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THE BEATLES 個人的15選

僕がビートルズを初めて聞いたのは高校2年の夏休みでした。高校入ってからやっと流行歌を聞くようになって、B’zやミスチル、徳永英明などが好きでした。でも今はどうかは分からないですが、音楽が好きな人は大抵洋楽好きが多くて、今でいう「マウント」みたいなポジショニングでしたね。勝手な印象かもしれませんが。僕の親友も中学くらいにもうビートルズやクイーン、イーグルス、ツェッペリンとか聞いていて僕がビートルズを聞くようになったら「やっとお前も洋楽聴くようになってくれたか」と上司のような口ぶりで歓迎(?)してくれたのを覚えています。まあ、僕も世間的な邦楽の地位を知っていたので「早く洋楽聴かないと、いつまでたっても半人前扱いだ」とよく分からない焦りがあり、「まあ邦楽も1年以上熱心に聞いてきて少し物足りなくなってきたから洋楽を聞こう」と思って聞くなら最初はビートルズから、というマニュアル(?)に沿って聞き始めました。それは大正解でしたね。イエスタデイやレット・イット・ビーなど知っているメロディーが多くて入りやすかったですし、何より素人耳からしても洋楽の醸し出す「本物感」が分かって一気にハマっていきました。それからはほとんど邦楽を聞かなくなりやっぱりマウントに登って下界を見下ろしていましたね(笑い)。とまあこんな感じで、今回はビートルズを。10曲じゃ収まりきらなかったので15曲にしました。すいません。前半にかなり偏っていたりしますが、個人的なものなので、これもすいません。まあそんな感じですがどうぞ。

Twist And Shout (1962年)
デビューアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」の最後に入っているジョンレノンの熱唱がヤバい一曲です。このアルバム自体一発録りでほとんど時間がかからず、そのテンションのまま最後にジョンが絶唱して録音終わったそうです。だから、ライブ感みたいなものもあって、僕はこのアルバムは好きでしたね。初めからこんな名盤作れてしまうビートルズは凄いわ。


She Loves You (1963年)
この曲でビートルズはイギリスでまず無敵になりましたね。完全なロックのスタンダードナンバーで60年以上経ってもその輝きは色褪せない、魔法みたいな名曲です。僕もビートルズを聞く前からこの曲のメロディーを知っていて「これもビートルズやったんか」と、耳なじみのある曲が次から次へとビートルズソングから発見されていくのが本当にたまらない至福の時でした。ライブ映像とかいいのがなかったので静止画で失礼します。


A Hard Day's Night (1964年)
ビートルズが世界現象となった時代に作られたミュージックビデオの走りみたいな映画の主題歌ですね。僕も初期ビートルズの中で一番好きな曲です。これぞビートルズって感じの頂点みたいなやっている方も見ている方も幸せだった時間の記録、みたいな。まあ実際ここからビートルズはアイドル的な在り方に疲れ果てて、本当のロックの表現へとだんだん入っていくわけですが。僕個人はやっぱり最初期の分かりやすい「陽」の時代のビートルズソングが好きで今回もそっちにかなり偏った選曲となっていますので、あしからず。


I'll Be Back (1964年)
これは3枚目の「ア・ハード・デイズ・ナイト」の最後に入っている少し黄昏た感もある、渋い一曲です。この哀愁やノスタルジーをこの年齢でこのレベルの旋律でさらっと書けてしまうジョンレノンはやっぱり天才ですね。これは余談ですが、僕はジョンレノンが大好きでビートルズを聞くまで有名な「イエスタデイ」や「レット・イット・ビー」はジョンレノンが作ったものだとばかり思っていたので、それが全部ポールマッカートニー作曲だと知った時は結構ショックを受けたりしました。まあでもソロでの大名曲「イマジン」がジョンレノン作と知って胸をなでおろしましたが。さすがにライブ映像とかはなかったです、すいません。


Rock And Roll Music (1964年)
このチェックベリーのカバーは最高ですよね。本家よりずっといいです。ジョンの乗っている時のロックのバイブスは本当に気持ちいいです。すいません、ジョンレノン推しなので。かなり後追い世代なのですが、ポールにはライバル心持っていたりとかなりジョンレノン信者みたいに一時なってましたね。それくらいジョンレノンは魅力の塊で、だからこそあの1980年の悲劇が永遠に心に刻まれてしまうのでしょうね。全世界が涙したのは歴史上あれが初めてだったのではないでしょうか。これも静止画で。すいません。


Yes It Is (1965年)
9枚目のシングル「涙の乗車券」のカップリング曲ですが、僕の中ではビートルズのバラードでもかなり好きな曲です。静かでいて品もある、少し大人のラブソングをもう25歳とかで作れてしまう、人生経験というか、人の何倍もの速さで生き抜いていったのでしょうね、彼ら、特にジョンレノンは。精神構造がその時代では図抜けていて全部見抜いていく、そんな感じも曲やらなんやらから見受けられたりしますね。すいません、推しなんで偏っているかもしれないですが。静止画でどうぞ。


Yesterday (1965年)
ビートルズと言えば、な一曲です。残念ながらポールの曲です(笑い)。でもポールマッカートニーのメロディーを紡ぎ出す力は歴史に残る偉大な才能だと思います。特にビートルズ時代は天下無敵でしたね。あの4人の関係性の中でその才能を如何なく発揮できたからこそ、最後までビートルズでいたかったポールの最後の葛藤などは今ドキュメンタリーやその当時の作品とか見てもなんか切なくなりますよね。「ゲット・バック」の歌詞とかでジョンへの思いを綴ったりしていますし。そんないろいろな物語が交差しているからこそ人々はよりビートルズに惹かれていくのかもしれません。


Help! (1965年)
曲調はポップロックの明るい感じですが、歌詞は当時のジョンレノンの置かれたアイドルではもうキツイという叫びみたいな結構シリアスなものだったりします。そこら辺は解説とかに書かれていたりしましたね。思春期が終わって、さてどうこれから生きていくか、どう世界や自分と向き合っていくか、を模索し始めてビートルズはロックの歴史そのものになっていきます。単純な曲が少なくなって、深いと言うか、実験的な曲が増えていくので個人差はありますが、僕はやっぱりわかりやすい初期の明るい幸せな時代の曲が好きですね。


The Night Before (1965年)
これは隠れた名曲、掘り出し物ですね。ポールの曲ですが、何とも言えないメロディーライン、高揚感、やっぱりポールは天才。ビートルズにはジョンレノン、ポールマッカートニーという20世紀を代表する二人の音楽家がいて、その時点でもの凄いことだったんだなあ、と今振り返ると思ったりしますね。この事実が衝撃的過ぎてみんな感覚が麻痺しているんじゃないかって思うくらいに、天才達の偉業の全貌はまだ見渡せていないのかもしれません。


You Won't See Me (1966年)
これもポールマッカートニーの曲です。個人的にビートルズのアルバムの中で一番好きな「ラバーソウル」に入っているこれまた隠れた名曲です。このアルバムはビートルズがアイドルから完全に脱しつつ、でもまだ「凄い」ロックへ行く少し手前の過渡期をものの見事に表した、歴史的な揺らぎをパッケージしているような味わいがありますね。ウェットでいながら、まだドライにも行き切っていない、その絶妙なバランスがこのアルバムの世界観を作っていて、僕は大好きです。これも静止画で。


Nowhere Man (1966年)
ビートルズを最初に聞いた時有名な「赤盤」から聞いて、2枚目の中期のこの曲とか最初から「渋いな」と思って好きでした。あの「赤盤」「青盤」は本当に通して聴くと、たった8年でこんなにもバンドって、人間って変わるもんなんやと衝撃を受けたりしますね。ジャケット自体が完全別人ですもん。見て頂ければわかると思いますが。あの1960年代という時代だったからこそ唯一無二のロック、アイドル、アーティストとしてあの4人は駆け抜けて世界は彼らに熱狂したんですね。凄い時代やったんやなあ、って後追い世代は羨ましく思ったりします。ここら辺になるともうあんまりライブ映像とかないですね。ライブを止めた時と重なるので、彼らが。


In My Life (1966年)
レット・イット・ビーに次いで好きなビートルズの曲です。途中のバロック音楽的なピアノが特にいい味出していますね。コーラス、歌詞、すべてが高いレベルで融合していて、普通にファンの間でも人気が高い曲だそうです。ジョンレノンとポールマッカートニーの共作でもありますし。静止画は例の赤盤のジャケットでどうぞ。


Here, There And Everywhere (1966年)
ポール最高のバラードです。どうしてこんな至高のメロディーを紡ぎだせるのか信じられません。ジョンレノン派として降参してしまうくらいに。この曲の入った「リボルバー」はビートルズファンの中でいつも「アビーロード」と最も好きなアルバムで意見が分かれるらしいです。まあロックアルバムとして普通に名盤ですよね。ちょっと前までアイドルしていたとは思えないくらいにここから解散までの3年でビートルズはロックレジェンドへと化けていきます。だから後期のビートルズが好きという人も多いですね。


Something (1969年)
ビートルズ第三の男、ジョージハリスンの大傑作バラードです。僕も贔屓目や憐みなしでビートルズを代表する一曲だと思います。同じバンド内に歴史的な天才二人がいて、さらに一番年下だから、作曲能力もそれなりにあったのに、いつも採用されるのは天才二人の曲ばかり。でもあの二人にはない繊細さなどがハリスンの持ち味でこの曲が収められた実質的なビートルズのラストアルバム「アビーロード」の「ヒア・カムズ・ザ・サン」とかも僕は好きですね。このハリスンの二曲があって、ポールのメドレーがあって、ジョンの重たいけど全体を引き締める曲があって、リンゴも歌っているし、であの「アビーロード」は歴史的な大名盤になっているのでしょうね。また聴いてみようかな。


Let It Be (1970年)
僕個人も一番好きなビートルズの曲ですし、大抵のアンケートを取っても日本ではビートルズでは一番人気の曲です。海外では「ヘイ・ジュード」や「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」とからしいです。ポールのビートルズ解散が決定的となった際の悲痛な心情を、14歳の時に亡くなったお母さんを救いのマリアに見立てて「降りてきた」曲なんでしょうね。透明でいて、力強く、そしてポールにしか紡ぎだせない宇宙の最奥に秘めたるメロディーラインをそっとこの地上に持ってくる、すべてにおいて20世紀最高の曲だとも言えますね。「あるがままに、なすがままに」という歌詞も啓示的な言葉で、今の時代にも通用するのではないでしょうか。PVは静止画ですがどうぞ。


ビートルズは僕の中で周期的にブームが来ていて、もうそろそろ4回目くらいのが来そうなこのタイミングでこの記事書けて良かったです。やっぱりいろいろなバンドとか聞いてきても、ビートルズをいろいろな意味で超える存在ってないってことが、長く音楽を、ロックを、ポップスを聞けば聞くほどに分かって来たりします。それくらいあのたった8年足らずの間に彼らがやってきたことがいかにその後の時代を作ってきたことか、ということですね。「ヘルタースケルター」とかもヘヴィメタルの元祖とか言われてますし、「オブラディオブラダ」はレゲエの元祖、現代音楽もあるし、ビートルズは何でもありです、凄いです。でもやっぱり僕個人はあの初期のアイドルの輝きが本当にモノクロからでも伝わってくるのが、一番彼らの本質を表しているような気がします。存在自体が「この世を照らすこの世ならざる光」とでも言いますか、……まあそんな感じです。ではまた何かの今度は10選で。

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