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vol.15 「出張料理人」という選択

前々回、フードトラックの話をしましたが、今回も飲食店の皆さまに向けた事例を1つご紹介します。「シェアダイン」というアプリはご存知ですか?

〈Forbes JAPAN / 2020年7月17日〉

ユーザが入力した場所と食の嗜好から料理家をマッチング、料理家がユーザ宅を出張訪問し料理を作り置きしてくれる、出張シェフのマッチングプラットフォームです。昨年3月から定額サブスクリプションサービス、10月から法人向け福利厚生サービス「シェアダイン ウエルネス」がスタートしています。コロナ禍もあって、利用が伸びているそうです。

食は「パーソナライズ化」が進行

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この記事でまず伝えたいのは、今は5人に1人が生活習慣病を抱えているということです。さらに、食物アレルギーを持つ人も増えてきたりと、食の課題に向き合う専門的な知識が昔より必要になってきています。

私の妻も、アレルギー症状がひどく5月から分子栄養学の資格をもつドクターのもと血液検査をし、食事療法に努めています。専門的なことは分かりませんが、生まれた時から栄養失調状態で、肉や魚を食べても吸収する力がないとのこと…(驚)。最初のステップとしては、魚の粉を料理に入れたり、ボーンスープを飲んだりして、体質改善をしています。何を摂るべきか、何を摂らないのかを明確に指導されているのです。

食で体ができている以上、それぞれの体質に合わせて、食事を変えるというのはよく分かります。私は格闘技をやっているので、力負けしないようにパワーをつけたい。独学で学んでいますが、お金に余裕があれば、食の専門家のアドバイスを受けたいくらいです。

1億総活躍を求められている昨今、お子さまを抱えるご家庭では、まさに喉から手が出るほど利用したいサービスだと思います。

料理人から「料医人」への意識転換が必要

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戦後、日本は「たくさん食べたい」→「おいしいものが食べたい」という風に転換してきました。「美食」ブームなんて、まさにそうですね。さらには「医食同源」。予防医学としての食。これも、1つのトレンドです。それがさらに個別化することにより、専門性が高まっていると感じます。

当社でも大正製薬さんにスポンサードしていただいて制作している「self doctor(私が私のお医者様)」という冊子でも健康レシピはとても人気があります。

一方で飲食店の皆さまはどうでしょう。恐らく、プロフェッショナルとして栄養学などたくさん勉強されているとは思いますが、そのことがお客さまに伝わっていないとしたらもったいない。正直、これまで多くの料理人さんと出会い、お話してきましたが、根掘り葉掘り聞くまでは持っている宝が全く見えてこないと感じています。

SCはこだわりを見える化することが役割

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私はショッピングセンター(SC)の広告・販促を通じて、テナントのこだわりや知識、取り組みの見える化を図っています。いかに、普通の(標準的な)お店に見せないかということを心がけています。

そこで引き出した宝を、レポートにまとめ、各店舗にフィードバックし、お店のPOPやランチョンマットなどに、情報を見える化し、お客さまに知っていただく努力をしています。

何でもそうですが、自分では当たり前のこととして捉えていたり、アピールするほどでもないと思っていることは、たいてい他人には伝わっていません。それを、第三者として発見し、お客さまに伝えていけることもディベッパーならではの役割なのではないしょうか。

Forbes JAPANの記事は、飲食店に新しい宿題を突きつけているとともに、以前お話したシェアキッチンの事例も含め、ディベロッパーもテナントとして入店してもらうメリットを考えなければならない時代になっています。コロナ禍の拡大は、そのことをより明確に示唆しているのかもしれません。

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