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アルバム

やるべきことから
逃げながら
傷を癒している
傘の中
世界はまだ
静かだった

悪いことは
黒い膜の向こうに
消えたまま
明日の太陽を
思い描いている

昼下がり
人の顔を遠ざける
夕暮れ時
顔を忘れたままで

カーテンが赤に染まる
古い悲しみが
赤く染まる
切なく揺れながら
僕はそれを見ている

傷は癒えたかい?
言葉は今ほど
鋭くはなく
そのままの
夕暮れは
気持ち良くもあり

悲しみは
古いアルバムの中に
吸収されて
いつか愛する人と
見るのだろう

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