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聖書と信

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聖書はひとを生かすもの、という思いこみだけで、お薦めします。信仰というと引かれそうですが、信頼などの信として、ひとや世界を大切にする思いが、少しでも重なったらステキだな、と思いつ…
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2024年5月の記事一覧

『説教と神の言葉の神学』(カール・バルト:加藤常昭・楠原博行訳・教文館)

『説教と神の言葉の神学』(カール・バルト:加藤常昭・楠原博行訳・教文館)

以下は、カール・バルトのよく知られている、1922年に語られた講演「キリスト教会の宣教の困窮と約束」の新しい翻訳である。――ここから「はじめに」が始まる。訳者のひとり、加藤常昭氏の手によるものである。本書の発行後、一か月を待たずして、召されることとなった。
 
主宰する説教塾で必要があって翻訳したものである。それが出版に値するということで、「新訳」として世に問われることとなった。これは、百年後の現

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語る者のことば

語る者のことば

説教塾ブックレット。21世紀になってから、「説教塾紀要」の一部を一般に広く知ってもらうために、というような形で発行されたシリーズがある。その第11弾として、2012年に『まことの説教を求めて』が発行された。副題に「加藤常昭の説教論」と付いており、著者は藤原導夫牧師である。説教塾の一員であり、要でもある。
 
今回は、その書評のようなことをするつもりはない。ただ、そのごく一部から励まされた点を証しし

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『説教25 説教塾紀要』(教文館)

『説教25 説教塾紀要』(教文館)

自分の手の届く世界ではなかった。説教のプロたちの営みは、遠い雲の上の世界だった。「説教塾紀要」の存在は知っていたが、自分が読むようなものではない、と思っていた。
 
だが、主宰の加藤常昭先生の最後の説教が掲載されていると聞き、迷わず購入の手続きをとった。2024年3月発行の最新版である。
 
2023年10月8日のその礼拝の末席を私は汚していた。加藤先生と時を共有してその説教を聴くのは、初めてだっ

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若葉のいろ

若葉のいろ

「ファースト・オブ・メイ」と聞いて、ピンとくる人はかなりの年配になるだろうか。映画「小さな恋のメロディ」の挿入歌である。邦題は「若葉のころ」とつけられ、映画のシーンに相応しいタイトルとなった。ビージーズが、まだディスコサウンドに入る前の名作である。それは、5月1日を指すのだろうか。もっと広く指してもよいのだろうか。「駆け出し」の意味もあるというから、幼くて一途な恋をモチーフに、「子どもたちの世界」

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