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物事を相対的に見るからこそ囮に引っかかりやすくなる【本から学ぶ】

皆さんこんばんは、福田達也です。

今日は書籍から学んだことについて、自分の身の回りの事に照らし合わせて考えてみたいと思います。

本日の書籍はこちら。『行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』より、第一章『相対性の真相 なぜあらゆるものは ──そうであってはならないものまで── 相対的なのか』です。

内容のまとめ

私たちは相対的に物事を判断しているため、おとり価格などによって判断が影響を受けてしまう。例えば比較困難な2つのサブスクリプションプランがあるとする。そして、その内の片方に対して、明らかに劣っている3つ目のプランが付与されているとする。

このような時私たちは、比較困難な2つのプランについて考えるのをやめ、3つ目のプランに対して明らかに「お得な」サブスクリプションを選択する傾向にある。

私たちは常に相対性をもって物事を見ている。つまり、一つ一つに価値があるかどうかではなく、他の選択肢と比べてどうか(よりお得か、損か)といった観点で見ている。そして、常に比較しやすいものを比べ、比較しづらいものは無視しがちな傾向がある。

この相対性による影響を小さくする戦略の1つは、分不相応なものが目に入らないように輪を狭めたり、同じ価格の全く違う物事に照らし合わせて相場観を整えるよう輪を広げたりすることである。

囮価格という戦略

まとめの中で、囮価格という表現をしました。これは、ある特定のものを売りやすくするために、購入者の選択肢の一つとして、明らかにお得でない価格設定を入れるというものです。

身の回りを眺めてみると、この囮価格を使った戦略は多くの所で使われているように感じます。例えば、何かサービスをする時に松竹梅の3つのプランを提供することで、中央の竹プランを選択するように誘導するというのは、いろいろな所で使われている戦略でしょう。

あるいは、月額制のサービスを利用してもらいたいとした時に、高額な都度利用のプランを合わせて作り、相対的に月額制のサービスを利用した方が安く感じるように設定している場合もあります。ぱっと思い浮かぶのは美術館や博物館ですね。多くの人の平均利用回数が少なくなりがちだからこそ、2回で元が取れる値段設定にすることで、より高額なサブスクリプションプランへ誘導しているように感じます。

あるいは、ある商品を売り出したい時。お客さんが手が出ないような、明らかに過剰で高額な商品を提示することで、通常の商品を安く見せているケースがあるように思います。

相対性に引っかからないために

このように私たちは「相対的にお得」なものに目がくらんで、本当は必要ではないものを選択してしまう場合が往々にしてあります。この相対性による罠を回避するためには、選択の輪を狭めるか広めるかのどちらかが有効です。

輪を狭めるとは、自分の選択肢を不必要に増やさないことです。他にお得な選択肢がないのか探してしまうからこそ、相対的な指標に引っ張られてしまいます。選択肢の幅を絞り、相対的な比較でなく、一つ一つについて自分にとって必要かどうかを検討することが、この相対性の罠を回避する1つの手段です。

輪を広げるのは逆のアプローチです。サブスクリプションプランを比較してお得かどうかを考えるのではなく、普段自分が使っているお金全体を見回し、その上でそのサービスに値段分の価値があるのかどうかを考えます。これをしっかりと検討するためには、日々の自分の消費活動を把握できて売ることが重要です。

終わりに

今回は行動経済学の中から、私たちが相対的に物事を見ていること、それゆえに囮に引っかかりやすくなるということを紹介しました。

相対性を避けるためには輪の大きさをコントロールすることが重要です。普段の生活においても、求めているサービスに対して事前に予算を決めたり、キャッシュフローを管理して自分の支出の軸を決めるなどして、意識的に大きさをコントロールする力を付けていきたいものです。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを楽しみにしています。

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