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物語ではない論理的な文書の構成方法について

皆さんこんばんは、福田達也です。

先日は起承転結に限らない物語の構成方法として、「序破急」や「起承鋪叙結」、「起承鋪叙過結」について話をしました。

また、以前の記事では、ブログのような短い文書の構成方法として、SDS法やPREP法について紹介をしました。

文章の構成方法について色々と調べていると、海外ではまた異なる構成法が主流だったり、物語と論文では構成が異なったりなどと、色々な違いが見えてきました。

今日はその1つの切り口として、論理的な文書の構成についてアウトプットしながら整理したいと思います。

パラグラフ・ライティング:論理的な文章を書く

特に英語圏において、論理的な文章を作る時にはパラグラフ・ライティングという書き方が重要であると言われています。

パラグラフライティングは,文章のまとまりを作るルールと,各まとまりの中での文の配置のルールに則って文を書く方法です.そのルールを簡単に言えば,「共通の話題で括れる内容は一つのまとまりとする」というものと,「各まとまりの先頭には最も重要な文を置き,それ以後にはその文の補足説明のための文を置く」というものです.このまとまりのことをパラグラフと呼び,各パラグラフの先頭の文のことをトピックセンテンス(話題文)と呼びます.

http://www.ams.eng.osaka-u.ac.jp/user/ishihara/?p=566

パラグラフ・ライティングは、「結論を書いてから詳細な内容を記載すること」と、「1つのメッセージを伝えるために、文章のまとまりとして1つの段落(パラグラフ)を作ること(1段落1メッセージ)」との2つからなります。

論文のような論理構造が複雑な内容は、できる限り内容をシンプルにしないと読み手が混乱します。少しでも文章が読みやすくなるようにと作られたのがこのパラグラフ・ライティングです。

一方で、物語のような叙述的な文章に対してパラグラフ・ライティングはあまり効果的ではない場合も多いです。例えば推理小説を読んでいる時に、「犯人は〇〇である。彼が犯行を行った動機は〇〇だ」から始まったら興ざめでしょう。

IMRAD:論文の論理展開

論理的な文章の中でも、特に内容が複雑な論文においては、文書全体の構造としてIMRADという構造を取ることが多いです。少なくとも、自分が主に研究を行っていた情報科学分野の場合、ほぼ間違いなくこの構成でした(内容がわかりやすいというのもありますが、投稿先の論文誌から構成を指定されていることも多いです)。

IMRAD形式は、以下の頭文字を取ったものです。
Introduction:序論
Materials and methods :材料と方法
Results and Discussion:結果と考察

序論では、社会的な背景から、なぜこの研究が必要とされているのかを説明します(未解決の課題の提示)。多くの場合、他の先行研究を提示しながら自身の研究の位置づけを示すとともに、なぜ先行研究では解決できていないのかも併せて説明します。

材料と方法は、その課題を解決するために、自分が何を提案し、それを研究としてどのように行ったのか(理論や実験方法など)を示します。研究領域は再現性のある理論や実験の積み重ねで作られているため、読み手が同じことを再現できるように記述するのが重要です。

結果と考察では、序論で取り上げた課題に対して、この研究で何を検証し、どのような結果が得られたのかを記述します。その上で、得られた結果からどういった事が読み取れるのか、最初の課題は解決されたのかといった結論を述べます。ここでは、読み手にとって、なぜその結論になるのかが明確であるように論理だてて考察することが重要です。

終わりに

今回は文書の構成方法というトピックの中から、特に読み手に内容をわかりやすく伝えるための論理的な文書の構成方法について説明しました。

論文は多く書いてきたこともあり、自分にとってとても馴染みのある書き方ですが、一方でこの分野の人でなければあまり触れてこなかったかもしれないとも思います。今回の記事の内容が、みなさんにとって何らかの価値になれば幸いです。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを楽しみにしています。

参考文献


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