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私の創作活動の掟

私は自分のことが、一番信用ならない。だから未来の約束は、なるべくしないことにしている。こういう考えに至ったのは、持病との長い付き合いが原因だ。

もともとは文学賞へ応募するかたわら、オンラインで小説やエッセイの公開をするなど、一人で活動していた。その後は仲間に恵まれたこともあり、文学フリマなど即売会への参加、委託店での販売、親友とのイベント運営など、意欲的に活動を広げていく。

毎年入退院を繰り返していたのに、その頃は珍しく安定した体調が続いた。やっぱり楽しいことをしていると体調も上向きになるんだな、などと思っていたら、いきなり持病が再発して2ヶ月も入院。

このとき某施設での作品展示が決まっていて、準備が途中の状態だった。自分の作品展示が中途半端に終わったこと、仲間に迷惑をかけてしまったことは、悔しさと自己嫌悪に陥るのにじゅうぶんだった。

  *

入院は、自分のライフスタイルを見つめ直すいい機会だ。今回の反省点は、己の体調を過信して先々の約束をしてしまったこと。手広く活動できない自分に落ち込みはするが、ならば突然入院してもなんとかなる活動の仕方にしようと思案。

その結果、一旦すべての即売会と委託店から手を引いた。せっかく広げた楽園だが、もとの自分一人の活動へと戻ることにする。その日私がいなければならないもの、相手がいて成り立つような活動はストップ。手製本の在庫はオンラインショップへと売り場をかえた。

小説やエッセイのオンライン公開についても掟を定めた。書いては出し、書いては出し、というライブ的な連載はしない。連載をするなら、完結させたものを小出しにするやり方でいくこと。私が利用しているエブリスタではページごとの予約公開ができるため、たとえ連載途中で入院しても、自動で連載を継続してくれる。

ライブ的な連載なら、間があかずに済むから、読者もつきやすいと思う。でも私としては、走りだしておいて途中で止まることの方が苦しい。相手がいるならなおさら。

完結させてから世に出すスタイルだと、ライブ派よりも時間がかかるから、焦りや不安に駆られることもある。だけど図らずもこれが、牡牛座的生き方には合っているようだ。

私の聖典『牡牛座の君へ』には、こう書いてある。「保険をかけながら冒険しよう」と。

実際、「完結してある」というのは、笑顔になっちゃうほど安心と喜びに満たされる。保険をかけて安心を得ることが牡牛座さんには大切なのだ。

そこから「さあこれをどう世に出そうか」とウキウキワクワクが湧き起こる。それがきっと、冒険の始まりなのだ。


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