりませんが、違憲であるというのは当然の考えでしょう。

全米作家協会の最高経営責任者メアリー・ラゼンバーガー氏も今回の件に対し

「これらの本は何十年にもわたって若者を啓発し、世界を広げ、自尊心と他者への共感を育んできた」
「しかしこうした禁止措置は、著者が書く内容に萎縮効果をもたらし、著者の本に何か不道徳な点があるという誤った認識を生み出して著者の評判を傷つけることになる」

と声明を出し抗議をしています。

子供が何を読み、何を読まないかは家族で話し合い、各自で決めるべきです。

そこに政府が介入する余地はありません。

こんなバカげた法律は今すぐ廃止すべきです。

ということで、今日はここまで。

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