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配属された研究室に院進しようと思ったら,ラボが無くなる理系学部生

ほぼタイトルの通りです.

私は記事投稿時の現在,大学理系学部3年でこの夏に卒業研究などを行う研究室の配属がありました.第一志望の研究室で.主にマクロのエネルギーシステムについて主にシミュレーションで研究している研究室になります(ラボバレ不回避).たいていの理系学生は学部時代に配属された研究室にそのまま院試を受けて大学院に進学します.逆に言えば,他の大学の大学院に進学したり,就職したりするというのはイレギュラーな選択です.

私が配属された研究室についてですが教授の退官によって研究室自体が消滅し大学院に進学した際に同じラボでの研究が続けられない,ということになっています.私は配属前に知っていて承知の上での希望でしたがラボの同期は私と話したときに知ったか,配属後に知ったかで,配属先を考えるときの判断材料にはなっていなかったようです.

では,なぜ私はわざわざ配属前にラボが消えることを知っていて第一志望にしたのか,という疑問に自然になっていくでしょう.配属先の研究室では私の興味のある分野の研究をやっていたのはもちろんです.先ほど通常は同じ研究室の院試を受けてそのまま進学するというのが一般的だと話しました.私自身が何も考えずにその選択をしてしまって後悔してしまうのではないかと考えていました.そのまま進学できない研究室に配属されることで能動的に学部卒業後のキャリアについて考えることができます.キャリア形成をハードコアな方向に強制誘導させたかったのです.そこで考えられるキャリアの典型的な選択肢を挙げてそれらのメリットデメリット,その選択肢に対して行ってきたことを整理していきます.

1.そのまま同じ大学の別の研究室に進学する.

この選択がキャリアにかけるエネルギーが少なく,研究と関係なく普通の就職をする上では問題が少ない選択肢.周りには院試の情報を持った人が多く居住地も変わらないため精神的な負担も少ない.しかし,今のラボと同じような研究内容で運営されている研究室がなく,一番相対的に近いものでもかなり遠い分野になってしまい,私のキャリアの一貫性がなくなってしまう.一貫性がないとスキルや知識に対する熟練性も無くなるか小さくなってしまいますし,将来その道で生きて行こうにも(きっとそんなところまで見ていませんが)採用担当からどのようにその選択を見られるのかが分かりません.今の分野から遠くても良いし院試の結果によっては希望通りに行かない学生もいますが,なによりも自分がやってみたいという研究が今のところないのがこの選択をしたくな理由のうちでは大きく占めています.私が研究を始めてから興味が新しく沸いてきたりするかもしれないですが.

2.別の大学の研究室に進学する.

2-1.似たような研究を続ける.

この選択が自分のキャリアの一貫性を保つことができて,スキルも単一の方向を向いて磨くことができる.しかし,他大学のため院試の情報が少なく,外部からの入試は内部進学者に対する評価よりも厳しいものになってくるのではないかと噂程度であるがそのような情報もある.
しかし国内にだけ目を向けるのではなく,海外への進学も視野に入れることができる.円が通貨として弱くなっている中で海外での進学や就職,生活をすることも視野に入れたくはなってきます.もちろん語学ができなくてはならないが,各国から優秀な学生や専門家が集まる中で生き残っていかなくてはならない.まさにバトルロワイアルである.個人的には生を削ってまで仕事に精を出さなければならないとは思っていない,むしろ緩くは生きていきたいがそれなりにめちゃくちゃではなくともお金は欲しいと思っているので,ちょうどいい隙間場所が見いだせるのではないかとも思っている.まだこの選択肢に希望を持っているが現実性がそこまで大きくなく詳しく調べてはいない.
ですが,研究分野やテーマが決まればおのずと進学したくなるテーマを扱っている研究室は限られてくるので,海外進学を除けば,注ぎ込まねばならぬエネルギーはそこまで大きくはないはずで,私的有力視されている選択肢ではある.

2-2.全く別の研究をする.

これは同じ大学に進学するする場合とも同じと言えなくはない.しかし,私が所属する大学での研究は,ベンチャー企業や大手の企業とのタイアップが多かったり,すぐに社会実装できることを念頭に置いたものが多い.つまり実効性があまりないようなある意味では無駄だといわれるような研究はほとんど行われていない(最近の某予算の唯一の認定のニュースからもわかるだろう).私の他の記事を読んでいただければなんとなく後者の研究に魅かれることがわかっていただけると思います.ですから,内部進学をするということは自分の興味ではない研究をすることになり,外部への進学をするとより自分自身の興味に合った研究をしやすくなるのだろうと私は思っています.ただし既に書いているように自分の研究室での研究活動はまだ始まったばかりで分からないことだらけですのでリサーチも進んではいません.つよつよ学生ならそうではないのかもしれないですが.

3.就職する.

3-1.文系就職で総合職などに就く.

この選択はかなり現実味があります.こんなことを言っては怒られそうな気もしますが,文系就職をするのにはそこまでの専門的なスキルは必要とされず,ディベート能力や論理的思考力など採用している企業が欲している自頭的な能力と学歴が重要視されます.某旧帝国大学に通っているのでそのあたりには自信はあるかは置いておいても他の学生よりはあると考えています.私自身や企業研究も行ってある程度業界を絞ってこの夏をすごしました.
また,修士卒予定の先輩が修士に進学するにしても学部で就職するにしても,学部のうちに就活することで自己分析になったり就活の雰囲気がわかるからやっておいた方がいいと勧められたこともあります.院進しない文系学生ではないので真剣度は明らかに小さいですし,地方の工学部ということで周囲に就活をやっている人間はそこまで多くはなく(それでも私の周りは多い方かとは思っています),情報は少なく周りから影響を受けて焦ったりということもありませんでした.
特にやったことはいくつかの企業の説明会と夏のインターンに応募した程度(どこにも引っ掛からず)です.応募は絞りに絞って内定が出たら絶対に行こうと思える企業のみにしました.日程の都合で一社のみの応募になりましたが,選考が激しいと言われていた割には2次面接(最終面接)まで行くことができたので良かった思っています.
冬のインターンや春以降の本選考にはもっと多くのエントリーをするつもりですが内定ゼロでもよいとは思っています.その焦りのなさ,脱力感で内定がもらえるといいのですがw

3-2.技術職に就く.

ほとんど3-1の延長ですが,正直学部卒の工学部に何ができるんだと思っています.ですから,研究職ではなくてプログラマやデータサイエンティストなど学部で行う研究の延長にあるものに応募するのが現実的です.しかし採用の応募が年末年始前後,研究がしっかり動き出すのが春以降というのを考えると(実は一年間業務として研究のお手伝いとしてデータ処理を行っていたが)研究の実績が全くゼロでの応募となりかなり厳しい.最上位の企業の専横では,相手はそれこそ修士卒やPhDと戦うことになると思う.また技術職は給料とスキルは比例して増えていくのでほぼノースキルでの応募では期待するような待遇のポジションは得られないだろうというのが現時点での見立てである.最後の最後になってですが,資格はなにも持っておらず(無計画怠惰!),資格の取得によって技量の照明をするしかありません.
ということは順当に同じような研究を大学院で続けてから技術職に応募するしかなさそうです.その通りです.ですから目先の好待遇の文系就職の道を捨てて自己研鑽をしてから出直す方がよいのではないかと思っています.どこの業界でも必要とされる技術を持っていれば新卒就職後の転職活動もうまくいきます.私の父の転職をみていて思ったことで,技術ももちろんですが,転職の際には所属していた企業のネームバリューも問われれるような気がしています.
こんな理由で技術職での学部卒就職は,現時点の自分には勧められないと思ています.

まとめ

ここまで現時点で考えられる5つの選択肢について,私が考えていることを書いてきました.読んでいてお分かりになったかもしれないですが,すべての選択肢に一長一短あってどれかひとつに決めきれていない状況です.つまりすべての選択肢の実現の可能性があると思っているので,時期などの要素でコミットする時間は違いますが,それぞれのコミットは中途半端になっていると思います.大学3年にもなって自身のキャリア選択をかっちりと決められていないのがここまでに拗らせている原因なのかも知れないですが,大学に来て「これだ」と思うようなものに出会わなかったのも事実です.感傷的にならずに自分のキャリア形成を満足いくようにやっていきたい.

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