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ミシガン州の固定資産税廃止運動の話

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こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。

以前、1970年代のカリフォルニアで起こった「Tax Revolt(納税者の反乱)」と呼ばれる固定資産税の減税運動をご紹介しました。

簡単に説明すると、有権者が一定数の署名を集めることで直接州法を提案できる住民投票制度を活用し、苦労の末に固定資産税の減税を勝ち取ったというものなのですが、今日は同様の手法で固定資産税の減税運動を行っているミシガン州の草の根団体「AxMITax」をご紹介します。

AxMITaxは

固定資産税の廃止

新しい税金の承認には議会と有権者の2/3の賛成を必要とする

といった法案を成立させるべく、請願運動を行っている草の根団体です。

前述したカリフォルニア州のように、ミシガン州でも前回の知事選の投票総数の8%以上の署名を集めれば有権者が法律の発案が出来、住民投票に掛けられることが州憲法にて規定されています。

その制度を活用して「ミシガンを全米初の不動産税を廃止した州」にしようとするのがAxMITaxの活動となります。

ミシガン州の固定資産税率は、郡によって差があるものの平均税率は1.32%であり、この税率は全米平均の0.99%を大きく上回っています。

AxMITaxは、そのような事実を指摘しながら

「固定資産税を払わないと、家や農場、会社などが差し押さえられてしまいます」
「私たちの州憲法改正案は、固定資産税滞納による差し押さえを無くすだけでなく、 州政府の過剰な支出を抑制することも目的としています」
「また固定資産税を廃止すれば、州は企業や住民にとっての魅力が増し、他州からの移住と定着を促すでしょう」
「それだけでなく財産税の廃止は私たちは真の財産所有権を取り戻すと共に、国民一人ひとりに税金がどのように使われているかを再評価するインセンティブを与えることになります」

と主張しています。

さて、そんなAxMITaxが行っている固定資産税の減税運動ですが、今年11月の大統領選に合わせた住民投票を行うためには、7月8日まで446,198人以上の署名が必要とされていました。

すでに期限は過ぎましたが、その署名は無事に集められたのでしょうか?

結論を言いましょう。

残念ながら今回はその数字に届きませんでした。

ということでそれを伝えるニュースをご紹介します。


ミシガン州の固定資産税「廃止」案が住民投票へ持ち込むことに失敗

固定資産税を廃止する憲法改正案は、主催者が必要な署名を集めることができなかったため11月のミシガン州の投票にはかけられないことになった。

AxMITaxの固定資産税廃止案が11月の投票に持ち込まれるには、月曜日までに少なくとも446,198の有効署名を集める必要があったが、同団体は火曜日にフェイスブックに投稿した動画で「今年の投票に持ち込むために必要な署名数を集められなかった」と敗北を認めた。

これで州に請願が出ていた8つの運動が全て署名集めに失敗したことになり、これによりミシガン州では議会提案の投票が無い限り、2016年以来初めて偶数年の選挙で住民投票が行われないことになる。

AxMITaxは、目標に届かなかった他の団体と同様に今後も請願活動と署名集めを続けるとし、新たな請願書やパンフレットの作り直し、ボランティアの募集や資金集めに努めると約束した。

AxMITaxはミシガン州の財産税を廃止することを目指しており、これにより年間総額140億ドルの減税が可能になると主張している。

また同団体が提案した憲法改正案では、「新たな地方税導入にはについては有権者の3分の2の承認が必要」「市町村や郡に分配される税収は不可欠な行政およびインフラサービスにのみの予算にしかできない」といった内容になっていた。

一方でこの請願には反対する者も多く、「ミシガン州の学校は固定資産税によって支えられており、その廃税は図書館、博物館、動物園など地方自治体が資金を提供するその他のサービスが犠牲になるだろう」といった指摘があった。

州選挙管理委員会の委員長で民主党員のメアリー・エレン・グレウィッツ氏も反対者の一人であり、昨年同団体に対し「請願書では州政府や地方自治体にどれほど損害を与えるかが明確にされていない」と批判していた。

しかしAxMITaxは「警察や消防などのサービスについては心配しないでください。固定資産税を廃税にしても彼らは資金を調達する方法を必ず見つけます。私はそれについてはなにも心配していません。」と返しています。


以上ですが一応補足しておきますと、以前の記事でご紹介したようにミシガン州は知事、上院、下院の全てを左派の民主党が支配する「民主党王国」です。

そのためかこうした批判記事を用いた州政府側の根強い反対もあるようで、一筋縄には行かないといったところでしょう。

しかしながら昨日も書きましたが、こうした運動は州政府に税の支出の透明化や不正の防止を促すインセンティブを生み出すために、それだけでも大きな意味があります。

もし日本の復興税のように固定資産税が不正に流用されてたとなれば、AxMITaxの運動は怒りの世論で一気に火が付き、州政府は固定資産税の税収を全て失いかねないからです。

冒頭に書いたカリフォルニアの「納税者の反乱」も、その火種は「政治不信」でした。

そう考えるとどれだけ世間が政治不信を感じようが、日本の有権者が政治参加できるのは一般的には「争点のない選挙への投票」しかないのですから、ある意味上手く統制したものだなと思わざる得ません。

とはいえ愚痴っていても仕方がないので、我々は出来ることから始めましょう。

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ということで、今日はここまで。

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