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火星

どこにも
交ざらない
離人的なウインドウ
映る姿は
あの頃の影を
引きずって
言葉は
深く沈殿する
あるがままを
なでる風
時の流れに
身をやつして
僕をどこへでも
連れていく
何がしたいもなく
下界を見るように
これでいい
通り抜けるには
ちょうどいい
抜けた先に
あてはないな
今を不完全なまま
沈める力に
抗う気力もなく
離人症なウインドウから
眺める世界は
僕らのメタファーで
テレビ的な
一切は
この日のために
あるのだと
今さらながら
思い知らされる
人間から
切り離された
部屋の中に
溺れながら
命を薄くさせる
オスの機能不全
ミュータントな
未来は静かに
選別を繰り返し
歴史は火星にまで
届こうとしている

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